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産業保健師のやりがいとは?現役保健師が語る5つの感動の瞬間

産業保健師のやりがいとは?現役保健師が語る5つの感動の瞬間
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産業保健師は、病院で働く看護師に比べて「命を救う場面が少ない」「やりがいを感じにくい」というイメージを持たれがちです。

しかし実際に現場で働いてみると、産業保健師には従業員一人ひとりの人生を大きく変えられるという、臨床現場とは違った大きなやりがいがあります。

組織を動かして企業の成長を支えたり、従業員が元気に働く姿を一番近くで見守れたりすることこそ、産業保健師の醍醐味です。

この記事では、産業保健師として4年間働く中で実際にやりがいを感じた瞬間と、「やりがいを感じにくい」と言われる理由、そのギャップをどう乗り越えればいいかを紹介します。

  • これから産業保健師を目指してみたいと考えている方
  • 今、産業保健師として働いているけれど、やりがいを感じられていない方

このような人にとって、少しでも「やって良かった」と思えるヒントになれば嬉しいです。

目次

産業保健師がやりがいを感じる5つの瞬間【経験談】

私が産業保健師として働く中でやりがいを感じやすいのは、主に次の5つの場面です。

  • 重篤な病気や合併症を未然に防げたとき
  • 働き方を調整したことで従業員の生活が安定したとき
  • 休職していた従業員が元気に復職できたとき
  • 提案した職場環境の改善が実際に採用されたとき
  • 従業員や上司から直接「ありがとう」と言われたとき

それぞれ、実際にあったケースを交えて紹介します。

① 重篤な病気や合併症を未然に防げたとき

40代男性のAさんは、健康診断結果で高血圧が指摘され、保健指導面談を行うことになりました。

面談で血圧を測定すると180/140と、かなりの高値。Aさんは「2年前まではそこまで高くなかったから、ダイエットすれば下がるだろう」と楽観的でしたが、何度測定しても数値は変わりません。

運転業務があったため、その場で業務を中止し、すぐに病院を受診してもらいました。産業医の判断で血圧が下がるまで運転業務は中止となり、精密検査の結果、生活習慣の改善と内服治療が必要と分かりました。

1週間後、血圧は安定し、業務も再開できました。あの場で対応していなければ、いつ脳卒中などの合併症を起こしてもおかしくない状態でした。Aさんだけでなく、その家族の生活も守れたと思うと、心からほっとした瞬間でした。

② 働き方を調整したことで従業員の生活が安定したとき

糖尿病は自覚症状が出にくいまま進行することが多く、血糖コントロールが不良な状態が続いてしまう方が少なくありません。

私が関わったBさんもHbA1cが12〜13台で、三大合併症が出始めていました。本人に話を聞くと、「仕事が忙しくて食事の時間がとれず、低血糖が怖くてインスリン注射も打てない」とのこと。

このままでは働き続けられる体ではなくなると考え、上司に業務量の調整を相談しました。

上司は医療の専門知識がなかったため、合併症のリスクや低血糖の危険性を詳しく説明したところ、「Bさんには長く活躍してもらいたいから、しっかり休憩や治療の時間を取れるようにする」と協力してもらえました。

業務量を調整した結果、Bさんは適切な治療を継続できるようになり、数値も改善。「不安なく生活できるようになった」と話してくれたBさんから、なかなか聞けない「ありがとう」の言葉をもらえたことは、今でも忘れられないやりがいの瞬間です。

③ 休職していた従業員が元気に復職できたとき

メンタルヘルスの不調や体調不良で休職した従業員が、無理なく職場に戻れるよう支援するのも産業保健師の大切な役割です。

復職前は本人も「またうまく働けるだろうか」と不安を抱えていることが多く、主治医・産業医・上司との間に立って情報を整理し、業務量や働き方を段階的に調整していきます。

復職後、フロアで以前と変わらない様子で元気に働いている姿を見かけると、「本当に良かった」と心から思える瞬間です。

一人で不安と向き合っていた従業員の背中をそっと押せたことは、産業保健師でなければ味わえないやりがいだと感じています。

④ 提案した職場環境の改善が実際に採用されたとき

産業保健師の仕事は、個人への対応だけではありません。健康診断の結果や面談で見えてきた課題をもとに、衛生委員会や上司に職場環境の改善を提案することも重要な業務です。

たとえば、長時間労働が続いている部署の実態を産業医とともに報告し、業務分担の見直しや休憩時間の確保につながったことがあります。

一人の従業員への対応だけでなく、組織全体の働き方を変えられたときは、産業保健師として大きな手応えを感じます。

地味で目立たない活動の積み重ねですが、こうした提案が実際に会社の制度として採用されると、「自分の活動が組織を動かした」という実感が得られます。

⑤ 従業員や上司から直接「ありがとう」と言われたとき

産業保健師は、従業員から「ありがとう」と言われる機会が病院の看護師より少ない仕事です。

だからこそ、面談や相談のあとに「話を聞いてもらえて楽になった」「今日相談して良かった」と言ってもらえたときの喜びは大きいものです。

健康面の不安だけでなく、仕事や人間関係の悩みを聞くこともあり、従業員にとって会社の中で安心して話せる存在になれていると感じられた瞬間は、何度経験しても嬉しいやりがいです。

産業保健師はやりがいを感じにくいと言われる理由

ここまで紹介したような場面はあるものの、産業保健師は病院の看護師に比べてやりがいを感じにくいと言われることも事実です。理由は主に2つあります。

命が助かったと実感できる場面が少ないから

病院の患者さんは、体のどこかに不調があり「なんとかしてほしい」と治療を求めて来院しています。

一方、産業保健師が関わる従業員の多くは、高血圧や脂質異常症など自覚症状のない段階で健康診断にひっかかった人たちです。

「このままで大丈夫」と思っている人がほとんどで、命を助けてもらったという感覚を持たれにくいのが現実です。

そのため、直接「ありがとう」と言われる機会は少なく、やりがいを実感しづらい場面が多くなります。

従業員は健康を求めてではなく、仕事をしに来ているから

病院の患者さんは治療を目的に来院しますが、会社の従業員はあくまで仕事をするために出社しています。

健康になりたくて出社しているわけではないため、産業保健師が積極的に介入しても「もうほっといてくれ」「余計なお世話だ」と言われてしまうことも少なくありません。

感謝よりも拒否される場面の方が多くなりやすいことも、やりがいを感じにくい理由の一つです。

やりがいを感じられないときに意識したい考え方

産業保健師は感謝される機会が少なく、「人を助けた」という実感を持てる時間が病院の看護師より少ないのが特徴です。

しかし、産業保健師の活動は、臨床現場よりも多くの人の健康を陰で支えています。

  • 病気にならない、何も起こらないのが一番良い状態
  • 病気を発症したとしても、最小限に抑えられている

「やりがいがないな」「役に立てていないな」と感じたときは、この2点を思い出してみてください。

一つひとつの保健指導や受診勧奨、健康教育が、目には見えにくい形でたくさんの人を救っています。

私は対象者と話すとき、「悪くならなくて良かったですね」「今、対処できて良かったですね」という言葉を意識して伝えるようにしています。

感謝されることだけがやりがいではなく、こうした小さな変化に自分で気づけることも、産業保健師として働き続けるうえで大切な視点です。

まとめ|産業保健師のやりがいは自分で見つけるもの

産業保健師は、病院の看護師と比べると「命が助かった」と実感できる場面や、感謝される機会が少ない仕事です。理由は以下の2つでした。

  • 命が助かったと実感できる場面が少ないから
  • 従業員は健康を求めてではなく、仕事をしに来ているから

しかし、重篤な病気の予防、働き方の調整による生活の安定、復職支援、職場環境の改善提案など、産業保健師には組織と個人の両方に働きかけられる独自のやりがいがあります。

「何も起こらなくて良かった」
「これで安心して働き続けられる」

この小さな積み重ねこそが、産業保健師のやりがいです。

産業保健師として働いてみたい、もう一度やりがいを見つけたいと感じた方は、ぜひ次の記事も参考にしてみてください。

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