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看護記録SOAPのわかりやすい書き方と時短のコツ

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看護師業務で、残業の一番の原因となっている「看護記録」

学生時代からうんざりするくらい、実習で大量の記録を書いてきましたよね。

なぜ記録が必要なのか?
こんなに書く必要はあるの?
記録がなければ残業も減るのに・・・

忙しいにも関わらずきちんとした記録が求められていることに疑問を感じたこともありますよね。

記録の必要性から残業を減らす時短技までご紹介します。

目次

看護記録の書き方「SOAPのキホン!

看護記録SOAPのわかりやすい書き方と時短のコツ

SOAPとは、患者さんの看護問題において看護師が情報収集しアセスメントした結果を記録するものです。

S(subjective)主観的情報
O(objective)客観的情報
A(assessment)評価
P(plan)計画

S(subjective):主観的情報

患者さんが訴えていることを記載します。
患者さんや家族が話した内容などから得られた情報。

例:患者さんが発した言葉・訴え、自覚症状、家族が話した思いなど

Sは患者さんの会話を要約せず、そのままを記載します。
例:「手術したところの傷が痛んで眠れなかったです。」

O(objective): 客観的情報

患者さんの発言以外のもの。
観察項目(目で見たもの、耳で聞いたもの、五感を使って得たもの)や検査・測定などに得られた情報。

例:検査データ、バイタルサイン、患者さんの表情、症状など

A(assessment): 評価

SとOの情報から何が問題だと考えたのか
もしくは、問題がないとしたらなぜそのように判断したかがアセスメントになります。

例:患者さんは今どういう状態なのか、今後考えられる問題

《一番重要》
アセスメント部分は最も重要。簡潔にまとめるには初めは難しいです。
「~だと思われる」は主観が入っているので「~と考えられる」「~の可能性がある」と記載すること。

P(plan): 計画(治療)

A(アセスメント)に基づいて決定した計画を記載します。
具体的に治療の方針・内容、生活指導、必要なケアなど何をすべきか細かく記載します。

例:2時間ごとのバイタルサイン、術後創部の観察、安楽肢位への体位変換など 

看護師の記録の目的

看護記録SOAPのわかりやすい書き方と時短のコツ

看護記録を書く目的は以下の3つです。

①24時間継続した看護を行うため
②医療スタッフと情報共有するため
③医療事故、インシデントが発生した際の事実確認や証拠となるため

①24時間継続した看護を行うため

入院している患者さんは、24時間継続した看護を必要としています。しかし、1人の看護師がずっと同じ患者さんを看ることはできないので、日勤帯、夜勤帯で交替をして看護を提供しています。

患者さんの引き継ぎ事項は申し送りがありますが、それは簡潔にまとめた内容であり、足りない情報は補う必要があります。

申し送りは主に最近のものばかりで、入院初期の情報は省略されます。記録から拾って足りない情報を補いましょう。

②医師やその他医療スタッフと情報共有するため

看護師間の情報共有は申し送りで最低限のことは行われます。しかし、申し送りに参加していない医師やリハビリスタッフ、薬剤師などは情報共有をカルテを通して行うことが多いです。

それぞれ専門的な立場での意見が記載されているので、よりよい医療を提供することに繋がります。

例えば、脳梗塞で体に麻痺のある患者さんの看護を行う時、手足の動き方リハビリスタッフが評価し、症状の進行度医師が評価します。それをもとに看護を行います。

看護師は普段の患者さんが生活で困っている動作をリハビリスタッフへ伝えることで改善策を見つけたり、新たな訓練を入れたりすることがあります。

このように、医療は多職種と情報共有し連携をすることでより良いものを提供していきます。

医療事故、インシデントが発生した際の事実確認・自分を守るため

医療事故やインシデント発生時には非常に大切です。

薬の飲み忘れのインシデントが発生した場合を例に考えてみます。
薬は余っていることが発覚した場合の対応です。

【記録で確認できること】
・いつ飲ませていなかったのか
・いつから数がずれていたのか
時系列でさかのぼって確認することができる。

患者さんへ適切に投薬できなかった影響を最小限にするための対応ができます。

また、発生した時の経過をたどることで今後の事故防止にも繋がり、患者さんへ正しく投薬できるよう対策を行うことができます。

記録は自分を守るためでもあります。
ミスが起こった時に、看護師が正しい行動をしていたとしても、患者さんの虚偽報告があることも。

虚偽報告があると、ケアを実施した看護師が悪くなくても責められることがよくあります。

記録をしっかり記入することで、証拠として残すことができ、万が一訴えられた時の為にもなります。

まとまりのある記録が書ける3つのコツ

記録をより意義深いものにするためには、短時間で正しく記録することが重要です。

・看護記録のルール

看護記録SOAPのわかりやすい書き方と時短のコツ

①SOAPは1日回は記入すること

SOAPは必ず1日1回は入れること。
(病院によっては午前・午後の2回記録するきまりがあります)

これはその日の患者さんの全体像を把握し、適切な看護を行うために何が必要かを判断する機会にもなるからです。

②観察項目は上から下の順番で書くこと

Oの観察項目の際に、身体の上から下の順番(例:頭→顔→肺→お腹→脚→全体)で書くと非常に見やすくなり、記録漏れを防ぐことができます。

③経時記録は項目ごとに細かく記載をする

項目例:食事介助・入浴介助・点滴投与・採血等の処置・検査介助

検査介助や処置に入った時などは時間、バイタルサイン、患者さんの反応など細かく記入します。必ずケア後の患者さんの反応を入れましょう。

・単語やテンプレート登録で時短、効率化

観察項目のワードはPCに単語登録をしておくと時短になります。
(例:SPO2など英語になるもの、上部消化管内視鏡検査など文字数が多いもの)

また、自分である程度テンプレートを作成しておくと毎回構成を考える時間も短縮され、残業を減らすことができます。

アセスメントから書くと綺麗にまとまる

・何を見て、どう考えて行ったかがわかる内容であること
・看護師、その他医療スタッフなど誰が見てもわかる内容であること

一番重要な部分は、先程もお伝えしたようにAの部分のアセスメントです。記録内容がまとまらず、なかなか書けないという方はAから記載しましょう。

それから、Aに記載した自分がなぜこう考えたのか、判断要素を書き入れるとまとまった文章になります。

「自分が行ったことで患者さんの反応はどうだったか」「今後何が必要か」を考えて記録します。

まとめ

看護記録は患者さんの安全を守り、適切な看護を行うためには必須です。SOAPはしっかり書く癖をつけておきましょう。

・SOAPは「A(アセスメント)」部分が一番重要
・看護記録の目的は情報共有、医療事故発生時の自分を守るため
・記録がうまく書けない場合は「A(アセスメント)」部分から記載し、裏付けとなる要素をS・Oを記載する。

初めはひとつ書くのにも時間がかかりますが、慣れてくると頭でアセスメントしながらケアができるようになるため、記録もスムーズに書けるようになります。

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