看護師として働く中で、キャリアチェンジや環境の変化を考え、退職を決意することもあります。
しかし、退職を伝える際、職場との関係や同僚・上司への気遣いから、どのように切り出すべきか悩む方も多いかと思います。
本記事では、看護師が円満に退職を伝えるための具体的なステップや、退職を切り出す際の注意点を紹介します。
看護師の円満退職のためのステップガイド
看護師は退職したくても辞めさせてもらえず、円満に退職することが難しいです。
退職するのも大きなストレスになるため、なるべくスムーズに退職できるよう以下のステップを踏んで計画的に退職しましょう。
退職を決意したら、まずは上司や同僚に迷惑をかけない時期を選びましょう。業務が落ち着いている時期や、後任者が決まった後などが適切です。
退職の意思を最初に上司に伝えます。直接会って話すのが基本ですが、難しい場合は電話やメールでも構いません。
退職日は、通常、上司と相談の上で決定します。引き継ぎや業務の都合を考慮して、適切な日を選びましょう。
退職が決まったら、同僚や部下に挨拶をします。感謝の気持ちを伝え、円満な退職を心掛けましょう。
退職に伴い、年金や健康保険、失業保険などの手続きが必要となります。
退職意向は上司へ伝えることが最優先です！これを間違えると大きなトラブルになる可能性大！
看護師が退職を切り出すタイミングとポイント
看護師で退職を円満に進めるためには、切り出すタイミングが非常に重要です。
急に退職を伝えると、職場の混乱を招き、同僚や上司との関係が悪化する恐れがあります。以下のポイントに注意し、準備を整えましょう。
・繁忙期を避ける
・退職希望日の1〜2ヶ月前に伝える
特に看護師は繁忙期に退職を伝えると職場に大きな負担をかけることになるため、繁忙期を避けたタイミングで伝えることが重要です。
退職の意思は、退職希望日の少なくとも1〜2か月前に伝えるのが理想的ですが、大学病院や総合病院など大きな病院は年度末退職が多いため、半年前から伝えないと辞められない可能性が高いです。
すぐに辞められない理由として、後任の準備期間を十分に取るためです。
自分がなぜ退職したいのか、その理由を整理しておきましょう！説得力のある伝え方につながります。
退職の切り出し方に悩む看護師必見！上司への効果的な伝え方と注意点
退職の伝え方によって、その後の人間関係が大きく左右されることがあります。
以下のような伝え方を実践することで、トラブルを避け、円満な退職が可能です。
退職意向はなるべく「対面」で伝えること
メールや電話ではなく、できるだけ対面で伝えましょう。対面であれば、相手の表情を読み取りながら丁寧に説明することができます。
退職意向を伝えるときはトラブルを起こさないために、以下の2点に注意しましょう。
・曖昧な理由は避ける
・感情的にならないこと
例えば「なんとなく辞めたい」というような曖昧な理由では、上司に説得力を持って伝えられません。具体的な理由を準備しておくことが大切です。
また、上司や職場へ不満がある場合でも感情的にならず、冷静かつ論理的に説明することを心掛けましょう。
退職を看護師長へ伝えるタイミング
退職を決断しても、上司（看護師長）へ伝えるタイミングを失い、ギリギリに伝えることになるケースもよくあります。
看護師は常にバタバタと忙しく、上司を捕まえることができない、1対1で話せる時間さえも作ることができない場合もよくあります。
そのせいでタイミングを失い、ギリギリで怒られてしまうこともあるので注意しましょう。
・定期面談内に余裕を持って伝える
・夜勤明け
・勤務前後
定期面談で伝えるのがベスト！
年度初めの目標面談（4月）、中間面談（9月）、評価面談（3月）に面談する機会が設けられています。
そこで今後の予定を必ず聞かれるので、一番伝えやすいタイミングです。上司にわざわざ時間を取ってもらうこともしなくて良いため、スムーズです。
夜勤明けは師長とタイミングが合いやすい
次に上司へ伝えやすいタイミングは、夜勤明けです。
夜勤明けは仕事が落ち着いて自分も時間が作れて、上司（師長）も朝の申し送りやミーティングの後で病棟にいることが多いのでこの時間を狙って声を掛けましょう。
日勤終わりになると上司が不在であることが多く、また残業扱いになってしまい早く帰るようにと促され、ゆっくり時間が取れません。
上司も自分もゆっくり話せる機会に退職意向を伝えましょう。
緊急時は勤務前後の時間に余裕があるとき
どうしても緊急で退職しなければならない場合は、勤務前後や休憩時間が上司と一緒になった時など、時間を見つけて言えるタイミングを探しましょう。
しかし、周囲のスタッフがいる場合は配慮しましょう。
看護師退職理由別の切り出し方とテンプレート
看護師の退職理由は様々です。キャリアアップや家庭の事情、職場の人間関係など、状況に応じて適切な伝え方があります。
「退職したいです」ではなく「退職します」と決定事項で話すことも大事です。
退職理由別の切り出し方を紹介します。ぜひ参考にしてください。
キャリアアップが理由の場合
キャリアアップが理由の場合でも、引き留めにあうことが多いです。特に大学病院や総合病院など大きな病院の場合は看護のレベルも高く、ここで学べないのか？と問われることがあります。
別の分野であること、今の病院では実現できないことを理由にするとスムーズです。
【例文】
「今後のキャリアを考え、別の医療分野での経験を積むために退職を決意しました。これまでのご指導に感謝しております。」
家庭の事情が理由の場合
家庭の事情とは、育児・介護・離婚などが当てはまります。
突然起こることも多く、1〜2ヶ月前の申告でも退職を受け入れてもらえることが多いです。
【例文】
「家庭の事情で、仕事との両立が難しくなりました。大変残念ですが、退職をさせていただきたいと思います。」
人間関係が理由の場合
人間関係は相談ベースで伝えることが多いので、すぐに認めてもらえることは難しいかもしれません。
しかし、解決のために上司が行動してくれたりする可能性もあるので、以下のように伝えてみましょう。
【例文】
「職場での人間関係に悩む部分があり、自分には合わないと感じました。ご迷惑をおかけしますが、退職を考えています。」
人間関係やストレスによって退職を検討している人は、こちらの記事も参考にしてください。
退職をスムーズに伝える！円満退職を実現するための実践例
円満退職を考えている人は、できるだけ早い段階（約1年程前）から準備をしましょう。以下は退職をスムーズに進めた看護師の実際の事例です。
職場の繁忙期を避けて退職を切り出す
突発的に退職する場合は、職場の負担がかからない時期を選び、きちんと上司と話し合える時間を作るとスムーズに退職できます。
職場が比較的落ち着いている時期を選び、退職を1か月半前に伝えました。事前に上司との面談の時間を設け、対面で感謝の気持ちを伝えた結果、円満に退職を迎えることができました。
転職サポートを活用して円満に退職
転職先を決めてしまえば退職せざるを得ないため、無理な引き止めに合うことも少ないです。
職場のことを思って退職のタイミングを失っている人は、先に転職活動することもおすすめです。
退職を切り出す前に転職サポートのサービスを利用し、次の職場を確定させてから退職を伝えました。新しい環境でのスムーズなスタートを切るために、計画的に行動しました。
転職を検討している人は、一発で成功させる方法を以下の記事で解説しています。参考にしてください。
退職理由に嘘をついて退職
キャリアアップや転職の予定がなく「とりあえず休みたい」という人も多いです。
過酷な現場で疲弊し切っていると次のことまで考えられない、という人は円満退職のために退職理由に嘘をついていることもあります。
転職もしたいけど、とにかく辞めたい気持ちしかなかったので嘘をついて退職しました。申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、円満に退職できてスッキリしています。ストレス症状も落ち着き、今は転職して新しい現場で頑張っています。
実際に看護師がよく使う退職理由の例を以下の記事で紹介しているので、参考にしてください。
退職時のトラブル回避術｜看護師が知っておくべき法的知識と交渉術
看護師の退職はトラブルが起こりやすいです。トラブルを避けるために、法的知識や交渉術を身につけておきましょう。
退職に関する法的知識
退職の意思表示は法的に有効です。看護師が退職の意思を明確に示した場合、基本的には拒否されることはありません。
また、退職の申し入れから遅くても2週間で退職可能です。これは民法上の規定があります。ただし、就業規則によっては異なる場合もあるため、確認をしましょう。
退職時にトラブルを起こさないための交渉術
看護師は退職意向を伝えても辞めさせてもらえず、交渉が必要になることが多いです。
・半年以上前から退職意向を伝える
・物理的距離や介護など退職せざるを得ないことを退職理由にする
上司と交渉が必要になった時は、何度も面談を重ねることになり面倒に感じますが、それでも感情的にならないようにしましょう。
冷静かつ論理的に自分の意見を伝え、相手の話も聞き入れる姿勢が大切です。
上司が納得できる退職理由を準備しましょう。
退職後のサポートと相談窓口
退職を円満に進めるためには、サポートを受けることも重要です。以下の窓口を活用しましょう。
・職場内の相談窓口（人事など）
・外部の相談窓口
職場に設置されている人事部や相談窓口に、事前に相談しておくのも良い方法です。
また、労働に関するトラブルが生じた場合、外部の労働相談機関（労働基準監督署など）に問い合わせることもできます。
退職前に有休消化したい場合にも労働基準監督署は有効です。
看護師の円満退職する方法まとめ
看護師の職場で退職を切り出す際には、タイミングや伝え方が重要です。
・繁忙期を避ける
・1〜2ヶ月、大病院は半年前に退職意向を伝える
・上司へ伝えるのが最優先
・引き止めに合う場合は先に転職先を決める
・困った時は労働基準監督署へ相談する
準備をしっかり整え、感謝の気持ちを持って対応することで、円満に退職を進めることができます。
また、退職を考える際には、法的な知識やサポートサービスを活用し、スムーズに次のステップへ移行できるように準備することが大切です。
