産業保健師は基本的に定時で帰宅できます。
年に数回ほど残業することもありますが、ほぼ定時で帰宅しプライベートとの両立がしやすいお仕事です。
残業になる理由は?何をしている?
残業がない生活はどんなメリットがあるの?
早く帰宅した時の時間の有効活用方法とは?
病棟勤務の看護師(とくに急性期病院)はこのような質問が多く聞かれます。病院は残業があたりまえで、定時帰宅なんて何回経験したかな?と数えるくらいかと思います。
私も産業保健師になるまで、残業はあたりまえだと思っていましたが、企業は残業を減らす取り組みを全力で行っています。
本記事では、産業保健師の残業が少ない実態をリアルなイメージができるように解説しました。ぜひ視界を広げて、残業のない生活を求めてみてはいかがでしょうか?
産業保健師の残業は少ない!リアルな調査結果
産業保健師の残業時間についてのアンケートを行い、92名の産業保健師の方に回答いただきました。
調査結果は以下のとおりです。

産業保健師の1ヶ月平均残業時間のアンケート調査結果は、残業なしが46%、残業10時間未満が35%とほとんど残業はありません。
しかしながら、健康診断など保健師がメインとなるイベントがあると、繁忙期は10~15時間/月(1年のうち2ヵ月ほど)と若干の負担が増えます。
その他にも看護師同様、緊急対応や突然の相談が来れば、当然対応をしなければならないため残業となることがあります。
どんな理由で残業になるのか?
・健康診断が夜遅い時間まであるとき
・突然の相談が入った時(メンタル対応など)
・終業直前に従業員が怪我や体調不良を訴えたとき
産業保健師の残業が少ない理由は主に3つ

1.労働基準法の法律に則り、残業はできない
残業時間は法律で決められており、一定の基準を超えると以下の対応が必要になります。
100時間/月以上は産業医の面談が必須
企業によっては80時間/月以上で面談希望者は、保健師が面談を実施する場合があります。
保健師は、長時間勤務者に対して健康管理の面で保健指導を実施します。
そのため、保健師が残業していては会社に残業を減らすようなことを強く言えなくなってしまいます。
従業員の安全・健康を守るためにも、保健師は自ら残業をしないことが重要です。

残業が月1時間以上あると指導が入るくらい厳しい職場もあります。
2.フレックスタイム制の導入
フレックスタイムをご存知ですか?
病院ではありえないシステムですが、近年、多くの企業で導入されています。
フレックスタイムとは・・・
一定の期間についてあらかじめ定められた総労働時間があり、その範囲内で働く時間を自由に決めることができる制度です。例えば、ある1カ月に働く時間が160時間と決められていた場合、1カ月間の合計が160時間になれば、1日10時間働く日や、5時間で仕事を切り上げる日があってもよいということになります。
産業保健業務の中でも一番残業になりがちなのは健康診断です。
従業員の就業時間に合わせて早朝や夜遅くに実施されることが多く、この影響で残業が増える場合がありますが、フレックスタイム制度を利用して残業をゼロにすることができます。
例えば、健診が16時~21時まである時は、出勤時間を正午からにするなど、調整することができます。
あらかじめスケジュールが決まっていれば、出勤時間を調整できるので体力的にも楽になります。
3.自分の采配である程度スケジュールが決められる
病院では患者さんのスケジュールに合わせて看護師が動きますが、産業保健師は基本的に自分でスケジュールを決めて仕事を進めていきます。
そのため、突然の呼び出しや仕事が増えるといったことは本当にまれです。
【具体的な年間スケジュール例】




産業保健師はこのようなスケジュールで動いており、忙しくなりすぎないように調整をしています。
毎日面談や健康企画の予定を入れてしまうとキャパオーバーになってしまうので、自己管理力が必須です。
定期的にゆとりある日を作り、記録や事務仕事をする日を決めて集中して作業をしたり調整します。
残業が少ないと趣味や副業に時間を使える

日常的に残業がないと自分に使える時間が増え、たくさんのメリットがあります。
使い方は人それぞれですが家族の時間にしたり、趣味や副業をする時間にも使えます。

私はブログ記事を作成したり、読書をしたりとゆっくり過ごしています。
産業保健師の残業が少ない理由とまとめ
産業保健師の残業の実際についてをまとめました。
急性期病棟で働いていた時と大きく変わり、残業がない生活を楽しんでいます。
残業が少ない理由としては、以下の3つ。
①法律で決められているから
②フレックスタイム制が導入されているから
③自分の采配でスケジュールを入れられるから
残業を減らすことで、身体的負担が減り、ストレス発散する時間もあるので精神的にも余裕が生まれます。
病棟勤務で「残業が多すぎる」という方は、今後の働き方について考える良いきっかけになればと思います。
産業保健師に興味を持った人はぜひこちらの記事「未経験から産業保健師へ転職する方法」を参考にしてください。