産業保健師の基礎知識「労働衛生の3管理・5管理」は覚えていますか?
国家試験にも出題されますが、看護師では使うことがないので忘れてしまっている方も多いです。
産業保健師へ転職したい方、これから就職する方は必須となる基礎知識なので、初心者の方でもわかりやすく解説しています。
内容と合わせて産業保健師がどのような部分で活動しているのかをイメージできるように具体策をまとめていますので、最後まで目を通しておくと良いです。
Hana | 産業保健師ブロガー
・未経験からの産業保健師転職
・辛い看護師を乗り切るコツ
・美容・健康 など
労働衛生3管理【産業保健師の基礎知識】
労働衛生における3つの管理である作業環境管理、作業管理、健康管理について、それぞれの内容と保健師の役割を以下に説明します。
作業管理
作業管理は、労働者の安全と健康を守るための管理です。労働者の日常業務に関連するさまざまな要素を管理することを指します。
- 作業の計画や実施
- 労働時間や休息の管理
- 機械や装置の適切な管理
- 安全教育の実施
保健師は、職場の作業プロセスの評価や改善策の提案、労働者の作業環境に関する相談や指導、適切な安全教育の実施、労働時間の適正管理などを担当します。
作業環境管理
作業環境管理は、職場の環境を健康的で安全なものに保つことを目的とした管理です。
作業場所の清潔維持・換気・照明・温度管理・騒音や振動・有害物質などの危険因子の評価と対策
保健師は、職場の危険因子の評価や改善策の提案、健康影響のある化学物質や粉塵などの危険物質の評価、職場環境の改善などを担当します。
健康管理
健康管理は、労働者の健康を維持するための取り組みです。
- 健康診断
- 職業病の予防や対策
- ストレスチェック
- 予防接種 など
保健師は、健康診断の実施や結果の評価、職業病の予防や対策、ストレスチェックの実施、予防接種の実施、健康教育やカウンセリングなどを担当します。
労働衛生の5管理【産業保健の基礎知識】
産業保健師として知っておきたい労働衛生の5管理は、3管理+総括管理・労働衛生教育です。
総括管理
総括管理は、職場全体の労働衛生を総合的に管理することを目的とした管理です。
- 法令遵守の徹底
- 労働者の健康状態や労働条件の把握
- 労働災害の予防
- 職場環境の改善 など
保健師は、労働者の健康管理や労働災害の予防、職場環境の改善などを含む、総合的な労働衛生管理を担当します。
また、労働者の相談に応じたり、安全衛生委員会の運営に参加したりすることもあります。
安全衛生委員会での衛生対策呼びかけ
労働衛生教育
労働衛生教育は、労働者が健康で安全な職場環境で働くために必要な知識や技能を身につけることを目的とした教育です。
- 職場の危険因子や労働災害の予防
- 健康管理
- ストレス管理 など
保健師は、職場での労働衛生教育の企画・実施、教育プログラムの開発、労働者へのカウンセリングや相談対応などを担当します。また、必要に応じて職場内での健康促進活動の支援なども行います。
新人研修でストレス対応の講義
現場作業者の腰痛予防体操の健康教育
【産業保健師必見】労働衛生の3管理 / 5管理のキホンまとめ
労働衛生の3管理は「作業管理」「作業環境管理」「健康管理」です。
上記3管理に「総括管理」「労働衛生教育」を加えたものが5管理です。
産業保健師は労働者と職場環境の健康と安全を確保し、生産性を向上させる重要な存在となります。