「仕事に行きたくない」
「もう限界かもしれない」
そう感じてこの記事を開いた方へ。
まず知っておいてほしいのは、「休みたい」にはレベルがあるということです。
- 今日だけ休みたい・体調不良で当日欠勤したい → 有給休暇や欠勤の範囲で対応できることが多いです
- ここ数週間ずっと辛く、しばらくまとまった期間休みたい → この記事で解説する「休職」が選択肢になります
この記事は後者、つまり「数週間〜数ヵ月単位でしっかり休みたい」方向けに、休職の手続きと、休んでいる間の過ごし方をまとめたものです。
私自身、看護師として勤務した後に産業保健師へ転職し、企業で従業員の休職・復帰支援を数多く担当してきました。
病院と企業では、休職に対するサポートの手厚さに大きな差があると感じています。
今悩んでいる方が、必要な情報にたどり着けるように、実務経験をもとに解説します。
まずセルフチェック:今のあなたの状態は?
「これくらいで休んでいいのか」と迷う方は多いですが、以下のサインに複数当てはまる場合は、無理をせず読み進めてください。これは診断ではなく、休養を検討する一つの目安です。
- 朝、布団から出られない・出勤前に動悸や吐き気がある
- 寝ても疲れが取れない、食欲がない
- 仕事のことを考えると涙が出る、または何も感じなくなる
- 「自分はダメだ」という気持ちが頭から離れない
- ミスが増えた、判断に時間がかかるようになった
- 同僚や家族との会話を避けるようになった
一つでも強く当てはまる場合は、まず医療機関に相談することをおすすめします。
判断に迷うときほど、自分の感覚だけで「まだ大丈夫」と決めつけないことが大切です。
有給休暇・当日欠勤と「休職」の違い
「休みたい」と思ったとき、すべてが休職の対象になるわけではありません。まずは違いを整理しましょう。
| 有給休暇・当日欠勤 | 休職 | |
|---|---|---|
| 期間の目安 | 1日〜数日 | 数週間〜数ヵ月 |
| 給与 | 出る(有給の場合) | 基本的に出ない(傷病手当金で一部補填) |
| 診断書 | 不要なことが多い | 必要 |
| 向いているケース | 一時的な体調不良・気分の沈み | うつ状態・適応障害など医師の判断が必要な状態 |
「今日だけ休みたい」レベルであれば、まずは上司への相談や有給休暇の範囲で対応できないかを検討してみてください。
一方で、セルフチェックに多く当てはまり、それが何週間も続いている場合は、次章の休職手続きを検討するタイミングです。
看護師の休職手続き方法【3ステップ】
休職の手続きは、一般企業ではスムーズに進むことが多いものの、病院によっては診断書が出ていてもなかなか休職を認めてもらえないケースがあります。メンタルクリニックの受診を勧めてもらえない職場もあるため、一つずつ手順を確認しておきましょう。
初診は予約制のことが多いため、事前にホームページ等で診療体制を確認しておくとスムーズです。一人で受診するのが不安な場合は、家族や友人に付き添いを頼んでも構いません。
医師に相談し「休養が必要」と判断された場合は、診断書の記載を依頼します(発行には2,000円程度の追加料金がかかることが一般的です)。
職場から必ず確認される項目は、次の2点です。
- 休職理由:原因となる病名(うつ状態、適応障害など)
- 休職期間:◯ヵ月間
基本的には上司(師長)に提出しますが、相談しづらい状況であれば、人事へ直接提出し、休職が必要な事情を説明しても問題ありません。
※診断書に記載してほしい内容を職場側から指定されることもあります。不足があれば、主治医に再発行を依頼しましょう。
休職中の収入はどうなる?傷病手当金の基本
休職中は基本的に給与が出ないため、「生活費が心配で休めない」という方も多いです。そこで知っておきたいのが、健康保険の傷病手当金です。
| 対象 | 病気やケガで働けず、給与の支払いがない(または減額されている)状態 |
| 待機期間 | 休み始めてから連続3日間は対象外。4日目以降から支給対象になります |
| 支給額の目安 | おおよそ給与の3分の2程度(標準報酬月額をもとに算出) |
| 支給期間 | 通算で最長1年6ヵ月 |
加入している保険(協会けんぽ・健康保険組合など)によって細かいルールが異なるため、申請前に職場の担当部署や保険組合に確認することをおすすめします。
手続きが複雑で分かりにくい場合は、社会保険給付金の申請サポート専門の窓口を利用するのも一つの方法です。
休職が認められない・職場の対応に困ったときの相談先
「診断書を出しても休職を認めてもらえない」「お金の知識がなく、給付金で損をしたくない」というケースもあります。
そうした場合の相談先として、傷病手当の手続き支援を行う「退職コンシェルジュ」のようなサービスがあります。
元々は退職代行を中心としたサービスですが、休職時に利用できる傷病手当の手続き支援も行っています。
- 休職できるはずなのに病院側が認めてくれない
- お金に関する知識がなく、損をせず給付金を受け取りたい
- 一人で職場とやり取りするのが難しい
このような状況であれば、専門家のサポートを受けることも選択肢に入れてみてください。
看護師の休職中の過ごし方
長く働いてきた中で突然休職となると、どう過ごせばいいか分からなくなるものです。
「休んでいるのに遊ぶな」と心無いことを言われることもありますが、休職中はしっかり体を休めながら、心を立て直す期間と捉えて大丈夫です。

積極的に外出する
旅行でも、散歩程度でも構いません。引きこもりがちにならないよう、少しずつ外の空気に触れる時間をつくりましょう。
- 朝起きたらベランダで5分過ごす
- 毎日15分程度、近所を散歩する
- 週1回はカフェで読書をする
何もせず一日中寝てしまうと、セロトニンの分泌が減少し気分の落ち込みが続きやすくなる、という指摘もあります(個人差があるため、主治医に相談しながら無理のない範囲で取り入れてください)。
規則正しい生活を心がける
休職中に一日中寝ていると、昼夜逆転しやすくなります。
日中に太陽光を浴びる機会が減ることも、気分の波に影響すると言われています。
- 1日3食、できるだけ決まった時間に食事を摂る
- 夜0時前に寝て、朝8時には起きる
- 昼寝は30分以内にする
治療はきちんと続ける
休職期間は、今のあなたに必要な治療期間です。主治医の指示に沿って治療を続けましょう。
- 処方された薬は指示通りに服用する
- 通院は継続する
薬の服用に抵抗を感じる方もいますが、症状を悪化させないための一時的な措置として考えれば十分です。
服薬をやめるタイミングも、必ず主治医と相談しながら決めてください。
体調が回復してきたら職場復帰を検討する
体調が落ち着いてきたら、職場復帰について少しずつ考え始める時期です。
- 元の職場に戻れそうか
- どんな配慮(夜勤なし・時短勤務など)があれば復帰しやすいか
- 産業医との面談で何を伝えるか
病院にも産業医が在籍していることが多いため、復帰前の面談で必要な配慮を相談してみましょう。
必要であれば転職活動も検討する
人間関係やハラスメントが大きな原因だった場合、同じ職場への復帰が現実的でないこともあります。
今後どんな環境で働きたいかを見つめ直し、必要であれば転職活動を始めるのも一つの選択です。
看護師の休職に関するよくある質問
まとめ|看護師の休職の手続き3ステップ
看護師の休職手続きについて解説しました。
病院によっては休職を積極的に勧めてもらえないこともありますが、まずはメンタルクリニックを受診し、診断書をもらうことが最初の一歩です。
そのうえで、傷病手当金などの制度を活用しながら、自分と向き合う時間を確保してください。
「これくらいで休んでいいのか」と迷っているうちに、症状が進んでしまうケースは少なくありません。
一人で抱え込まず、医療機関や信頼できる人に相談しながら、無理のない選択をしてくださいね。

