産業保健師はどの看護職よりも倍率が高いです。内定を獲得するには他の人との差別化は必須で、他のエントリー者よりも「自分は魅力がある」と伝えなければなりません。
つまり、自己PRが最終的に採否を決める大きなポイントになります!
産業保健師になかなか採用されない、という人は自己PRの作成に一番力を入れてください。上手な自己PRができれば、正直なところ経験がなくても採用されます。
産業保健師の自己PRの書き方は「強み」がポイント!
履歴書や職務経歴書で記載する自己PRとは、自分の強みや魅力をアピールできる場所です。他との差別化がしやすいため、ここで自分の魅力をしっかり伝えて内定を獲得しましょう。
自己PRは自分が自信を持てる「強み」と、説得力のあるエピソードがあれば、未経験でも採用率がアップします!
自己PR作成の流れ【3ステップ】
ここで必須になってくるのが「自己分析」と「企業分析」
正直面倒ですが、ここに時間をかけて言語化できるようになると、後の面接でも自信がつき、緊張が軽減されます。
得意なこと、自分の性格・性質を徹底的に分析する。
受ける企業がどんな人材を求めているのか把握する。
自分の強みが企業の貢献に繋がることを意識してアピールする。
差別化を意識した自己PRのコツ
自己PRといっても医療系の話や臨床現場でよくある話は、面接官も聞き飽きています。
企業面接や倍率の高い産業保健師面接で他のエントリー者よりもズバ抜けたアピールをする方法は「変なエピソード」です。
自分以外の人に「何それ?」と言われるような経験談があれば、思い切って入れてみてください。
冒頭で「気になる!」「もっと聞きたい!」と思わせることができれば、面接官も聞く準備ができるのでより効果的です。
・自分にしか言えない具体的なエピソードを入れる
・他の誰にも負けない強みを伝える
・変なエピソードがあるとgood!
クスッと笑ってしまうようなエピソードは面接官や自分の緊張も解けて、自分の素が出やすくなるのでおすすめです!
あえて他人と比較する!自己PRポイントを見つける方法
自己PRが苦手な人は、自分には何の強みもないと思い込んでしまっている人が多いです。
人それぞれ個性があり、誰一人として同じ人はいません。他の人より長けている部分がないと感じている人は、あえて身近な人と比べてみて、自分らしさとは何かを追求してみましょう。
自分の経歴から得意分野を見つける
社会人経験がある人は、自分のこれまでの経歴から得意分野をピックアップしてみましょう。
これから看護師の臨床経験や行政保健師の経験から多くの人が持っている「強み」の参考例を紹介します。強みの考え方を意識して参考にしてください。
急性期病棟経験
急性期病棟は慢性期病棟よりも患者の変化が大きく、突発的な対応が多いです。そのためすぐに情報をキャッチし、自分で判断して動く力があります。
・急変対応が得意で焦らず落ち着いた行動ができる
・広い視野で物事を把握できる
・判断力がある
慢性期・回復期病棟経験
慢性期や回復期病棟は、急性期病棟より落ち着いていますが、患者との関係が深くなるためコミュニケーション能力には長けています。
長期的な介入は患者一人ひとりに合わせた看護が重要であり、個人の性格や価値観を大切にした関係の構築が上手です。
・長期的な病気との付き合い方のフォローが得意
・個々の生活や性格に合わせた保健指導が得意
・信頼関係を大切にしたコミュニケーションが得意
精神科経験
精神科看護は働く人が発症しやすいうつ病などの重症化事例を見てきています。
そのリアルな現場の様子を伝えたり、介入することで従業員の早期対応やセルフケアの教育に役立ちます。
・メンタル系疾患への寄り添いが得意
・メンタル疾患を持つ人のリアルを伝えられる
・メンタル疾患に関する早期発見の対応ができる
小児科経験
小児科経験は一見、産業保健師に役立つスキルはないのでは?と思うかもしれませんが、実は大切なスキルが備わっています。
それは相手のレベルに合わせて伝え方を工夫したり、上手く言葉にできない人は表情や空気感から感情を読み解く能力が自然に備わっています。
産業保健で成人相手とはいえ、理解度は様々です。個々に合わせた対応ができるのは魅力的です。
・学力問わず、対象者の理解度に合わせて指導できる
・非言語コミュニケーションが得意
行政保健師経験
行政保健師は、保健師ならではの広い視点が大きな力になります。また社会資源に詳しいため、医療機関や家族、会社からの協力を経てもどうしようもできないケースがあった場合に役立ちます。
また病院では経験できない集団へのアプローチも得意としているため、企画したり、実行する能力があります。
・社会資源をよく理解している
・健康教育など集団へのアプローチが得意
・特定保健指導の経験がある
・保健師の視点で物事を見れる
自分の性格から強みを見つける
社会人になってからの就職した経験だけでなく、幼少期まで振り返ってみると強みが見えてくることもあります。
性格はそう簡単に変わるものではありません。幼少期の頃から経験してきたこと、周りから褒められてきたことなど思い出して書き出してみましょう。
- 学級委員や部活のキャプテンなどリーダーの役割を担うことが多かった。
- リーダーをサブで支えるポジションにいた。
- 好奇心旺盛で新しい分野を学ぶのが好きだった。
- 誰とでも仲良くなれるコミュニケーション力がある。
- 好きなことには没頭してしまい、誰にも負けない知識や技術を身につけられる。
周りからの声を聞いて客観的に見る
自分で自分の強みを見つけるのは、自信家でない限り非常に難しいです。
「自分ってそんなに凄くないし…」「凡人すぎて何もない」という人は、周りからよく褒められてきたことを振り返ってみましょう。
- みんなが相談しやすい人間性を持っている
- マイペースだけど地道にコツコツ頑張れる
- 効率よく仕事をこなしたり、計画的に行動する合理的タイプ
- ゆっくりだけど丁寧に確実に仕事をこなす
ダメな部分しか見えない時は、ポジティブ変換を意識する
自己分析をしても自分の「強み」がなかなか出ない時は、今感じている「弱み」を書き出してみましょう。
「強み」と「弱み」は紙一重です。捉え方次第では強みに変わるので、今感じているネガティブなものをポジティブ変換できないかを検討してみてください。
・すぐに飽きる→好奇心旺盛
・挑戦する勇気がない→安定型思考でリスクマネジメントが得意
・せっかち→対応が早い、決断が早い
・我が強い→芯が強い
・面倒臭がり→効率的、合理的
・視野が狭い→集中力がある
・マイペース→周囲に流されない
・負けず嫌い→向上心が強い
・人見知り→慎重に人間関係を築く
どうしても短所になる部分は、どのように補っていくかも考えられるとgood!
これやったら不採用決定!自己PRで注意すべきNG例
自己PRでよくやりがちな失敗例は「具体的なエピソードがない」「ありきたりなエピソード」です。
面接官はオリジナルエピソードを期待しているので、自分らしい自己PRを心がけましょう。
具体的なエピソードがない
自己PRの説得力を増すために、具体的なエピソードは必須です!
相手に伝わる(=その光景がイメージできる)話し方もポイントであり、5W1Hの要素を入れると伝わりやすくなります。
【5W1H】
When(いつ)
Where(どこで)
Who(誰が)
What(何を)
Why(なぜ)
How(どのように)
個人情報を漏らさない程度に、疾患名や患者の性格・年齢など必要な要素を入れるとイメージしやすくなります。
伝える時の流れは「結論」→「理由」→「具体例」→「結論」の4ステップでわかりやすく簡潔に伝えましょう。
ネットで引っ張ってきたありきたりなエピソード
面接でよく聞かれるのがネット上にあるようなありきたりなエピソードです。
面接官は何十人ものエピソードを聞いています。特に産業保健師などの競争率が高い時は、印象に残らないと不採用になってしまいます。
・臨床現場で培った患者とのコミュニケーション力
・他職種との連携
・家族ケア など
上記のようなエピソードを用いても良いですが、自分の思いや工夫したこと等を入れて、他の誰にも真似できないような自分なりのエピソードにしましょう。