産業看護師や産業保健師はなかなか内定をもらうのは難しいですよね。
産業保健師の転職は非常に厳しく、多くの人が不採用を経験しています。私も初めての転職で10社ほど不採用を経験しました。2回目の転職でも2社エントリーしています。
不採用になるたびに原因追究し改善方法を見つけてきました。また、実際に入社してからも不採用とする採用側の意見を聞くこともあり、現在転職活動がうまくいかず悩んでいる方へ役立つ情報をまとめました。
・産業保健師を目指したいけど、求人がないと言われた
・面接をたくさん受けても倍率が高く採用されない
・未経験、小児科・手術室経験で強みがない
・難しいから諦めようかなと思っている
このような方に向けて、諦める前に見直してほしい4つのポイントと今後の対策について未経験で産業保健師になった経験をもとに解説しています。
産業保健師はどれくらい難しい?平均エントリー数と転職期間
産業保健師はどのくらい難しいのか、現役産業保健師にアンケートをとりました。
結論から言うと、平均エントリー数は10社以内で内定が得られ、1年未満でほぼ内定が決まっていました。(※派遣や契約社員を含む)
アンケート結果の詳細は、こちらです。
全体の85%未満の人が10社未満で産業保健師の内定を得ています。看護師は1〜2施設で内定がもらえることを比べると、転職するのは難しいと言えますが、企業就職の平均とほぼ同等です。
ほとんどの人が不採用を経験しているので、1〜2社受けて不採用だったからと落ち込む必要は全くありません。
産業保健師の転職活動期間は3ヶ月未満が一番多いですが、これは時期によって求人数が大幅に変動するので参考程度に見てください。
これまでの産業保健師の転職サポート経験からしてみても、求人数が多く出る2〜3月だと3ヶ月で内定をもらう人は多いです。
トータルで見ても1年以内で9割の人が内定を獲得しています。産業保健師の内定が難しいとはいえ、1年未満で終わるのなら、一度挑戦してみる価値はあると思います。
保健師転職の成功はマインドで決まる!【努力し続けることで夢は叶う】
産業保健師になれる方法は、まずは諦めないこと。
成功者や産業保健師になった人の話を聞いていると「これをやる!と決めた人は成功する」と言います。
そんなわけないでしょ。綺麗事ばっかり。
私もずっとそう思っていましたが、産業保健師は諦めきれず挑戦し続けた結果、正社員になることができました。
これまでサポートしてきた内定者の報告からも、挑戦し続けるモチベーションが大事だと感じています。
【実際にいただいた相談者の声】
非正規雇用ではありますが、産業保健師として内定をいただくことができました。はなさんの言葉で元気付けられていました!病棟看護師を1年で退職したこともあり、なかなか自信を持つことができなかったり8ヶ月と長い時間がかかったことで心が折れてしまったりもしましたが、諦めずに頑張ってよかったです。(20代女性)
派遣ですが無事に産業保健師の内定をいただけました。はなさんが情報を発信してくださったことで、視野が広がったり参考にできる部分が多かったからだと思います!また、はなさんのツイートで元気がもらえたことがあったので最後まで頑張れました!ありがとうございます。(20代女性)
企業の内定をいただき、4月から産業保健師として働くことになりました。志望理由の添削のみならず、自信とモチベーションを頂きました。(30代女性)
産休代替派遣からの正社員登用試験が終わり、内定をいただく事ができました!はなさんに出会えたことに感謝です。年齢や短い職歴もあり産業保健に携わる事を半ば諦めかけていました。ブログに本当に助けられました。わかりやすく、勉強になり、何より勇気づけられました。(20代女性)
目標を達成できるまで努力し続けているから必ず叶うのです。私はこれに気づいてから、私は努力することを地道に続けていこう、と思い過ごしています。
産業保健師の面接で不採用になる理由とその対処法
産業保健師の面接で不採用になる理由は、主に6つあります。
・話の内容が抽象的すぎて伝わっていない
・産業保健師の仕事自体を理解していない
・企業研究が不十分
・社風や他スタッフと相性が合わない
・面接で緊張しすぎて自己アピールが不十分
・入社後すぐのライフイベントの予定
不採用理由とその対策を一つずつ解説します。今後の面接対策に役立ててください。
面接で話す内容が抽象的すぎて伝わっていない
自分の意見や考えが採用側に伝わっていない可能性があります。必ず、具体的に話すこと。面接では、「伝え方」も大切です。
ただ自分の意見を話すのではなく、相手に「おぉ~」「すごい!」と感じてもらえるかどうかがポイントになります。
【相手の心を動かす話し方】
①結論
②具体的エピソード
③今後どう活かせるか
・5W1Hでその場が想像できるように話す。
・相手の反応「発言」「行動」を入れる。
・数字を入れる。
・「色々」「様々」という言葉を使用せず、内容を述べる。
具体的な数字や具体的なセリフなどがあると伝わりやすいです。積極的に行動した部分など入れると魅力的なアピールになります。
産業保健師の仕事自体を理解していない
経験がなく未知の世界なため、産業保健師の仕事内容が十分理解できておらず、面接の質問で的外れなことを言ってしまっている場合もあります。
具体的に何をしているのか、入社してみないとわからないのは事実です。実際に働いている人の意見を聞くことをおすすめします。
このブログにも産業保健関連の記事を更新しています。入社してどんな一日を過ごすのか、どんな人の対応をするのか、どう働くのか想像しながら読むと理解しやすいです。
企業研究ができていない
企業の特徴や組織がどのようなものか、保健師としての立ち位置はどこにあるのかご存知ですか?
まずは【産業保健師入門】企業ってどんなところ?目的は?働く現場を徹底解説!を参考に企業とはどんなところで産業保健師はどの立ち位置なのかを把握しておきましょう。
企業の基本を踏まえた上で、その企業で産業保健師が具体的にどのような活動をしているのかを分析しましょう。
企業によって保健師に求めるものは様々です。同様に業務内容も様々でメンタルヘルスや特定保健指導を外部委託している企業はたくさんあり、これが把握できていないとミスマッチが起こりやすくなります。
例えば、メンタルヘルスを外部に委託しているにも関わらず、それを知らずに「メンタルヘルスをやりたいです!」と言っても必要ないので不採用となります。これはかなり多いミスなので要注意!!
エントリーする企業の産業保健師の活動を調べるには【産業保健師】志望動機で役立つ企業分析方法と面接での活用方法を参考に企業分析をしてください。
会社の雰囲気や他スタッフとの相性が合わない
会社の雰囲気に合う人を採用するところは非常に多いです。世の中には様々な業種があり、社内の雰囲気もそれぞれ異なります。
私は二つの会社で産業保健を経験しましたが、同じ業種でも雰囲気は全く真逆でした。
A社:暗くてやる気のない将来を見ていない社員が多い
B社:やる気満々!社愛精神があり元気の良い明るい社員が多い
採用側は自社と相性が良い人を求めています。
真面目な人・元気のある明るい人・柔らかい雰囲気のある人など求めているものがそれぞれあります。
その会社にマッチする人柄があるので、経験やスキルだけで採用を決めているのではないということを知っておきましょう。
決して能力がない、期待できないなどマイナスなイメージで落としているわけではないということを理解しておきましょう。
面接で緊張しすぎて上手く自分を出せていない
一般的に看護師は面接で落ちることがほぼないので、慣れていない人が多く、緊張で上手く話せない人が多いです。せっかく話す内容をまとめていても、面接官を目の前にすると頭が真っ白になることは多々あります。
さらに産業保健師は倍率が高いため「ここで頑張らないと」と焦ってしまうことがあります。せっかくの面接の機会に自分を出せないのは非常にもったいないです。緊張してしまう方へ対策方法は以下のひとつです。
面接に慣れること。そのためには、数多くの面接を経験すること。
求人数が少ないため、面接の機会も非常に少ないのですが、興味のない企業へも面接の練習だと思ってエントリーをしてください。
転職エージェントとの練習も可能ですが、緊張感が全然違うので実際に面接を受けることをおすすめします!
面接で緊張しない方法はこちらの記事でも解説しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
入社後すぐにライフイベントの予定がある
女性は結婚・出産・育児という大きなライフイベントがあります。そのため、特に20代~30代の方は入社してすぐに産休・育休に入られるのではないかと、避けられてしまいます。
これは結構大きな悩みではないでしょうか。面接のときも必ず質問されるかと思います。
ライフイベントの予定は今のところありません。
このように今は予定していない(けど急に予定ができることもある)というニュアンスです。
実際に産業保健専門のエージェントさんからは「予定があってもいいけど、言ったら落とされるから言わないでいいですよ」と言われていました。
ですが、嘘をつくのは心苦しい&すぐに産休に入ると人間関係が悪化することもあります。
後々自分が苦しくなってしまうので、「今のところない」「1〜2年は仕事に集中できるように考えている」と伝えるか、もしくは「将来のことも考えているので、相談させてください」と伝えるのがベ
産業保健師になるまでにやったこと4選
私が産業保健師になるまでにやったことを4つ紹介します。
1.とりあえず紹介会社にたくさん登録する
2.ひたすらエントリーする
3.もう一度履歴書や職務経歴書を見直してみる
4.不採用理由を確認し、改善・対策をする
転職エージェント会社に複数登録する
保健師求人はありますか?と積極的に声をかけ、今出ている求人を網羅していくことが内定をつかむポイントです。
できるだけ多くの転職エージェントに登録しましょう。ポイントは、有名なものから聞いたことのないものまで登録することです。
その理由は紹介会社が非公開求人にして、最初から制限をしている場合もあるからです。全ての紹介会社に、すべての求人が来ているわけではありません。
私は10社程登録しました。
産業保健師求人は取り扱っているところが少ないので、ピックアップしています。その中でも特に良かった転職エージェントを以下の記事で紹介しています。詳しく知りたい人は参考にしてください。
条件を決めすぎず、幅広くエントリーする
「ちょっと距離がある・・・」
「給料が少ない・・・」
「休みが少ない・・・」
転職するからには良い職場を、といろんな条件を考えてしまうと思います。通勤距離、給料は生活する上ではとても大事ですよね。
しかし、産業保健は条件が良いほど経験者優遇で倍率が100倍に跳ね上がることもあるので厳しくなります。
産業保健師に携わることができれば、どこでもいい!という強い気持ちのある方はやはり強いです。
「給料がいいから」「楽だから」という理由だけで受ける人も多く、事業所側もそれを非難して慎重に採用しています。
私は、求人があればすべてエントリーしていました。片道1時間半かかるところにまでもいきました。確かに通勤は大変になります。
「面接の練習にでもなれば」「会社を一度見てみよう」「少しでも産業保健師の仕事ができれば」と思い挑戦していました。
今、産業保健師になって言えるのは、会社にはそれぞれの特徴があり、雰囲気も全く違います。いろんな会社を知っていくなかで、自分にどこが合うかを判断する材料にもなりますので、ぜひエントリーして受けてみてください!
興味を引く内容であるか?職務経歴書を見直す
書類選考が通らない方は、職務経歴書を見直してみましょう。
書類は文字でしか自己アピールができませんので、ここで「この人に会ってみたい」と思わせる技が必要です。誰でも書けるようなものは避けましょう。
一番自分をアピールできるものは、志望動機や活かされる能力です。
誰しも何かしらの経験をしてきているので、「自分にはなにもない」と思わないこと。
看護師の経験からも、コミュニケーション力や判断力、協調性などたくさん身に付けてきた部分はあると思います。自分が今後どうしていきたいかを含めて記載できると、企業側に良い印象を与えることができます。
不採用理由を応募先に必ず確認する
書類選考や面接でダメだった理由を振り返り、次への対策を練ることが大切です。
応募先やエージェント経由で不採用理由を必ず明確にしましょう。その際、必ず参考になるものだけを見るようにしてください。
・未経験可だったけどやっぱり経験者が良いから。
・男性より女性が良いから。
・若い人より人生経験豊富な人が良いから。
このような理由は、建前として言われることが多く本来不採用とした理由でない可能性も高いです。
自分を見直し改善させようと対策しても、難しい場合もあります。あまり自分を責めすぎず、改善できそうな部分に注目しましょう。
産業保健師になれない時の対策まとめ
産業保健師は、全国に約3000人しかおらず、とても厳しいと言われています。いくつか面接を受けて、諦める方が多いです。
しかし、諦めずに挑戦し続ければ憧れの産業保健師になることができます。
不採用が続いても、決して自分に「能力がない」とは思わないでください。次の面接のために、不採用となった原因を見つめ直し、再度トライしてみましょう。