夜勤明け、疲れきった体でロッカーを出た瞬間、涙が出そうになったこと、ありませんか?
私は入職2年目の頃、忙しい病棟で怒涛の3連続夜勤をこなした後、更衣室でふと「私、何のために働いているんだろう」と呟いてしまったことがあります。
誰にも聞かれていないはずなのに、なぜか同期が「わかる、私もそう思ってた」と隣で笑ってくれて、少し救われたんですよね。
看護師という仕事は、体力も神経もすり減らす場面が本当に多いと思います。人の命を預かる緊張感、夜勤による生活リズムの乱れ、職場の人間関係……挙げ出したらキリがないくらい、ストレス要因が詰まっている職業なんです。

正直、私も新人の頃は「発散方法」なんて考える余裕すらありませんでした。ただただ耐えて、休みの日は寝て終わる、その繰り返し。
でも、ある時から「これじゃまずい」と気づいて、自分なりの発散方法を少しずつ試すようになったんです。
この記事では、私自身が実際にやってみて効果を感じたストレス発散方法を10個、そしてすぐにできるセルフケアや、限界のサインの見分け方まで、まとめて紹介していきます。
「今日はもう限界かも」と感じているあなたに、何か一つでもヒントになれば嬉しいです。
看護師のストレスはなぜ溜まるのか?
「なんでこんなに疲れてるんだろう」って、勤務終わりに自分でもよくわからなくなること、ありませんか?

私が働いていた病棟では、人間関係の悩みを抱えている先輩がとにかく多かったです。
新人の頃、些細な報告の仕方で先輩に強い口調で指摘されて、その日は帰りの電車でずっと落ち込んでいたことを覚えています。
誰が悪いというわけでもないんですけど、忙しさの中で余裕がなくなると、どうしても言葉がきつくなってしまうんですよね。
看護師のストレス要因として、よく挙げられるものをまとめてみました。
- 職場の人間関係(先輩・後輩・多職種との連携含む)
- 常に人手が足りない中での多忙な業務
- 患者さんの命を預かるという責任の重さ
- 夜勤による不規則な生活習慣
- 急変対応やクレーム対応などの精神的負荷
厚生労働省の調査でも、看護職員の離職理由として「人間関係」や「多忙さ」が上位に挙がることが報告されています。
私だけが特別しんどいわけじゃなくて、多くの看護師が同じような壁にぶつかっているんだと思うと、少し気持ちが軽くなる部分もあるかもしれません。
新人だろうとベテランだろうと、抱えるストレスの種類が違うだけで、しんどさ自体はみんな持っているものなんです。
だからこそ、自分に合った発散方法を持っておくことが、この仕事を長く続けるコツなんじゃないかなと思っています。
ストレス発散の考え方|コーピングスタイルを知ろう
「ストレス発散」と一口に言っても、自分に合うやり方って人によって全然違いますよね。
正直、私も最初は知らなかったんですけど、ストレスへの対処の仕方には心理学的な分類があるんです。
「コーピングスタイル」と呼ばれるもので、大きく分けると4つのタイプがあります。
| 問題焦点型 | ストレスの原因そのものを特定して、解決しようとする行動 |
|---|---|
| 情動焦点型 | 原因は変えられなくても、自分の感情を和らげようとするアプローチ |
| 回避型 | ストレスの原因からあえて距離を置くスタイル |
| 社会的支援の活用 | 一人で抱えず、誰かに頼ることで乗り越えるスタイル |
私の場合、忙しい部署にいた頃は「原因を解決する余裕なんてない」というのが正直なところでした。だから自然と、情動焦点型と回避型を組み合わせるような発散方法に落ち着いていったんですよね。
同期に愚痴を聞いてもらうのも、旅行に逃避するのも、振り返ってみればちゃんと理由のある行動だったんだと気づきました。
大事なのは、どのスタイルが正解というわけではないということだと思います。あなたが「なんとなくスッキリする」と感じるものであれば、それがあなたに合った発散方法なんです。
ここから紹介する方法も、ぜひ自分に合いそうなものから試してみてください。
【今すぐできる】看護師のストレス発散方法
「休みの日まで待てない、今すぐどうにかしたい」という夜、正直たくさんありますよね。
大きな予定を立てなくても、その場でパッとできる発散方法もたくさんあるんです。ここでは、私が休憩中や勤務終わりに実際に取り入れていた、手軽なセルフケアを紹介していきます。
深呼吸・簡単なストレッチ
急変対応の後や、クレーム対応の直後って、体がガチガチに固まっていること、ありませんか?
私はナースステーションの端で、こっそり肩を回したり、大きく息を吐いたりするのを習慣にしていました。たった30秒くらいなんですけど、それだけで頭がすっと軽くなる感覚があったんですよね。
深呼吸は、ゆっくり4秒吸って、8秒かけて吐くくらいのペースを意識すると、副交感神経が優位になりやすいと言われています。休憩の合間、トイレに行くついでにでも、ぜひ試してみてください。
好きな音楽をかける
ベッドの上でスマホを触っているうちに、気づけば数時間経っていた、なんてこと私は何度もありました。
そういう時、無理に動こうとするよりも、まず好きな音楽をかけてしまうのが一番手っ取り早い気がします。
テレビをBGM代わりにする人も多いと思いますが、音楽の方がその曲の世界観に引っ張られて、気持ちが切り替わりやすいんですよね。
クラシックでもポップスでもEDMでも、ジャンルは何でも良いと思います。「今日は動きたくないな」という日こそ、だまされたと思って一曲流してみてください。
仮眠・睡眠の質を上げる工夫
夜勤続きだと、寝ても寝ても疲れが取れない感覚になること、よくありますよね。
私は夜勤前後で、寝る部屋を真っ暗にする、スマホを見る時間を区切る、といった工夫をするようになってから、少し寝起きが楽になった気がします。
仮眠室での15分程度の仮眠も、侮れない回復力があるんですよね。
- 遮光カーテンやアイマスクで光を遮る
- 寝る前のスマホ使用を最小限にする
- 短時間でも仮眠をとる習慣をつける
- カフェインを摂る時間帯を意識する
睡眠の質を整えることは、地味なようで一番効果を実感しやすい発散方法かもしれません。
アロマ・ハンドクリームなど五感を使ったリラックス
香りや手触りって、意外と侮れないんです。
私は夜勤明けに、お気に入りのハンドクリームを塗るのが小さな儀式になっていました。
手荒れのケアも兼ねられるし、香りを嗅ぐたびに「お疲れさま、私」って自分を労えるような気持ちになるんですよね。
アロマオイルをディフューザーで焚いたり、お気に入りの香りのボディクリームを使ったり。五感を使ったリラックスは、特別な準備がいらないぶん、忙しいあなたにも取り入れやすい方法だと思います。
看護師が実際にやっているストレス発散方法10選
ここからは、私や周りの同期が実際にやっていた発散方法を紹介していきます。
「これ、私もやってる!」というものがあれば嬉しいですし、まだ試したことがない方法があれば、休みの日にでも試してみてください。
①同期と愚痴を言い合う

一番の理解者は、やっぱり同期なんですよね。
上司や患者さん、医師など、同じ環境で働いているからこそ、大変さや辛さをそのまま共感してもらえます。
私も夜勤明けによく同期とご飯に行って、誰にも言えなかった愚痴をひたすら吐き出していました。それだけで、次の勤務への気力が全然違ったんです。
ただ、個人情報を含む話も多いので、外食するなら個室を選んだり、同期の自宅で話したりと、場所には気をつけてくださいね。
②国内・海外旅行に行く

看護師は希望休が取りやすく、プライベートの予定が立てやすい職業だと思います。
同期と休みを合わせるのは難しくても、他部署の同期や学生時代の友人とならお出かけしやすいんですよね。私は短期休みなら国内、長期休暇が取れた時は海外に行っていました。
非日常を感じられる場所として、私が実際に良かったと感じたのは以下のようなところです。
- 沖縄・北海道などの国内リゾート地
- バリ島・ダナン・セブ島といったアジアのリゾート地
- 温泉地でのんびり過ごす小旅行
- 都会から少し離れた自然の多いエリア
比較的安く行けるアジアのリゾート地は、コスパも良くておすすめですよ。
③ライブに行く

好きなアーティストのライブに行くこと、これが私にとって一番のストレス発散だった気がします。
普段と変わらない日常を過ごしているのに、会場に入った瞬間、なぜかその世界にどっぷり呑み込まれてしまうんですよね。
アーティストから元気をもらって、「明日からまた頑張ろう」という気持ちになれること、ありませんか?
患者さんも、好きな芸能人やスポーツ選手の話をする時は本当に良い表情をされていました。看護師の力だけではなかなか患者さんを笑顔にできない場面でも、有名人の影響力にはかなわないなと感じたのを覚えています。
④日用品の衝動買いでリフレッシュ

ストレスが溜まっていると、つい衝動買いしてしまうこと、あなたにもありませんか?
洋服やメイク道具など、買う対象は人それぞれだと思いますが、私の場合は日用品でした。
生活していれば必ず使うものなので、買いすぎても後悔しにくいし、経済的にも気が楽なんですよね。
一番おすすめのタイミングは、実は夜勤明けです。疲れがたまっている分、そのまま買い物に行ってストックを大量に購入していました。
ポイント10倍デーと重なった日には、なんだか得した気分にもなれますよ。
⑤散歩・ジムで体を動かす

休日、一日中家にいてダラダラ過ごしてしまう、そんな日ってありますよね。
私はそうならないように、意識して散歩に出かけるようにしていました。友人と休みが合えば、一緒にジムに行って体を動かすこともあります。
家でゆっくり過ごすのも大事ですけど、だらけすぎてしまうのは逆にしんどくなる気がするんです。
コンビニやスーパーまで少し遠回りして歩くだけでも、気軽に取り入れられておすすめです。
太陽の光を浴びたり、夜の静かな道を歩いたりするだけで、意外と心が落ち着くんですよね。
⑥おいしいものを食べる

たまには、思い切って贅沢な食事をするのも良いと思うんです。
ランチをコース料理にしてみたり、夜は高級焼肉店に行ってみたり。いつもの居酒屋じゃなく、少しおしゃれなお店を選ぶだけでも気分が上がりますよ。
私は行列のできるカフェでケーキを食べるのが好きでした。
隣の席で女子高生がケーキとお水だけで長居しているのを見て、「学生時代はバイト代で必死だったな、社会人になってケーキとコーヒーのセットを迷わず頼めるのも、頑張って働いているからなんだな」としみじみ思ったことがあります。
⑦住む場所を職場から離す

私は以前寮に住んでいて、2年で退去するシステムだったんですけど、3年目は絶対に病院から離れて暮らすと決めていました。
通勤は少し大変になるものの、休日まで病院の近くにいると気が休まらないんですよね。
それに、病院の近くに住んでいると、急な勤務変更を頼まれやすくなるという事情もあります。自分の時間を大事にしたくても、実際に頼まれると断りづらい人、多いんじゃないでしょうか。
物理的に距離を取ることも、立派なストレス対策の一つだと思います。
⑧休日はおしゃれを楽しむ

ナース服で通勤していると、平日は「服さえ着ていればOK」くらいの感覚になっていませんか?
私も通勤時はかなりラフな格好をしていたんですけど、休日は別人のようにおしゃれをして、ちょっとお高めな服をしっかりコーディネートするようにしていました。
仕事とプライベートの区別がはっきりつく感じがして、これが結構おすすめなんです。
休日用の服を前もって準備しておくだけでも、休みが来るのが楽しみになりますよ。
⑨実家に帰ってゆっくり過ごす

実家が遠方だったので、帰省は私にとってかなりのストレス発散になっていました。
都会から地方へ移動するだけで、のどかな空気に包まれて、周りの優しさを感じられる、そんな時間が好きだったんです。実家だと、何もしなくてもいい空気ってありますよね。
だらけるのも良し、地元の友人と遊ぶのも良し。嫌なことがあったら、帰っていいんですよ。
⑩頑張った日は自分にご褒美を買う

私はケーキが大好きで、誕生日でもお祝い事でもないのに、仕事で疲れすぎた日にはケーキを買って帰ります。
一人暮らしだから誰かに見せるわけでもないんですけど、それでも関係ないんですよね。
頑張った後の甘いものは、夏に飲むビールみたいに、じんわり幸せを感じさせてくれます。
「今日は頑張ったから」って、自分にご褒美をあげる日があってもいいと思うんです。
ストレスが限界かも?と感じたときのサインチェック
「ちょっと疲れてるだけ」そう思っていたら、実はかなり無理をしていた、ということ、ありませんか?

私は正直、限界のサインに自分で気づくのがすごく苦手でした。忙しさの中にいると、しんどさすら麻痺してしまうんですよね。
ある時、仲の良かった先輩が急に休職してしまって、「あんなに元気そうだったのに」と驚いたことがあります。
後から話を聞くと、何ヶ月も前から眠れない日が続いていたのに、それでも「みんな忙しいから」と我慢し続けていたそうなんです。
気分・体調に出やすいサイン
無理をしているサインは、実は体や気持ちのちょっとした変化に出やすいと言われています。私の周りでも、次のような変化が見られる人が多かったです。
- 休みの日でも仕事のことが頭から離れない
- 食欲が急に落ちた、または食べ過ぎてしまう
- 寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める
- 些細なことでイライラしたり、涙が出やすくなったりする
- 以前は楽しめていたことに興味が持てなくなる
一つくらいなら誰にでもあることかもしれません。ただ、いくつも重なって、しかも長く続いているようなら、それは「ちょっと疲れてる」では済まないサインかもしれないんです。
セルフチェックで当てはまったら考えたいこと
もし上のリストにいくつも心当たりがあるなら、まずは誰かに話してみることを考えてみてほしいんです。家族でも、同期でも、外部の相談窓口でも構いません。

私自身、限界が近づいていた時期に、思い切って先輩に「実は最近ずっとしんどくて」と打ち明けたことがあります。
話しただけで解決したわけじゃないんですけど、「一人で抱えなくていいんだ」と思えただけで、少し呼吸がしやすくなった感覚がありました。
我慢強い人ほど、自分のサインに気づきにくい傾向がある気がします。だからこそ、たまに自分の状態をチェックする時間を作ってみてください。
発散しても辛い場合は環境を変えるという選択肢も
発散方法を色々試してみても、正直「もう限界かも」と感じる時、ありますよね。
私自身、どんなに愚痴を言っても、旅行に行っても、根本的にしんどさが消えない時期がありました。その時初めて、「発散だけでどうにかしようとするのは無理があるんだな」と気づいたんです。
ストレスの原因そのものが変わらない限り、一時的にスッキリしてもまた同じ場所に戻ってきてしまうんですよね。
部署異動・転職という選択
発散方法はあくまで応急処置で、環境そのものを変えることも立派な選択肢だと思うんです。
私の同期にも、人間関係がどうしても合わない病棟から異動願いを出して、明らかに顔つきが変わった人がいました。
「もっと早く相談すればよかった」と本人も言っていたくらいです。今の場所で頑張り続けることだけが正解じゃないんですよね。
- 師長や先輩に部署異動を相談してみる
- 夜勤のない働き方に切り替える
- 病棟以外の分野(企業看護師や保健師など)を検討する
- 一度休職して立て直す時間を作る
どれも簡単な決断ではないと思いますが、選択肢として知っておくだけでも気持ちが変わってくる気がします。
夜勤のしんどさが特に辛いと感じている方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

また、病棟以外のキャリアも視野に入れたい方は、看護師から別の仕事へ!病院以外で活躍できるおすすめ職種5選も参考にしてみてください。
私も一度、看護師を辞めて産業保健師になった経験があるからこそ、あなたが「もう無理かも」と思ったタイミングで、こういう選択肢があることを知っておいてほしいなと思っています。
よくある質問(FAQ)
最後に、私がよく聞かれる質問についてお答えしていきます。
まとめ|看護師のストレス発散方法
ここまで、私が実際にやってきたストレス発散方法を紹介してきました。最後に、もう一度まとめておきますね。
【今すぐできるセルフケア】
- 深呼吸・簡単なストレッチ
- 好きな音楽をかける
- 仮眠・睡眠の質を上げる工夫
- アロマ・ハンドクリームなど五感を使ったリラックス
【おすすめの過ごし方10選】
①同期と愚痴を言い合う
②国内・海外旅行に行く
③ライブに行く
④日用品を買ってリフレッシュ
⑤散歩やジムで体を動かす
⑥おいしいものを食べる
⑦休日はおしゃれを楽しむ
⑧実家に帰ってゆっくり過ごす
⑨頑張った日は自分にご褒美を買う
⑩住む場所を職場から離す
⑪新しい出会いの場に出かける
正直、私はかなりズボラな人間です。放っておくとすぐに生活がグダグダになって、せっかくの休みを寝て終わらせてしまうタイプなんですよね。
それでも、少しずつ自分に合う発散方法を見つけていった結果、今では休みが来るのが楽しみで仕方ありません。
もちろん、発散方法を試しても辛さが消えない時もあると思います。そんな時は、我慢し続けるのではなく、環境を変えるという選択肢があることも、どうか忘れないでください。
ストレスが溜まりやすい仕事だからこそ、あなたなりの発散方法を見つけて、少しでも自分らしく働き続けられるように。この記事が、そのきっかけの一つになれば嬉しいです。

