コロナ禍以降、企業は在宅勤務を取り入れるようになり、フルリモートを維持し続けている会社も出てきました。
産業保健師は完全な在宅勤務は難しいですが、週2~3回の定期的な在宅勤務日を取り入れている企業もあり、介護や育児との両立がしやすい環境が整っています。
実際、私も在宅勤務を定期的に実施した経験があり、メリット・デメリットをそれぞれ感じることがあります。
「在宅ではどのような仕事をしているのか?」
「在宅勤務は働きやすいのか?」
「電気代はどれくらい増えるのか?」
など在宅勤務のリアルを紹介していきます。
在宅勤務が可能かどうかは企業によって異なりますが、女性にとって働きやすい条件がかなり揃っているので、ぜひ今後の参考にしてください。
在宅でできる産業保健師の業務内容

産業保健師の業務は在宅でできるものとできないものがあります。
従業員の個人情報を自宅に持ち帰ることができないため、できることは限られています。在宅で行える業務は主に事務作業です。
しかし、コロナ禍でリモート化が進んだことで、オンラインの体制も整って面談も可能となってきました。実際に特定保健指導の面談はオンラインでやっている企業が多いです。
- 記録(面談、健診結果、治療状況など)
- オンライン面談(主に特定保健指導)
- 健診結果の統計処理
- 面談の日程調整
- 産業医面談の調整
- リモート会議

会議は全てリモートで行えるため、在宅で参加しています。
在宅勤務ではできないことも多く、在宅でできることはなるべく在宅で行うように業務を振り分けて調整しています。
特に健康診断の事後フォローはオンラインでも可能ですが、対面面談を行う方がより効果的であるため、出社日に調整するなど業務の仕分けが必要です。
個人情報を取り扱っているので、個人情報の持ち出しは基本NGです。
電子カルテで会社のノートパソコンを持ち帰ることができれば、在宅勤務は可能です。
出社が必要な産業保健師の業務

産業保健師の業務の中でも、会社に出社しないとできないこともあるため、フルリモートは厳しいです。
以下のような業務はリモートで行うことはできません。
- メンタル疾患を持つ人の面談
- 健康診断の実施
メンタル疾患はオンラインで話すことは可能ですが、相手の表情やしぐさ、雰囲気などから情報を得てコミュニケーションを上手くとることが大事です。
そのため、直接会って対面で行うのがベストです。
また、健康診断は巡回健診の場合、セッティングや後片付けが必要です。健康診断の準備期間は出社する必要があります。
当日も健診機関と連携を取る必要があるので出社することが多いです。

フルリモートの仕事がしたい人は、個人で開業するか、またはシステムエンジニアになることをおすすめします。
参考:看護師から転身!プチ起業を叶えるロードマップ
参考:看護師から一般職に転職できるおすすめエージェント
産業保健師の在宅勤務によるメリット

在宅勤務は出勤時間を削減できることが大きなメリットです。
・朝の時間をゆっくり過ごせる
・自分の自由な時間が増え、家事にゆとりができる
・朝の準備が不要
在宅に必要な物品は全て会社負担
自宅にPCやWi-Fiがない方は、会社側が準備し費用を負担してくれるので安心してください。
・ノートPC
・Wi-Fiの購入
・オンライン会議等で必要なヘッドセットやカメラ
自宅用やプライベートでは使用しないように注意しましょう。
その他作業環境を整えるために購入したデスクや椅子などは個人負担となります。

ローテーブルしかない場合は腰や首を痛める原因となるため、あらかじめ揃えておくことをおすすめします。
自分の自由な時間が増え、家事・洗濯にゆとりができる
通勤時間の短縮により自分の時間が増えることも最大のメリットです。
朝の通勤時間が削られる分、朝食の準備や片付け、洗濯や掃除などの家事に時間を使うことができるので、スッキリとした朝を迎えることができます。
また、業務の休憩時間を利用して洗濯物を取り込んだり、掃除したりできるのも家庭を持つ女性にとっては嬉しいです。

在宅勤務は、介護や育児をしながら働く女性の味方です!
朝の準備が不要【着替え・メイク・お弁当の準備不要】
業務開始直前まで自由に時間を使うことができるため、これまで大変だった着替え・メイクの時間も短縮できます。
ズボラ女子は5分前起床でトップスだけきちんと着替える人もいます。外に出ないので部屋着で比較的落ち着いた身なりでいられるのも良いですね。
また、昼食用の弁当を作る必要がないのも非常に嬉しいです。
一日中自宅にいるため、作り置きしておいたものやお昼休憩にサクッと自炊して昼食がとれるので、健康的な食生活になります。

業務開始時と終了時のみメールにて上司へ報告をするだけなので、朝が苦手な人にとっては幸せかもしれません。
産業保健師が在宅勤務をするデメリット

在宅勤務が理想、という女性は非常に多いですが、在宅勤務は良いことばかりではありません。
在宅勤務ならではの辛さや大変さを感じることもあります。
・仕事のオン/オフの切り替えが難しい
・集中力が続かない
・デスクなど環境が整っていないと身体に負担がかかる
・完全在宅勤務ではないため、物品を持ち帰るのが大変
・電気代がかかる
仕事のオン/オフの切り替えが難しい
普段は職場に行くと仕事モードになりますが、在宅だと仕事感がなく、なかなか切り替えが難しいです。やらなきゃと思っていても、だらけてしまいます。
また、周囲の監視の目もないため、お昼寝をつい長くしすぎてしまったり、テレビをつけてしまったりと集中ができないことで悩む人も多いです。
《対策》
・在宅でも部屋着から着替える
・食卓でやるのではなく、仕事スペースを別に作る
・テレビや携帯電話は目に入らないようにする
集中力が続かない
在宅は誘惑が多いです。テレビや携帯だけでなく、お菓子などつい手にとってしまい油断するとだらけてしまうこともあります。そのため、集中力が続きにくく、時間はあるけど仕事がはかどらなくなってしまいます。
《対策》
・家族がいる場合は、一人になれるスペースを確保する
・お菓子を食べて良いとする休憩時間をきっちり決めて取る
デスクなど環境が整っていないと辛い
一人暮らしでローテーブルのみの場合は、長時間座っての作業がかなり辛いです。腰痛や肩こりがひどくなり、作業に支障が出ます。
私も、普段作業している場所だから大丈夫だろうと思っていましたが、職場環境が整っていないと身体的に負担がかかり腰痛はとてもひどくなりました。在宅用に作業用デスクを購入しました。
職場環境の問題は集中力低下の原因にもなりますので、できる限り環境を整えましょう。
《対策》
・仕事専用のデスク・椅子を用意する。
・身長に合った机の高さ、椅子の高さにする。
完全在宅勤務ではないため、ノートパソコンなど必要物品を持ち帰るのが大変
産業保健師は在宅でできることもあれば、出社しないとできないこともあります。そのため、在宅日は必要な物品を全て毎回持ち帰る必要があります。
ノートパソコンや会社携帯、資料等を持ち帰るにはかなり重く、保育園へのお迎えなどが加わるとさらに大変です。
さらに、個人情報を持ち帰る際は上司の許可が必要であり、持ち帰る個人情報の届けを毎回出さなければなりません。これが本当に面倒です。
在宅勤務の準備をする時間がとられてしまい、余計な仕事が増えてしまったのは間違いありません。在宅勤務でもデメリットは意外と多いです。
電気代がかかる
在宅勤務をすると自宅にいる時間が増え、PCや会社用スマホの充電、冷暖房などにより電気代が上がります。
電気代節約のために我慢する人もいますが、冬場や夏場は冷暖房をつけていないと仕事に集中できず、生産性を下げてしまう可能性があります。
企業によっては「在宅勤務手当」として月3,000〜5,000円支給されます。
在宅勤務による電気代は月4,000〜5,000円が平均であるため、自己負担分は軽度になりますが、東北や北海道など冬の時期に暖房やストーブが欠かせない地域は不利になる可能性が高いです。ご注意ください。
保健師でフルリモートができる仕事
中小企業へ特定保健指導を実施する業務委託会社はフルリモートの実現が可能です。
しかし、正社員ではなく派遣扱いとなっていることが多いです。
給与は時給制ではなく、実施回数に基づいた歩合制です。実際にあった単価を紹介します。
初回面談 | 1回 | 約5,000円 |
電話支援 | 1件(30分) | 約1,000円 |
支援別で価格が異なる場合もあります。
動機づけ支援 | 1名 | 10,000円 |
積極的支援 | 1名 | 27,000円 |
会社によって異なるので、事前に確認をしましょう。
また、派遣でフルリモートを理想とする人は多いですが、実際にやってみると「全然稼げない」という声もあり、働きにくいと感じる人もいます。
・業務依頼がない場合は、実施回数が減るため稼げない
・中断者が多く、電話支援で稼げない
・自分の体調不良等で働けない時は、稼げない
一般の派遣よりもさらに収入が不安定になることから、フルリモートでも辞めていく人は多いです。
リモートワークに興味のある人は、転職サイトに登録し、求人を探してみてください。

安く買える!在宅用おすすめデスク
コスパ良く揃えたいという人は、山善のデスクがシンプルで使い勝手良くおすすめです。
女性らしいオシャレなデスクが良いけど、使いやすいものが良いという人は、BURAYIENTAがおすすめです。机が大きく、資料を置いたりメモをするスペースも確保できます。
【まとめ】産業保健師の在宅勤務のリアルを大暴露
産業保健師は在宅勤務も可能で、実際に取り入れている企業はいくつかあります。
在宅勤務にもメリット・デメリットがそれぞれあります。
病院では考えられない働き方ですが、在宅勤務も慣れると介護や育児と両立させたい女性にとって理想の環境です。
在宅勤務をやってみたい!という方は、ぜひ企業への転職を考えてみてくださいね。
