保健師学校(保健師養成学校)への進学を考えている看護師の方に向けて、学校の選び方・学費・入試内容・卒業後の進路まで現役保健師が詳しく解説します。
看護専門学校や5年制高校を卒業した方で保健師資格を目指している方はぜひ参考にしてください。
- 保健師学校(養成学校)の基本情報と進学ルート
- 学費の目安と公立・私立の違い
- 後悔しない学校の選び方
- 入試対策(筆記・小論文・面接)の具体的な方法
- 卒業後の進路と就活スケジュール
保健師学校(養成学校)とは?
保健師学校(保健師養成学校)とは、すでに看護師免許を持っている人が保健師国家試験の受験資格を得るために通う、1年制の専門学校です。
保健師になるルートはいくつかありますが、看護専門学校や5年制看護学校を卒業した方が保健師資格を取得するには、基本的に以下の2つの方法があります。
| 進学先 | 期間 | 対象 |
|---|---|---|
| 保健師養成学校(1年制) | 1年 | 看護師免許保持者 |
| 大学院(保健師養成課程) | 2年 | 大学卒業者が対象(別途要件審査あり) |
大学院への進学は大学を卒業していない場合、大学院が提示する要件を満たさないと受験できないことがあります。
看護専門学校や5年制高校卒の方には1年制の保健師学校が現実的な選択肢となります。
保健師学校の学費の目安
保健師学校の学費は、公立か私立かによって大きく異なります。
| 種別 | 初年度学費の目安 |
|---|---|
| 公立(都道府県立・市立など) | 約20〜30万円 |
| 私立専門学校 | 約100〜180万円 |
公立校は学費が非常に安く抑えられる半面、定員が少なく競争率が高い傾向があります。私立校は学費が高めですが、入学のチャンスが広がります。
詳しい学費比較を知りたい人は【2026年最新】保健師になるための学費はいくら?学校の種類別に費用を徹底比較を参考にしてください。
なお、教科書代・実習費・交通費などが別途かかることがほとんどなので、総額では上記よりも20〜50万円程度多くかかることを念頭に置いておきましょう。
また、社会人枠で受験する場合は「教育訓練給付金」の対象となる学校もあるので、各学校の情報ページや厚生労働省の制度案内を確認してみましょう。
保健師学校(養成学校)の選び方:後悔しない2つのポイント
保健師学校を選ぶ際は、立地や学費だけでなく、以下の2つの観点で比較することが大切です。
① 公務員試験対策が充実しているか
保健師養成学校を卒業しても、自動的に保健師として就職できるわけではありません。あくまで国家試験の「受験資格」が得られるだけです。
行政保健師(保健所・市区町村)を目指す場合は、保健師国家試験とは別に公務員試験に合格する必要があります。しかし、養成学校では基本的に公務員試験対策の授業はありません。
一部の学校では外部講師を招いた公務員試験対策セミナーを開催しているので、行政保健師を志望する方はカリキュラムの充実度を事前に確認しましょう。
② 卒業後の進路実績
特に産業保健師を目指している場合は、卒業生の進路先をチェックし学校の実績を調べることが重要です。
産業保健師への新卒採用実績があったり、産業保健業界に詳しい講師が在籍していたりすると、就職の可能性が広がります。
実際、講師の伝手で採用が決まるケースもあり、学校選びが就職に直結することもあります。
ポイント: 学校の公式サイトや説明会で「卒業生の就職先」を必ず確認しましょう。保健師への就職率だけでなく、行政・産業・学校などどの分野に進んでいるかが重要です。
保健師学校の入試内容:筆記・小論文・面接の3種類
保健師学校の入試は、大きく分けて**「学生枠(推薦・一般)」と「社会人枠(推薦・一般)」**の2種類があります。受験形態によって試験内容が異なるので、各学校のホームページで詳細を確認してください。
主な試験科目は以下の3つです。
| 試験内容 | 詳細 |
|---|---|
| 筆記試験 | 基礎看護学・疾患・領域別看護(全領域) |
| 小論文 | 事例に沿って自分の考え・意見を記述 |
| 面接 | 志望動機・保健師像・就活への覚悟など |
近年は大学4年制でも保健師資格が取得できなくなったケースが増え、養成学校や大学院へ進学する人が増加しています。
入試の倍率は年々上がっています。3つの試験対策を早めに、時間をかけて行いましょう。
筆記試験の対策
看護師全般の知識が問われます。基礎看護技術・看護学・疾患・全領域の領域別看護と幅広く出題されます。
基本的には看護師国家試験レベルの対策ができていれば合格ラインに達します。ただし社会人枠の方は、臨床で触れていない分野があることも多いので、苦手分野を重点的に復習しておきましょう。
小論文の対策
事例に対して自分の考えや意見を記述するものです。明確な看護観と保健師の視点でものごとを捉える力が求められます。
時間内に文章をまとめる練習が必要なので、日頃から保健に関する社会問題(メンタルヘルス・少子高齢化・感染症対策など)に目を向け、自分の意見をまとめる習慣をつけましょう。
なお、小論文は保健師の就職試験でも出題されます。進学の段階で書き方のルールとテクニックを身につけておくと、将来の就職試験でも大いに役立ちます。
面接の対策
保健師養成学校の面接でよく聞かれる質問は以下の通りです。
・なぜ保健師になりたいのか?
・看護師と比べて就職難易度が高いことは理解しているか?
・保健師になれない可能性もあるが、どう考えているか?
特に「保健師になれない可能性があっても進学する覚悟があるか」という点は必ずといっていいほど問われます。
自分の動機を整理し、うまくいかなかった場合の選択肢まで含めて回答を準備しておきましょう。
保健師学校の卒業後の進路
卒業生の就職先の内訳
保健師養成学校を卒業しても、全員が保健師になれるわけではありません。卒業生全体の内訳は概ね以下のとおりです。
| 進路 | 割合(目安) |
|---|---|
| 保健師として就職(行政・産業・学校など) | 約3〜4割 |
| 看護師として病院へ就職 | 約6〜7割 |
保健師として就職できるのは卒業生の3〜4割程度にとどまります。進学前から就活の準備を始めることが非常に重要です。
就活スケジュールは早め早めに
- 行政保健師(政令市・特別区):試験は早い自治体では4月から始まります
- 産業保健師・地域包括保健師:転職サイト経由の求人応募が中心
入学後すぐに説明・募集が始まる自治体もあるため、入学前から試験内容を調べておくことを強くおすすめします。
行政保健師になりたい人は、看護師から行政保健師へ転職!公務員試験対策の流れとおすすめ参考書紹介を参考にしてください。
産業保健師になりたい人は、未経験で産業保健師になった転職体験談を参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
まとめ|保健師学校(養成学校)の入試内容と対策
一年制の保健師学校(養成学校)について解説しました。進学を考えている方は以下のポイントを押さえておきましょう。
- 学費は公立20〜30万円、私立100〜180万円が目安(別途費用あり)
- 学校選びのポイントは「公務員試験対策の充実度」と「卒業生の進路実績」
- 入試は筆記・小論文・面接の3種類で、近年は倍率が上昇傾向
- 卒業後に保健師として就職できるのは約3〜4割。早めの就活準備が必須
- 行政保健師を目指すなら公務員試験対策も並行して行うこと


