保健師としての転職活動で避けて通れないのが「志望動機」です。特に競争が激しい産業保健師のポジションでは、書類選考を通過するために差別化が重要です。
「志望動機がうまく書けない」「何を伝えればいいのか分からない」と悩んでいませんか?
これまで産業保健師の転職サポートを行い、この徹底した対策で60名以上の方が内定を獲得しています!
・ありきたりな志望動機になってしまう
・保健師としての経験がないため、具体的な内容をどう書けばいいのか分からない
・自分らしさをより引き出せる志望動機にしたい
このような悩みを持っている人や書類選考を一発で通過させたい人へ、この記事では、未経験者でも簡単に書ける志望動機の作り方や実際の具体例を紹介します。
さらに、他の候補者に負けない志望意欲を伝えるコツもお教えしますので、書類選考を一発で通過させる自信が持てるようになります!
ぜひ最後までご覧いただき、転職成功を目指しましょう。


産業保健師の志望動機で面接官が見ているポイント
産業保健師は書類選考から落とされることが多く、志望動機は念入りにチェックし、慎重に選考を進めます。
面接官が見るポイントは、以下のような点です。
・なぜ産業保健師になりたいのか?
・なぜうちの会社が良いと思ったのか?
・うちの会社でどのような仕事をしたいと思っているのか?
このポイントを踏まえた上で、採用するかどうかを見極めています。
・応募者の強みやこれまでの経験を会社で活かすことができるか
・自社の社風に雰囲気や性格がマッチしているか
・産業保健の仕事を理解し、尽力してくれるか
・応募者のやりたいことと仕事内容がマッチしているか
・自信を持って仕事を任せられるか
履歴書・職務経歴書を書く段階で、面接官にきちんと魅力が伝わる内容を書く必要があります。
面接官が好む「採用されやすい志望動機」が書ける5ステップ
産業保健師は書類選考で落ちることも多く、履歴書や職務経歴書は手を抜くことができません。
以下の5ステップで書くと、採用側が求めるものにマッチングした志望動機が書けます。

志望動機を書くときに優先すべきことは、会社が求める人材であることをアピールすることです。
そのためには応募先の企業がどのような人材を求めているのか確認したり、予測したりして準備をする必要があります。

未経験者は特に業務内容がわからず失敗しがちなので、これから志望動機に必ず記載すべき3つの内容を解説します。
産業保健師の志望動機に必ず盛り込むべき3つの内容

産業保健師の志望動機には以下の3つのポイントを含めることが非常に大切です。
特に3つ目のその会社を選んだ理由がなければ、書類選考でも即落ちしてしまうので要注意!
①なぜ保健師になりたいのか?
②なぜ産業保健師なのか?
③なぜその会社を選んだのか?
この3つについて、一つずつ詳しく解説していきます。
1.なぜ保健師になりたいのか
産業保健師の志望動機には「看護師ではなく保健師を選んだ理由」を伝えましょう。疾病の治療ではなく、予防医学の視点が重要です。
看護師と保健師の違いについてまとめています。保健師の特徴を理解しましょう。
また、日本は少子高齢化が進むなか、健康な生活を送るための支援が必要であり、社会貢献を果たしたいという意欲を示すのも保健師ならではの視点で評価されます。
・少子高齢化
・医療費の拡大
・うつ病発症率の増加(メンタルヘルス)
・大人の発達障害
・健康格差 など

日頃から保健分野に関するニュースを把握し、社会情勢をチェックしましょう。
2.保健師の中でも、なぜ産業保健師になりたいのか
産業保健師は保健師の中でも約6%と希少な職種であり、企業側もその志望理由に興味を持ちます。
「なぜ産業保健師にこだわるのか」自問自答し、志望動機の中に自分の答えを埋め込みましょう。
・病気の予防段階でフォローが必要と思ったから
・患者の退院後の生活支援がしたいから
・患者指導が好きで、もっと深く保健指導したいから
上記の内容を言ってはいけない、というわけではありませんが、「行政保健師でも良いんじゃないの?」と突っ込まれてしまいます。
行政保健師と産業保健師の比較を以下にまとめています。産業保健師の魅力を理解し、志望動機に産業保健師にこだわる理由を伝えましょう。

産業保健師ならではのエピソードを入れると魅力アップになります!
志望理由を考える際は「働く人の健康を支える」という視点がポイントです。自身の健康管理を行う労働者を支援することの重要性を強調しましょう。
3.数ある会社の中で、なぜこの会社を選んだのか
「数ある職場の中で、なぜうちに決めたのか」会社を選んだ理由は一番難しいところですが、他社との差別化が求められます。
企業がどのような価値観やビジョンを持ち、自身のキャリア目標と一致するかを示しましょう。
ここでは徹底した企業研究を行い、志望動機に具体性と説得力を持たせることが重要です。
しかし、これまで看護師の経験しかなく企業がどんな場所かもわからない人にとっては一番悩みやすく苦労します。

この3つのポイントを押さえた志望動機を作成するために、自己分析はか欠かせません。
自己分析がまだできていない人はこちらの記事を参考にしてくださいね。

産業保健師の志望動機はきちんと伝わるように結論から書く!
志望動機は良い要素を持っていても、伝わっていなければ意味がありません。

これからきちんと伝わる文章を記載するコツを紹介します。
まずは文章構成の基本を押さえましょう。
志望動機を書く際は、相手に伝わるような読みやすい文章構成が必要です。具体的な内容にこだわる前に、文章の構成に注意しましょう。
文章を書くのが苦手な人が簡潔に、かつわかりやすく書くためのコツは、結論から述べることです。結論から述べることで伝えたい軸がはっきりするので読み手側にも伝わりやすいです。
文章が苦手な方は、以下のPREP法を用いることでまとまりのある文章を誰でも簡単に作成できます。
私が貴社へ志望する理由は〇〇です。
それは、~だからです。
例えば、・・・
だから私は貴社を志望しています。
このような構成で述べることで、冒頭から自分の意図が伝わりやすくなります。

4ステップで自分の思いをまとめることで、面接でもスムーズに話せるようになります。
未経験でも採用される!産業保健師の志望動機【具体例付き】
志望動機の具体例で初心者がよくやりがちなことは産業保健の必要性を説明して終わってしまっていることです。
【よくある具体例のミス】
産業保健師を志望する理由は、労働者の心と体の健康が重要であると気付いたからです。心が健康でなければ仕事にも影響が出ますし、パフォーマンスも低下します。これは当たり前のことですが、気付いていない人が多いのではないかと思います。そこで私は健康の大切さを伝える仕事がしたいと思い、志望しました。

これでは知識があれば誰でも述べられる内容になってしまいます。自分にしか語れない体験や見解を意識することで、魅力がアップします!
それでは、具体的にどのようなことを記載すれば良いのか例文を紹介しながら解説していきます。
予防医学に興味がある

病棟看護師から保健師を目指す人にとって一番使いやすいアプローチです。
これまでの臨床経験や感覚を含めて、自分の思いを強く伝えましょう。
【具体例】
私はコロナ陽性者で基礎疾患(糖尿病)のある患者を多く見てきました。糖尿病は予防可能な疾患ですが、多くの人々が命を落としている現場を目の当たりにし、胸を痛めました。私は、本人や家族のその悲しみを少しでも和らげたいと強く思っています。
【具体例】
クモ膜下出血で救急搬送される方が多く、その中には40代の働く世代も含まれており、彼らの家族が悲しんでいる姿を見ると、心が痛みます。看護の現場で全力を尽くしても、搬送される時点では手遅れなケースもあります。そこで私は、発症する前の段階での関与が重要だと感じ、予防医学に興味を持ちました。
臨床経験が活かされる部分です。実際の経験を挙げることで、より具体的に伝えましょう。
人のメンタルヘルスに貢献したい

近年、メンタルヘルスケアは企業で非常に重要視されています。産業保健師志望者の中で、メンタルヘルスに特に興味を持つ方に適しています。
【具体例】
同僚や友人など、私の周囲にはメンタル疾患に苦しむ人がいます。彼らから相談を受けることがよくありました。精神疾患は彼らの気持ちの弱さが原因だと誤解されることも多いです。私は、メンタルヘルスケアの基礎知識が普及する必要があると考えています。また、メンタルは一度壊れてしまうと長期的な治療が必要で、治っても再度ぶり返すこともあります。早期の支援が重要だと感じているため、メンタルヘルスケアに携わりたいです。
臨床経験だけでなく、身近な人がストレスを抱えている様子を見てきた経験も含めましょう。
患者の退院後、安心して働けるようフォローがしたい

高齢者は退院後のフォローアップが充実していますが、働く世代には不足しており、自己管理となってしまいます。
自己管理ができず病気を放置してしまう人も多く、病気が重症化していき後々後悔する人もいます。そこで保健師の介入が必要となります。
【具体例】
入院中には血糖コントロールがうまくいっていても、退院後に治療がうまくいかず再入院する患者を見てきました。退院後の継続的な支援の必要性を感じ、保健師として支援していきたいと感じます。
臨床経験が活かされる部分です。実際の患者像を具体例として挙げることで、自分の志望動機をより具体的に伝えましょう。
医療費の増大を押さえ、社会問題に貢献したい

健康保険組合の保健師に適した志望動機です。予防にかかる費用<治療費の視点で将来について考える場合です。予防医学の視点から、将来について考える重要性を示します。
医療の進歩に伴い平均寿命も延びてきた一方で、社会問題となっているのが医療費の増大であるという時事問題を含めた志望動機は臨床経験のない方にもおすすめです。
【具体例】
日本の医療制度は充実していますが、10年後、20年後を考えると将来の負担増加が懸念されています。予防にかける費用よりも治療費の方が断然高く、医療費増大を防ぐためには、予防が重要と考えます。がん検診や健康診断の利用がまだまだ十分ではありません。医療費を削減し、社会全体の健康増進に貢献したいと考えています。
保健師の視点から社会問題を認識し、自身がその解決にどのように貢献できるかをアピールすることが重要です。
産業保健師でよくある志望動機NG例
産業保健師を目指す人の志望動機を添削している中で、実際にアドバイスしている内容をもとに産業保健師の志望動機NG集をまとめました。よくあるNG例は以下の通りです。
・過度に情報を詰め込む
・志望動機が曖昧
・エピソードの欠如
・産業保健師の経験・学びの強調
・ネガティブワードの使用
過度に情報を詰め込む

私が貴社を志望する理由は、病棟での経験を通じて病気の予防が重要だと感じたからです。また、家族が糖尿病で治療をしているのを見て、その大変さを肌で感じました。
このように志望動機の中に言いたい事を全て詰め込みすぎると、ひとつひとつの内容が薄くなってしまっています。
一つ一つのエピソードが薄くなり、聞き手に伝わらなくなるため不採用になってしまう可能性が高いです。
面接官を感動させられるようなエピソードにするためには、話を聞いてその情景が浮かび上がるようなものであるかがポイントです。
・具体的なエピソードが話せるように、言いたいことを一つまたは二つに絞る。
なかなか自分では気づきにくい部分なので友人や先輩、エージェントにチェックしてもらいましょう。
志望動機が曖昧で、誰でも言える内容になっている

病気が悪化しないように早めに手を打つことが大事だと思うからです。
志望動機が曖昧だと、誰もが話せる内容になってしまいます。
教科書に書いてあるような予防の重要性の説明になってしまっていたり、保健師に興味があることしか述べないのはNG。
具体的なエピソードや経験を通しての気づきを述べることで、独自性を出しましょう。
・自分にしか言えないエピソードを話す
・これまでの経験したことを話す
・エピソードには疾患名や患者の発言を入れる
・自分が実施したことに対する相手の反応を入れる
エピソードの欠如

健診センターで勤務しておりましたが健診センターでは十分なフォローができませんでした。そのため、産業保健師になって働く人に関わりを持ちたいと思いました。
健診センターで勤務していた時の状況を報告しているだけで肝心な自分の思いが抜けてしまっています。
・どんなことに限界を感じていたのか
・これからどの部分で関わりたいと思ったのか
・これまでの経験を通して自分がどのように活躍できるのか
以上をポイントに書き出してみると、志望動機の内容が濃くなります。
産業保健師の経験・学びの強調

学生時代から産業保健に興味があり、企業での経験を通じて産業保健を学びたいと考えています。
自己研鑽はもちろん大事ですが、産業保健師の志望動機には避けたい内容です。
その理由は、産業保健師は人数が少なく教育体制が整っていないからです。未経験者を育てるよりも、入社してすぐ活躍できる人やすぐ即戦力となる人材を求めていることが多いです。
未経験者OKの求人であっても、残念ながら応募者に経験者がいれば経験者が優遇される世界です。
・産業保健セミナーを受講し勉強してきたことを活用できるアピールをする。
・企業のために長くことでスキルアップし、会社に貢献したい意欲を伝える。
しかし、事業所が産業保健師の充実した教育制度をアピールしている場合は、志望動機に入れても良いでしょう。
ネガティブワードの使用

最近はSNSの普及で健康に関する誤解や偏見が広まっています。そのため、正しい知識を広める必要性を感じています。
このほかにも、「看護師はハードワークでゆったりと働ける保健師になりたいから」などが多く見られます。
個人的な不満を入れると印象が悪くなり、さらに保健師としての資質も疑問視されます。
・ポジティブな言い換えをする。
・ネガティブになる要素はあえて言わない。
ハードワークは自分自身が健康に働くことでパフォーマンスを向上させ、会社にも貢献したいという変換にしても良いでしょう。
【ポジティブワードへの言い換え】
ネガティブ | ポジティブ |
---|---|
ハードワークが嫌 | 自分自身が健康に働くことで、高いパフォーマンスが出せる |
仕事に飽きた | これまでの仕事で身につけたスキルを活用し、次の挑戦をしたい |
残業がキツい | 仕事に加えて自己研鑽する時間を作って成長したい |
ネガティブ | ポジティブ |
---|---|
ハードワークが嫌 | 自分自身が健康に働くことで、高いパフォーマンスが出せる |
仕事に飽きた | これまでの仕事で身につけたスキルを活用し、次の挑戦をしたい |
残業がキツい | 仕事に加えて自己研鑽する時間を作って成長したい |
産業保健師面接での志望動機の伝え方
面接では必ず志望動機を聞かれます。書類に記載している内容をそのまま伝えて良いですが、面接で意識すべきポイントは以下の3つです。
・この会社で働きたい!という意欲が伝わるような表現力
・書類に書ききれなかった思いを伝える
・自信を持って発言する
採否を決めるポイントは、スキルや経験はもちろん、その他にも人柄や性格も見られます。
あらかじめ考えて準備していた志望動機を伝えても、表現力が乏しかったり、自信がなさそうに話していると印象が悪くなるので練習を重ねて挑みましょう。
志望動機の伝え方は、書類と同様に「結論→根拠→具体例→結論の順(PREP法)」の手順で話すことで、働く意欲が伝わりやすくなります。

自信を持って挑むためにはちゃんと準備しておくことも重要ですね!
初めての企業面接で緊張しない方法をこちらの記事まとめているので、ぜひ参考にしてください。

未経験でも採用される産業保健師の志望動機まとめ
履歴書や面接での志望動機は、結論→根拠→具体例→結論の順(PREP法)でまとめること。
【志望動機の具体例】
・退院後のフォローに携わりたい
・予防医学に興味がある
・医療費の増大を抑えたい
・メンタルヘルスケアに携わりたい など
これまでに経験したこと、学んだことをもとに志望動機を考えると相手に伝わりやすくなります。
書類選考に通過するための履歴書や職務経歴書の詳しい書き方は以下の記事を参考にしてください。

