病棟看護師をしていて一番大きなストレスにもなる夜勤。とても過酷ですよね。
生活リズムが不規則になる上、メンバーも少なく過酷な現場です。体質的に無理という人もいます。
夜勤が辛いと感じて悩んでいる人へ、できるだけ楽に生きるための夜勤対策を紹介します。また、それでも体質的に無理な人は転職の検討もおすすめします。
看護師の夜勤が過酷な理由
看護師の夜勤が辛いと言われる理由は、身体的・心理的・環境的理由など様々です。
・不規則な生活による自律神経失調
・人手不足な職場環境
・上司が不在であるため精神的な負担が大きくなる
病棟で勤務する正社員看護師の夜勤は避けられません。
少しでも楽になれるよう対処するには、まずは原因を追求してみましょう。
不規則な生活による自律神経失調
普段寝ないといけない夜の時間帯に働くことで自律神経のバランスが乱れやすく、体への不調をきたしやすい深刻な問題です。
特に二交替制は仮眠時間の確保はされていますが、バタバタしていて仮眠が取れない、時間はあっても眠れないと悩まされることもしばしば。
自律神経の乱れが大きくなると、日常生活にも支障を来たしてしまいます。
・頭痛
・頭が重い(頭重感)
・吐き気
・腹痛
・ふらつき
人数が少ない
夜勤帯は看護師の数が限られます。最低でも一人で10人の患者を担当しなければなりません。
業務中の処置は限られていますが、食事介助・投薬・輸液管理など同時にいくつもの業務が重なり、一人で自分の受け持ち患者をみることでさえ必死。
シフトが出たら必ず夜勤メンバーをチェックしますよね。人数が少ないからこそ協調性が命であり、一人でも欠けると大きな負担になります。
このような環境のせいで過酷な状態になっています。
日勤 | 夜勤 |
7対1 | 10対1 |
師長、医師や他スタッフがいないため看護師の負担大
スタッフ数が少ない上、急変や異例の事態が起こると相談する人がおらず、対応に困ることが多々あります。
師長や主治医がいないため、勤務時間外に連絡するかどうか悩んだり、気軽に相談できないため看護師の判断能力も必要とされます。
・薬が足りない
・患者の無理な要望
・患者の急変
・急変でなくても違和感がある時に相談したい
このような経験、ありませんか?
何かあったら自分の責任になってしまう、という責任の重さが非常に大きなストレスになります。
夜勤が辛い看護師のストレスによる限界サイン【要休職!】
一般的にストレスのない仕事はありませんが、看護師は過酷な現場であることから大きなストレスを抱えやすいです。
・人の目を見て話せない
・ここ最近心の底から笑っていない
・出勤するので精一杯
・職場から家までどうやって帰宅したかわからない、覚えていない
・映画館やエレベーター、バス、電車など閉鎖空間にいるとパニックに陥る
看護師は大変だから、こんなストレスは抱えて当たり前、と思いがちですが、今感じている違和感をスルーし続けてそのままにしていると取り返しのつかないことになります。
適切に対処できるようセルフケア力をつけるのも大事です。

愚痴を言っているうちはまだ元気。本当にヤバいのは愚痴さえも言えなくなったとき!
辛い看護師の夜勤をラクにこなすコツ
夜勤を少しでもラクにこなす方法は、まずは生活リズムを調整することです。
・仮眠は少しでも休める環境を作る
・前日から睡眠時間を調整する
・食事のタイミングを調整して頭を起こす
ポイントは食事・睡眠の時間です。
仮眠は少しでも休める環境を作る
仮眠休憩はオンとオフの切り替えがどれだけできるかがポイントです。
とはいえ、休憩室でもアラームやナースコールが聞こえることも多く、ゆっくり休めるわけではありません。
ですが可能な限り、自宅のオフ状態に近づけられるように工夫してみましょう。
・仮眠時間は眠れなくても横になる
・ナース服からTシャツに着替える
・アイマスク、イヤホンをつける

病院にいることを忘れられるような工夫ができると疲れが取れます!
前日から睡眠時間を調整する
夜勤で一番体に負担がかかるのは、普段寝ている時間帯に働くことで勤務中の眠気との戦いや休憩時間にゆっくり休めない状態であることです。
出勤前に体力を温存させるためにも、前日から調整を心がけましょう。
・昼頃まで眠れるように夜間はなるべく遅くまで起きておく。
・食事の時間をずらして、遅い時間帯に食べる。
・入浴は睡眠時間の3時間前に済ませる。
食事のタイミングを調整して頭を起こす
食事を摂り過ぎると眠たくなります。眠気をなくすためやダイエットのために深夜の食事を控える人もいますが、糖分を取らないと頭が回らなくなってしまいます。
生活リズムを整えるのは「食事」と「睡眠」です。
深夜帯は軽食(プリンやゼリーなど)で必要な分だけのエネルギーをチャージし、朝食はおにぎりやパンなど患者の起床前になるべくしっかり食べるようにしましょう。
看護師の夜勤明けの過ごし方
夜勤明けは仕事からの開放感もあり、アドレナリンが出て眠れなくなってしまいます。
さらに生活リズムが乱れてしまうので、1〜2日で生活を整えられるように調整しましょう。
生活リズムを調整するためには以下の4つの行動を意識することが重要です。
・ジムへ行き、頭をリフレッシュさせる
・遮光カーテンやアイマスクは必須アイテム
・夜勤後の仮眠は3時間以内にする
・食事で生活リズムを取り戻す
ジムへ行き、頭をリフレッシュ
看護師は体力だけでなく頭もかなり使う仕事です。
勤務後の脳内が働いている状態だとなかなかすぐに眠れないため、運動をしてリフレッシュさせると眠りやすくなります。
さらに体力を消耗させるため、深い眠りにつきやすいです。

夜勤時に食べすぎた軽食もカロリー消費になり一石二鳥ですね!
その他にも看護師は夜勤明けの時間を有効活用して、生活をコントロールしています。もっと知りたい人はこちらの記事を参考にしてくださいね。

遮光カーテンやアイマスクは必須アイテム!
太陽の光は脳を起こしてしまうため、仮眠時の遮光は欠かせません。
それだけでなく昼間に近所で工事していたり、学校があったりすると外が騒がしく眠りの妨げにもなってしまいます。
耳栓を使うのもおすすめです!
ナイトミン耳ほぐタイム
騒音防止、耳周りを温めることでリラックスできる、入眠時の考えすぎをなくす

アイマスクや耳栓は夜勤の仮眠でも使えます!
夜勤後の仮眠は3時間以内に!
疲れ切って寝過ぎるとかえって体がしんどい状態になってしまいます。
3時間以上も寝過ぎてしまうと、夜勤明けの日の夜はまた眠れなくなり、悪循環に陥ってしまいます。
疲れているからゆっくりしたい、という気持ちもわかりますが、「もうちょっと寝たい」と感じるくらいが適切です。
食事<睡眠は超危険!食事で生活リズムを取り戻す
私は過去に疲れすぎて食事を取らなかったことがありました。「とにかく眠たいから寝る、ご飯は後で食べよう」これが続いて、結局24時間食べなかったことがありました…
恐ろしいことに低血糖症状が出てしまい、手足から全身への振え、意識が朦朧とする状態、キッチンへ移動するのも一苦労。
低血糖の症状が出た時は超危険!動けなくなってしまうと、そのまま死に至るリスクもあります。
食欲がなくても、お菓子でも良いので何かしら口にするようにしましょう。
焼きおにぎり、冷凍食品などすぐに食べられるもの
辛い夜勤対策をしても体質的に合わない人の対処法
夜勤対策をしても、しんどさが続く場合は体質的に合わないことが考えられます。
自分ではどうすることもできず、睡眠薬を使ってまでもコントロールしている人は要注意。
体質的に合わない場合は、夜勤のない職場へ転職することも考慮しましょう。
今の職場で夜勤をなくしてもらう
「夜勤就業禁止」の指示があれば、日勤のみで勤務調整してくれることがあります。
まずは1〜2ヶ月の期間限定お試しで日勤のみを経験してみるのも良いでしょう。
上司(師長)へ相談、または心療内科へ相談し診断書を書いてもらえると病院側も対応してくれることが多いです。
受診のハードルが高く感じる人もいますが、今やメンタルクリニックは働く人なら誰でも利用しています。ひどくなる前に、うつ病になる前に、早いほど回復も早いです。
主治医が症状を見て、生活リズムの改善が必要だと判断されれば、診断書を書いてもらえます。
「夜勤禁止」の一文を記載してもらいましょう。対応が必要な理由、措置期間の記載があると十分です。
看護師の場合は師長へ相談しても休職が認められないことも多々あります。その場合は、先に診断書をもらっておくと対応せざるを得ないので、スムーズに対応してもらえます。
休職前や復帰前に保健師や産業医と面談をして、今後の方向性を調整していきます。

どんな病院でも対応はしてもらえます!回復したらまた夜勤をスタートさせれば良いので、上手にコントロールしましょう。
詳しい休職までの流れや方法を知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。

夜勤がない看護師の職場へ転職
看護師で夜勤がない職場は、予想以上にたくさんあります。
・クリニック
・治験ナース
・企業看護師
・保育園看護師
・保健師 など

私は保健師へ転職しましたが、朝起きて夜寝る生活が本当に楽になり、びっくりしました!
給料が減って不安になることもありますよね。その場合は、副業など別の方法で稼ぐこともできます。
不規則な生活<日勤のみ+副業
働く時間は増えますが、案外この働き方の方が楽という人もいるので、挑戦してみるのも良いですね。
常に体がしんどい状態で、休みの日もぐったりしているよりは、好きな作業をしてお金が入る仕組みを作っていく方が時間の使い方は上手くなります。
このように思い切って職場を変えてみるのも、人生を大きく変えるきっかけになります。ぜひ、検討してみてください。
