産業保健師は、とても人気のある職業で求人数が少ないので、病院面接とは違い内定を貰うハードルが高いのも事実です。
看護師は受けたら内定が貰える比較的楽な就活ですが、企業の面接って堅苦しいイメージがあって不安ですよね。今回は、実際の倍率や面接の状況など経験談を通してわかったことを紹介します。
◇実際に受けた企業の面接内容、倍率、給料、面接官
◇不採用になった理由
◇良い企業の見極め方

Hana|産業保健師ブロガー
大学病院小児科3年
産業保健師4年目
第一種衛生管理者
【情報発信中】
・未経験からの産業保健師転職
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・美容・健康・ダイエット など
\ 感想・口コミをまとめました /
産業保健師選考の流れ・倍率

産業保健師を目指している方は非常に多いです。看護師の転職とは違い、選考段階が多く、内定までに長い時間がかかります。簡単に選考の流れと倍率をまとめました。
産業保健師の面接の流れ
企業が50~100名と多数の中から面接候補者を厳選します。
現職の保健師や直属の上司(課長)と面接をします。
適正検査やグループ面接なども行われます。
ここでは、社長や支店長などトップの人と面接をします。
基本的に個別面接です。
ようやく採用が決定します。
長くて2~3ヵ月かかります。
産業保健師の倍率が高くなる時期
【産業保健師の倍率】
(夏~冬)5~10倍 (春)100倍
倍率は様々ですが、人気の求人は50~100倍となることもあります。特に4月からの春採用は受験者が増加します。
産業保健師:大手企業の面接体験談

今回は、私の面接履歴をご紹介します。
・保健師の面接ってどんな感じなの?
・何を聞かれるの?
・倍率ってどれくらいなの?
・どんな人が受けているの?
企業面接が初めての方に向けて、私が実際に体験した面接の詳細です。
①大手ものづくり業界(製造業)
倍率 | 5倍(5名中1名採用) |
体制 | 保健師2名 |
年収 | 300万程度 |
面接官 | 常駐産業医2名、人事1名 |
企業の特徴 | 製造業、工場内に事務所あり |
条件 | 未経験OK、保健師資格必須 |
受験者の特徴 | 20代女性が多く、未経験者・経験者どちらもいた |
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通勤1時間半でしたが会社のことなんて分からないまま、初めてエントリーするところだったのでとりあえず受けてみました。
今後ご縁があれば一緒に働くであろう保健師の方はとても好印象な方で、挨拶だけでもすごく良い印象がありました。しかし、保健師は面接官ではありませんでした。
面接中、人事の方は一般的な面接でした。しかし、常勤の産業医がこだわりのありそうな方。私は相性が合わなさそうなイメージを受け、面接を頑張るのを辞めてしまいました。
②大手ものづくり業界(製造業)
倍率 | 40倍(40名中1名採用) |
体制 | 保健師3名 |
給料 | 月30万円~ |
面接官 | 保健師2名(50~60代女性) |
企業の特徴 | 高層ビルの中にあるオフィス |
条件 | 未経験OK、男性保健師大歓迎、保健師資格必須 |
受験者の特徴 | 1次面接(病棟勤務30代男性、産業保健師1年目30代女性) |
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ここはわりとしっかりとした面接の流れがありました。
書類審査⇒1次面接(個人面接・集団面接)⇒2次面接
60歳近い方々で、看護師長っぽい雰囲気がありました。
1次面接に行けたのは10名いないくらいです。面接日も3日ほどに分かれており、私が受けた日は他に2名いました。そして、集団面接もありました。
集団面接の項目
『志望理由を一人ずつ言い、3人で話し合ってください。テーマはありません。』
テーマがありません。
年齢も経歴もバラバラな3名です。小児経験しかなく、経験豊富な30~40歳のベテランに挟まれ、話す内容が合わずに萎縮してしまい、ほとんど発言できずでした。
まず、テーマがない事自体が話しづらかったです。結果はもちろん不採用でした。
不採用理由は、協調性がないから。
私は協調性のあることが唯一の自己アピールポイントでした。何のテーマもない話し合いでは自分の意見が持てず、発揮できませんでした。
協調性を見たかったのだと思いますが、そうであればちゃんと場の設定をすべきではないか?と思いました。
このような会社は、入職して頑張っても評価されないかも…そう思い、前向きに次の転職先を探し始めました。協調性が私の長所だと自信を持っていたので気にしていませんでした。
面接官もプロではない!
企業に入ってから人事と関わることが多く、「採用に失敗した」「面接だけじゃその人がどんな人かなんてわからないよ」という声も聞きました。不採用だったからといって、落ち込む必要は全くありません。
③大手物流業界(物流)
倍率 | 6倍(6名中1名採用) |
体制 | 保健師1名 |
給料 | 月30万~ |
面接官 | 看護師1名、人事課1名 |
企業の特徴 | 物流倉庫内の事務所 |
条件 | 未経験OK、保健師資格必須 |
受験者の特徴 | 詳細聞けず不明 |
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勤務されている方が定年退職とのことで後継者募集でした。
面接自体は1時間で、健康管理室で行ったので面談のような雰囲気でした。人事の方も「あまり丁寧な言葉を使わないでくださいね」と言ってくださり、良い印象でした。
ですが、面接の最後の質問コーナーで企業と自分の方向性の違いを感じました。

今後の目標や目指しているところは何ですか?

今はメンタルが増えてきていることが課題です。メンタル系の病気になることをなくすのはできないと思う。だから、病気になった人の復職率を上げていきたいですね。
私の意見としては以下の2つです。
①メンタルが多い会社は健康経営の意識が低い。
②精神疾患はできるだけはやいうちにケアすることが必要。
メンタルヘルスが多い=ブラック企業。健康管理を重視していないという判断材料にもなります。
ブラック企業は保健師の働きかけがかなり必要になります。そして、会社側も保健師の重要性を感じておらず、雑用を押し付けられたり、うつ状態にある社員に気づいていても、保健師に繋げてくれなかったりと大変苦労します。
かなり行動力がないと企業を変えるには難しく働きにくさを感じます。
精神疾患は発症してしまうと何十年とかけても完全に治すことはできず、一生付き合っていかなければなりません。
だからこそ、発症前に予防することが大事と思っていたので、意見の不一致で不採用となりました。
より説得力のある説明ができていれば、この人に任せたいなと採用となったのかもしれません。
産業保健師の面接を受けて感じたこと
・企業によってはブラックなところもある
・正社員採用の場合は自分に合っている会社か見極めも重要
面接はおよそ1時間、話していくうちに雰囲気をつかめます。求人数が少ない中で自分に合った職場を見つけるのは難しいですが、きっと自分に合った最高の職場が見つかるはずです。
心が折れそうになったら、この記事を読んで元気を出してもらえると嬉しいです。