産業保健師として転職を考えている方にとって、最初の大きな壁となるのが書類選考です。
一般的な看護師職とは異なり、産業保健師の求人は倍率が高く、書類選考で落ちてしまうケースが少なくありません。
「なかなか内定がもらえない…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
しかし、書類選考を突破するためのカギは、魅力的な職務経歴書を作成することにあります。
実は、私は未経験から産業保健師に転職しましたが、書類審査の通過率はなんと9割以上!基本的なルールを押さえつつ、採用担当者の目に留まるポイントを意識すれば、ぐっと通過率が上がります。
こんな悩み、ありませんか?
・一般企業向けの職務経歴書を書いたことがない
・産業保健師求人にエントリーしても書類審査が通らない
・自己PRが上手く書けない
この記事では、未経験の方でも簡単に書ける「5ステップの職務経歴書作成法」をご紹介します。このステップに沿って作成すれば、書類選考を確実に突破するための準備が整います!
実際の職務経歴書の書き方を詳しく解説していきます。ぜひ最後まで読んで、あなたの転職成功につなげてください!
産業保健師は履歴書より職務経歴書に命をかけるべき!

産業保健師として転職を成功させるには、履歴書と職務経歴書の両方が必要です。
それぞれの役割と違いを理解し、効果的な職務経歴書を作成しましょう。
履歴書と職務経歴書の違い
職務経歴書は、これまでの経験やスキルを企業側に伝えるための重要な書類です。
・転職サイトに登録をするとき
・企業にエントリーをするとき
応募時には、職務経歴書を適宜修正し、より魅力的な内容に仕上げることが大切です。転職エージェントに依頼すれば、書類の添削をしてもらえます。
ただし、中にはほとんど添削せず提出するエージェントもいるため、信頼できるエージェントを選ぶことが重要です。
信頼できる転職エージェントや保健師向けの転職サイト情報は、以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください!

産業保健師の採用担当者が注目するポイント
産業保健師の求人は人気が高く、募集があると多い時は50~100名もの応募が集まることもあります。
限られた枠の中で採用を勝ち取るためには、採用担当者がどこを重視しているのかを理解し、適切にアピールすることが大切です。
- 応募者がどのような人であるか
- これまでの業務経験
- 持っているスキルや専門知識
- 当社でこれまでの経験をどう活かせるのか
企業は、限られた時間の中で応募者全員と面接することはできません。そのため、職務経歴書の内容をもとに厳選し、「この人に会ってみたい!」と思わせることが書類選考通過のカギとなります。
看護師職では職務経歴書が不要なこともありますが、産業保健師への転職では必須です。初めて作成する方のために、基本的な書き方を次の章で詳しく解説していきます!
5ステップで完成!産業保健師の職務経歴書の書き方

転職サイトでは、職務経歴書の雛型を提供しているところもありますが、基本的に履歴書のような決まったフォーマットはありません。どのような形式を使っても問題ありません。
人気の求人は応募が殺到し、予定よりも早く締め切られることがあります。できるだけ早めに職務経歴書を作成し、準備を整えましょう。
まずは、自分が持っているスキルや経験を洗い出しましょう。看護業務に関するものだけでなく、英語力や留学経験なども含めることでアピールの幅が広がります。
具体的には、以下のポイントを整理しましょう。
・病院、施設名
・病棟診療科
・病床数
・看護体制(チームナーシングなど)
・担当した役割(リーダー、委員会活動など)
・実績(可能な限り数字で表すと具体性が増す)
実績が少ない場合は、自己評価や周囲からの評価を記載するのも有効です。
自分の強みや弱みを明確にするために、自己分析を行いましょう。
・得意なことや好きなこと
・楽しいと感じる瞬間
・SNSでよくチェックしている内容
・成功体験、失敗体験
・幼少期から現在にかけての成長記録
・将来どんな姿を目指したいか
これらを言語化することで、企業に対して説得力のある自己PRができるようになります。
企業がどのような人材を求めているのかを把握するために、企業分析は欠かせません。
・企業における産業保健師の具体的な活動内容
・企業の健康課題の特徴
・業種ごとに想定される健康課題
産業保健師の情報はネット上に少ないことも多いため、可能であれば転職エージェントや現役の産業保健師に相談して情報収集をしましょう。
企業ごとに求める保健師像は異なるため、それに合わせた志望動機を作成しましょう。参考例を以下にまとめました。
【メンタルヘルスを重視している企業】
→精神科経験をアピール
【労災防止、生活習慣病予防を重視している企業】
→保健指導経験をアピール
【人柄を重視する企業】
→自分の人間性やコミュニケーション能力をアピール
企業が「この人と一緒に働きたい!」と思えるような志望動機を作ることが重要です。
高い競争率を勝ち抜くためには、自己PRが鍵となります。
・他の応募者にはない強みを明確にする
・自分が企業でどのように活躍できるかを示す
・将来のビジョンを描き、入職後の姿を採用担当者にイメージさせる
職務経歴書の完成度を上げることで、書類選考の通過率を大きく向上させることができます!
次の章では、具体的な職務経歴書のフォーマットや記載例をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
職務経歴書の書き方(病棟看護師ver.記入例)【テンプレあり】
病棟看護師から産業保健師を目指す方のために記入例を作成しました。
病棟看護師メインのお仕事中心にまとめていますので、外来看護師やクリニック、保健師経験のある人は参考程度に作成をしてみてください。
・色はモノクロ
・アピールしたい部分には下線を引く
・2枚程度に簡潔にまとめる
【サンプル】



早めに作成して何度も見返しながら添削するとクオリティも上がります!
看護師・保健師の職務経歴の要約は簡潔に!

まずは今までどのような職種で働いてきたのか簡単に説明をします。
直近のお仕事だけでなく、今までの経歴をすべて書くこと。ここでは、簡潔さが重要です。長くても3~4行にまとめましょう。
大学卒業後、総合病院にて看護師業務に従事、現在に至る。
看護師・保健師などの職務経歴を書く

経歴を表す中心となる部分です。どこで、いつからいつまで、どんなことをしてきたのかが誰でも想像できるように書きます。
【記載項目】
・就職期間と病院名
(病床数、常勤or非常勤)
・所属
・業務内容
・実績・貢献
病院の規模や実績などは数字で表すとわかりやすいです。
<業務内容>
業務内容はたくさんありますが、全て詳しく記入します。
・病棟看護業務(チームナーシング制)
・外来看護業務(診察の介助・処置・採血)
・検査(心臓カテーテル検査・大腸内視鏡検査・上部消化管内視鏡検査)介助
・感染症予防における患者様への保健指導
・糖尿病患者への教育指導
・静脈内注射・皮下注射の施行
・静脈内採血(真空管採血・シリンジ採血)
・点滴(輸液・輸血)管理
・中心静脈栄養法(中心静脈カテーテル挿入介助と管理)
・急変時対応
保健師を目指すのですから、保健指導などはしっかり入れましょう。
<実績・貢献>
こちらは、自分の実績を記入しましょう。成果は具体的数字を入れると良いです。
リーダーナース業務担当。
・指導者研修受講し、新人ナースへの教育を(プリセプター〇名など)行った。
・安全委員会・褥瘡委員会・感染対策委員会に従事。
上記を参考に、ここで職歴や能力、自分が頑張ってきたことをアピールしてください。

産業保健師は書類審査から落とされることが多いです。
まずはここで興味を持ってもらえるように工夫しましょう!
退職理由

ここではポジティブな退職理由を書きましょう。
・保健師を目指しているため
・キャリアアップのため
下記のようなマイナスワードは絶対にNGです!
・病棟がきつかった
・夜勤が体に合わなかった
産業保健師向けのPCスキル

WordやExcelのスキルを記入する場所です。基本的に病棟では電子カルテしか利用していないことが多いですが、今の時代(平成生まれ以降)は学生の頃からしっかり学んできていることも記入してOK。
基本的な資料作成やグラフ作成、レポート作成などができれば大丈夫です。
・Word: データ集計、図・表・グラフの挿入、議事録などの文書作成、勉強会資料作成、指導パンフレット作成など
・Excel:リスト・グラフ作成、データ管理、統計、VLOOKUP・ピボットテーブルを活用したデータ分析、マクロ作成など
・PowerPoint:文字入力、プレゼン資料作成、図版作成
業務で利用していればどのように使っていたか詳しく記入するとイメージが伝わります。
PCスキルをただ書くのではなく、「繁雑な業務に順位をつけ、正確かつ迅速に処理する能力があります」といった自分の能力や姿勢も接点として考えて書くと効果的です。
看護師保健師の保有資格

資格については看護師資格、保健師資格で良いです。他に自動車免許などある方は記入しましょう。
他に第一種衛生管理者、産業カウンセラー、心理相談員などの資格があるとgood!
産業保健師で活かせる経験・知識等

ここは、今まで身に付けてきた力をアピールする場です。コミュニケーション能力、実践力で、協調性など自分の強みを出していきましょう。
今までの経験を具体的に記載し、どう保健師として活用していけるかをイメージしながら記入していくと書きやすいです。

ここでは、他の人と被らないようなものを入れると面接官の目を引くことができます。
自分の強みがわからないという方は自己分析【ストレングスファインダーの活用方法】を参考にしてみてください。
・主体性
・実行力
・課題発見力
・問題解決力
・発信力
・傾聴力
・柔軟性
・ストレスコントロール力
・忍耐力
・協調性
・継続力
・計画性
・責任感
・マネジメント力
・リーダーシップ など
企業で働くイメージをし、どのように活かせるのかを明確にできます。ストレングスファインダーには、強みを活かせるシーン具体例の記載があり、自己分析には欠かせないものです。
企業をイメージするためには、企業の仕組みや組織、保健師の立ち位置について理解を深めておくとスムーズです。
企業の仕組みや産業保健師の立ち位置についてはこちらの記事で解説しています。
産業保健師の自己PR・志望動機

自分の志望理由をアピールする場所です。 自分の考えをしっかり述べましょう。
ここでは高い文章力が必要です。きちんと伝わる文章でないと読まれでも相手の心に響いていないと書類選考で落とされてしまいます。画像のようにPREP法を使って文章を書くとまとまりの良い文章になります。
・なぜ保健師になりたいのか?
・なぜ産業保健師になりたいのか?
・なぜこの会社を選んだのか?
詳細な志望動機の書き方は【例文あり】未経験産業保健師の志望動機の書き方と受かるポイントこちらの記事を参考にしてください。
職務経歴書に自信のない方は転職エージェントに添削を依頼しよう
職務経歴書ができた方は、ぜひたくさんの人に読んでもらってください。
自分をよく見てくれている家族、友人などに呼んでもらうと自分では気づかなかった強みを知ることができます。
さらに一番ベストな方法は担当エージェントに添削してもらうことです。応募する企業がどんな人を求めているのか、エージェントは詳細を知っていることが多いので、ぜひ一度確認してもらいましょう。
まだ転職サイトに登録していない人はこちらの記事「経験者がおすすめする絶対に登録しておきたい保健師転職サイト」を参考にしてください。

担当エージェントが頼りにならない時は担当の変更や他転職サイトへの登録をおすすめします。
産業保健師の職務経歴書の書き方【まとめ】
職務経歴書の書き方がわかれば、あとは自分をどれだけ上手にアピールできるかが勝負です。
面接官はたくさんの職務経歴書を読んでいます。他の人と同じようにならないためにも、少し大げさに書いて自分をアピールして採用側の目を引くポイントを意識して入れましょう。