「保健師国家試験って、実際どのくらい難しいの?」
「合格率は高いって聞くけど、油断してもいいの?」
「どの参考書を使えばいいかわからない…」
保健師を目指す学生さんなら、こんな疑問を一度は抱いたことがあるはずです。
この記事では、保健師国家試験の難易度・合格率・試験概要・おすすめ参考書・勉強法まで、試験対策に必要な情報を丸ごと解説します。
看護師とのダブル受験を成功させた経験をもとに書いていますので、ぜひ最後まで読んでください。
保健師国家試験の基本情報
試験の目的と受験資格
保健師国家試験は、保健師として働くために必要な国家資格を取得するための試験です。
地域住民の健康を守り、疾病予防・健康増進を担う保健師には、専門的な知識と技術が求められます。
受験するためには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
- 保健師養成課程のある大学(4年制)で保健師・看護師の両課程を修了した者
- 看護師国家試験合格後、保健師学校・養成所(1年以上)を修了した者
- 看護系大学院の保健師養成課程を修了した者
なお、保健師国家試験を受験するには、看護師免許を持っているか、看護師国家試験の受験資格を持っている必要があります。
多くの人は看護師試験と同日に「ダブル受験」します。

試験日程・申込み方法
保健師国家試験は毎年2月中旬に実施され、合格発表は3月下旬です。2026年(第112回)は2月13日(金)に実施されました。
受験願書は各大学で配布されるほか、郵送でも請求できます。提出期間は毎年11月上旬〜下旬頃のため、早めに準備しましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験実施月 | 毎年2月中旬(金曜日) |
| 合格発表 | 毎年3月下旬 |
| 試験地 | 全国12都道府県 (北海道・宮城・東京・愛知・大阪・福岡など) |
| 受験願書配布 | 毎年10月中旬以降 |
| 願書提出期間 | 毎年11月上旬〜下旬 |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験実施月 | 毎年2月中旬(金曜日) |
| 合格発表 | 毎年3月下旬 |
| 試験地 | 全国12都道府県 (北海道・宮城・東京・愛知・大阪・福岡など) |
| 受験願書配布 | 毎年10月中旬以降 |
| 願書提出期間 | 毎年11月上旬〜下旬 |
試験科目と出題数
保健師国家試験の出題科目は以下の4科目です。
| 科目 | 主な内容 |
|---|---|
| 公衆衛生看護学 | 地域診断・家庭訪問・健康教育・保健師活動の展開など |
| 疫学 | 疾病の分布・リスク因子・疫学指標・研究デザインなど |
| 保健統計学 | 統計指標・人口動態統計・患者調査・国民健康栄養調査など |
| 保健医療福祉行政論 | 保健医療制度・社会保障・各種法律・地域保健法など |
| 科目 | 主な内容 |
|---|---|
| 公衆衛生看護学 | 地域診断・家庭訪問・健康教育・保健師活動の展開など |
| 疫学 | 疾病の分布・リスク因子・疫学指標・研究デザインなど |
| 保健統計学 | 統計指標・人口動態統計・患者調査・国民健康栄養調査など |
| 保健医療福祉行政論 | 保健医療制度・社会保障・各種法律・地域保健法など |
出題形式は「一般問題」と「状況設定問題」の2種類。全110問(令和5年改訂出題基準より)で構成されています。
保健師国家試験の合格率・合格基準
直近の合格率推移
保健師国家試験の合格率は、例年80〜95%程度で推移しています。看護師国家試験(合格率90%前後)と比べると、年によって変動が大きいのが特徴です。
| 回(年度) | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 第112回(2026年) | 7,467人 | 6,502人 | 87.1% |
| 第111回(2025年) | 7,658人 | 7,196人 | 94.0% |
| 第110回(2024年) | 7,795人 | 7,456人 | 89.8%前後 |
| 第109回(2023年) | 8,085人 | 7,579人 | 95.0%前後 |
| 第108回(2022年) | 7,948人 | 7,094人 | 89.9% |
※各回の詳細は厚生労働省の公式発表をご確認ください。
全体的に高い合格率を維持していますが、2022年や2026年のように急落する年もあります。

「合格率が高いから余裕」と油断せず、しっかり対策することが重要です。
合格基準点の仕組み
保健師国家試験の合格基準は、以下のとおりです。
- 一般問題:1問1点(74〜75点満点)
- 状況設定問題:1問2点(70点満点)
- 合計:144〜145点満点のうち、87点以上で合格

正答率にすると約60%が目安です。
看護師国家試験と比べると基準点は相対的に低く設定されていますが、出題科目が保健師特有の専門分野(疫学・公衆衛生など)であるため、しっかりとした準備が必要です。
新卒と既卒の合格率の違い
合格率は新卒者と既卒者で大きく異なります。第111回(2025年)では、新卒者の合格率が96.4%だったのに対し、既卒者の合格率はそれを大きく下回ります。
これは、既卒者が働きながら勉強する環境にあることや、試験から間が空いていることが影響しています。
受験するなら在学中にストレートで合格することを目指しましょう。
保健師国家試験の難易度
他の看護系国家試験との難易度比較
保健師国家試験の難易度を他の試験と比較すると、以下のとおりです。
| 試験 | 合格率(目安) | 難易度 |
|---|---|---|
| 看護師国家試験 | 約90% | ★★★☆☆ |
| 保健師国家試験 | 80〜95%(変動大) | ★★★☆☆ |
| 助産師国家試験 | 約99% | ★★☆☆☆ |
| 第一種衛生管理者 | 約45% | ★★★★☆ |
| 試験 | 合格率(目安) | 難易度 |
|---|---|---|
| 看護師国家試験 | 約90% | ★★★☆☆ |
| 保健師国家試験 | 80〜95% (変動大) | ★★★☆☆ |
| 助産師国家試験 | 約99% | ★★☆☆☆ |
| 第一種衛生管理者 | 約45% | ★★★★☆ |
合格率だけ見ると保健師試験は「簡単そう」に見えますが、公衆衛生や疫学・法律知識など、看護師試験とは全く異なる専門分野が出題されます。
看護師試験の勉強だけをしていても保健師試験には対応できません。
難易度が高いといわれる理由
保健師試験が難しいと感じる受験者が多い理由は以下の3点です。
① 出題範囲が広い
公衆衛生看護学・疫学・保健統計・行政論の4科目にわたり、社会情勢や統計データ、法律改正なども含まれます。
毎年更新される統計数値(人口動態・患者調査など)は特に対策が必要です。
② 看護師試験と同日実施でダブル受験になる
ほとんどの人が看護師試験と同じ日に受験します。看護師試験の準備に追われ、保健師試験の対策が後回しになりがちです。
③ 法律・行政知識が難しい
保健医療福祉行政論では、地域保健法・母子保健法・精神保健福祉法など多くの法律が出題されます。
条文の細かい内容まで問われることがあり、苦手とする受験者が多い分野です。
独学合格は可能か?
独学での合格は可能です。ただし、看護師試験との両立が必要なため、計画的なスケジュール管理が欠かせません。
多くの合格者が「過去問中心の学習」と「統計・法律の徹底整理」を実践しています。
看護師試験との両立スケジュールについては、看護師保健師国家試験の両立の秘訣【試験対策一年間のスケジュール】でも詳しく解説していますので参考にしてみてください。
保健師国家試験の試験対策・勉強法
合格までの標準的な勉強期間
多くの合格者が実践している学習期間の目安は以下のとおりです。
| 時期 | 勉強内容 |
|---|---|
| 4〜7月 | 教科書・テキストで基礎固め |
| 8〜10月 | 過去問を解き始める(必修問題から) |
| 11〜12月 | 苦手科目の集中対策・模試受験 |
| 1〜2月 | 過去問の繰り返し・統計・法律の最終確認 |
看護師試験の勉強と並行する場合、保健師試験に割ける時間は限られます。早めに着手し、隙間時間を有効活用することが合格のカギです。
効率的な勉強スケジュールの立て方
保健師試験の勉強で最も効率が上がるのは、科目ごとに優先順位をつけることです。
出題数が多く配点の高い「公衆衛生看護学」と「保健医療福祉行政論」を軸に、苦手な「疫学」「保健統計」を補う形で進めましょう。
また、毎年更新される国民健康栄養調査・患者調査・人口動態統計などの数値は試験直前に確認することが重要です。
古い数字を覚えていても得点に結びつかないため注意してください。
過去問活用のポイント
保健師試験の対策において、過去問は最重要ツールです。
- 直近5年分の過去問を最低3周する
- 間違えた問題は解説をしっかり読み、関連法律・統計を確認する
- 正答できた問題も「なぜ他の選択肢が違うのか」を説明できるようにする
- 過去問で問われた統計値は、最新版に更新されているか確認する
過去問は厚生労働省のホームページで公開されています。参考書の過去問集と組み合わせて活用しましょう。
苦手科目の克服法
疫学・保健統計が苦手な人へ
数値や計算問題が多いため苦手意識を持ちやすい分野です。
公式を丸暗記するのではなく、「なぜそう計算するのか」の意味を理解することで定着しやすくなります。図解が豊富な参考書を活用するのが効果的です。
保健医療福祉行政論が苦手な人へ
法律名と所管省庁・主な内容を表にまとめて整理するのがおすすめです。「誰が(誰に)」「何をする法律か」を軸に覚えると体系的に理解できます。
看護師国家試験の参考書選びについては看護師国家試験はQBとレビューブックだけで完璧に対策できる!にまとめていますので、ダブル受験をする方はあわせて参考にしてください。
保健師国家試験のおすすめ参考書・問題集
参考書の選び方(3つのポイント)
保健師試験の参考書を選ぶときは、以下の3点を確認しましょう。
① 最新の統計・法律に対応しているか
毎年の試験で問われる統計数値や法改正情報が最新版に更新されているか確認することが必須です。1〜2年前の版は要注意。
② 過去問の解説が充実しているか
単に問題が載っているだけでなく、なぜその選択肢が正解か・不正解かまで丁寧に解説されているものを選びましょう。
③ 4科目を網羅しているか
公衆衛生看護学・疫学・保健統計・行政論の4科目がバランスよく収録されているものが理想的です。
おすすめ参考書・問題集
①『保健師国家試験のためのレビューブック 2027』(メディックメディア)
看護師試験でおなじみのレビューブックシリーズの保健師版です。
公衆衛生看護学・疫学・保健統計・行政論の4科目に対応した重要事項がコンパクトに1冊にまとめられており、試験範囲の全体像を把握するのに最適です。
カラーで見やすく、国家試験に出るポイントが絞り込まれているため、ゼロから知識を整理したい人に特におすすめです。
クエスチョン・バンク(QB)と連動しているため、過去問を解きながら該当ページを参照する使い方が効率的です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出版社 | メディックメディア |
| 特徴 | 4科目を1冊に網羅・カラーで見やすい・QBと連動 |
| こんな人に | 知識を体系的に整理したい人・QBと併用したい人 |
②『クエスチョン・バンク 保健師国家試験問題解説』(メディックメディア)
看護師試験でおなじみのQBシリーズの保健師版。問題ごとの正答率が表示されており、「まずどこから手をつけるべきか」が一目でわかります。
解説もわかりやすく、初めて保健師試験の対策を始める人にも取り組みやすい構成です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出版社 | メディックメディア |
| 特徴 | 正答率付き・解説が丁寧・QBシリーズで使いやすい |
| こんな人に | 看護師試験でQBを使っていた人・どこから始めるかわからない人 |
③『公衆衛生がみえる』(メディックメディア)
疫学・保健統計・行政論など、保健師試験に直結する内容をカラーのイラスト・図解で解説した参考書です。
難解な概念を視覚的に整理できるため、苦手分野の克服に役立ちます。
保健師試験に特化した知識整理の一冊として重宝されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出版社 | メディックメディア |
| 特徴 | カラーイラスト・図解が豊富、疫学・行政が得意 |
| こんな人に | 疫学・保健統計・法律が苦手な人 |
④『国民衛生の動向』(厚生労働統計協会)
保健師試験に毎年必ず出題される各種統計(人口動態・国民健康栄養調査など)の最新データが収録されている公式に近い資料集です。
保健統計の問題で高得点を狙うなら持っておきたい一冊です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出版社 | 厚生労働統計協会 |
| 特徴 | 最新統計データが網羅されている |
| こんな人に | 保健統計・時事対策を徹底したい人 |
参考書は1〜2冊に絞るのが鉄則
看護師試験と同様、参考書は1〜2冊に絞って繰り返すことが合格への近道です。
あれこれ手を出すと情報が散らばり、かえって定着しません。
「このページはどの本に書いてあったか」を瞬時に思い出せるくらい1冊を使い込むことが理想です。
保健師国家試験に落ちたら?再受験について
不合格になる主な原因
保健師試験に不合格となる主な原因は以下のとおりです。
① 看護師試験の対策に追われて保健師試験の準備が不十分だった
ダブル受験の最大の落とし穴です。保健師試験は出題科目が全く異なるため、看護師試験の勉強だけでは通用しません。
② 法律・行政の暗記が間に合わなかった
行政論は覚える量が膨大で、後回しにすると試験直前に詰め込むことになります。早い時期からコツコツ対策するのが得策です。
③ 統計データを最新版に更新していなかった
古い統計値で覚えていると、最新データが正解となる問題で失点します。試験直前に必ず最新版を確認しましょう。
再受験の手続きと対策の見直し方
再受験の際も手続きは初回と同じです。再受験者(既卒者)の合格率は新卒者より低い傾向があるため、合格した年に確実に決めることが最善策です。
再受験する場合は、過去の不合格原因を冷静に分析し、苦手科目を重点的に対策し直しましょう。
特に法律・統計は毎年内容が変わるため、最新の参考書・問題集を使うことが必須です。
保健師として働き始めてからのキャリアについては、以下の記事もあわせて確認してみてください。


まとめ|保健師国家試験の試験概要・おすすめ参考書
この記事で解説した内容をまとめます。
- 保健師国家試験の合格率は80〜95%前後で推移しているが、年によって変動が大きい
- 合格基準は145点満点中87点以上(正答率60%目安)
- 難易度は「低い」わけではなく、疫学・統計・法律などの専門知識が必要
- 看護師試験とのダブル受験が主流のため、早めの計画的な対策が合格のカギ
- 参考書は1〜2冊に絞って繰り返すのが最も効率的
- 再受験者は合格率が大きく下がるため、在学中にストレートで合格を目指すことが重要
まずは直近5年分の過去問を解いてみるところから始めましょう。問題の傾向をつかむことで、何をどれだけ勉強すればよいかが見えてきます。

保健師になってからのキャリアも意識しながら、合格に向けて一歩一歩進んでください。応援しています!
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