世間では産業保健師は楽だという声が多く聞かれますが、実際どうなのか?
看護師から産業保健師に転職した私の経験から言えば、自分に合っている職業や職場環境であれば楽だと感じます。それは産業保健に限らず、看護師でも同じです。
産業保健師に転職し、こんなはずじゃなかった・・・と失敗する人も非常に多く、週3回のパートに切り替えたり、他の企業へ転職する人も多いです。狭き門を突破しようと一生懸命頑張ったのに、失敗は避けたいですよね。
今回は産業保健師が楽だと感じる理由と失敗しない転職のコツを解説しています。
Hana | 産業保健師ブロガー
・未経験からの産業保健師転職
・辛い看護師を乗り切るコツ
・美容・健康 など
産業保健師は楽なのか?
一般的に産業保健師はラクだというイメージが強いです。実際に看護師から転職した経験から、私は楽だと感じます。そして、周りの同僚も「看護師と比較すれば楽」という声は多くみられます。
しかし、産業保健師を経験してみると「全然楽じゃない」という声も多く聞かれます。企業によって業務量、会社の協力体制、産業保健にかける予算が全く違うのもあります。
それ以外にも、産業保健は積極性や自立性が重要であり、それが苦手な人は自分自身が産業保健に合っていなかったという人もいます。
産業保健師が楽だと感じる理由
様々な業界の産業保健師でも、楽だと感じる人はいます。その理由は「自分に合っている職業だから」ということです。
自分の資質(強み)を理解していて、働く環境や人間関係が自分の理想に近い状態だとストレスを最小限に抑えることができ、生き生きと働くことができます。
自分に合った職業・職場を見つけるためには、自分自身の強みを理解していないとミスマッチが起こり、辛いと感じてしまいます。今の環境を変えたい、転職したい、と考えている人は自己分析に時間をかけましょう。
・自分が好きなこと
・自分が得意なこと
・何をしている時が一番楽しいか
・どんな環境だと向上心が生まれやすいのか など
産業保健師への転職は「楽したい」わけではない
産業保健師に転職した人のほとんどが「看護師やりたくない」「楽をしたい」で転職をしています。
それは、決して悪いことではないのです。
なぜなら、「看護師が過酷なだけ」だから。
私は産業保健師になり、2社経験しました。そこで企業のイメージや「働く」ということ自体の考え方がガラッっと変わりました。
【一般に働くということは】
・毎日ハラハラするような大きなストレスを感じていない。
・成長して会社の利益を上げるために働く。
・時間に追われてキャパオーバーになることがない。
・帰宅しても「今日大丈夫だったかな、失敗していないかな」という不安がない。
・やりたい!行動したい!と思えると楽しく頑張れる。
企業を経験し、社員と関わっているうちに、「看護師は、なぜこんなに過酷な現場なのだろう」と感じるようになりました。命と隣り合わせなのにもかかわらず、業務に余裕もない。
毎日走り回っているうえに、精神的にも追われている。この状況で「楽をしたい」というのは当たり前なのです。
「楽したい」をポジティブワードに変換すれば、志望理由として自信を持って伝えましょう。
では、どのように言い換えたら良いのか。
「プライベートを充実させたい」
「生き生きと働きたい」
これで悪い印象はなくなります。
言い方の問題であり、これにプラスして産業保健師になりたいと思う理由を伝えることができればOKです。
看護師から産業保健師へ転職した人の志望理由
看護師から産業保健師を目指す人は、主に以下ような思いがあります。ぜひ、志望理由の参考にしてみてください。
- 生活習慣病で命を落とす人が減ればいいのに、と思っている
- 予防可能な病気になった大人が、余命宣告されて後悔しているのを見ると辛い
- 日本の将来が不安。少子高齢化が大きく進み、医療費が増大しすぎていて、絶望を感じる
- 不規則な生活習慣を止めたいという話をよく聞くが、実際に実行できている人は少なく、もどかしさを感じている
上記のように、日常生活での何気ない会話や看護師経験から感じていることはそれぞれあります。
「楽をしたいから」という理由だけでは企業に採用してもらえませんが、他にも目指す理由がどこかしらにあるはずです。
自分が人と関わってきたなかで、産業保健師をやりたい、と思ったきっかけやヒントがあると思います。これまでの経験を見直し、志望理由を明確にすることで、面接で活用してみてください。
面接で話した私が保健師を目指した志望理由
私は、看護師へなりたいという強い意志はなく、もともと保健師志望でした。なかでも、なぜ産業保健師になりたかったか、以下のような理由があります。
- もともと保健師を目指していた。
- 大学時代の演習で、企業で健康教育をして楽しかった。
- 小児科を経験し、原因不明または遺伝性の病気で頑張っている子たちがいるのに、大人は生活習慣が引き金となって病気になり、後悔をしている。予防できるものは予防して後悔をする人を減らしたい。
- 医療費が高くなりすぎている。透析は1年で400万以上。日本の将来がもうすでに見えない。
- 平均寿命は延びているが、健康寿命を延ばし年をとっても元気に楽しく暮らせる人が増えてほしい。
- ブラック企業が減って、働くイメージがポジティブなものに変われば、生き生きと生活できる人が増える。そして、生産性の向上につながるので企業の支えになりたい。
楽したい理由以外にも、産業保健を目指したいと思った理由が見つかると、面接でも自分の意思を上手く伝えることができます。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
産業保健師は楽なのか?その理由まとめ
産業保健師は、自分の強みが伸ばせる環境であれば楽だと感じます。また、企業の協力体制や予算の確保、人間関係にも左右されますが、産業保健師に向いている人は乗り越える力があるでしょう。
そして、看護師から産業保健師への転職を考えている人へ伝えたいことは、「楽したい」という理由の裏には、ポジティブな要素も含まれているということ。
仕事を頑張りたい、心身ともに安定した状態で生き生きと働きたいという気持ちでも目指す価値はあると思います。
このブログでは産業保健師になりたい人へ、私の経験を通して転職ノウハウをお届けしています。ぜひ参考にしてください。