【保健師業務/特定保健指導】動機付け支援の目的と効果的な指導方法

 こんにちは、Hanaです。前回、積極的支援の指導ポイントについて紹介しました。
 今回は特定保健指導の動機付け支援についてまとめました。

・どのように指導したらいいの?
・積極的支援との違いはなに?
・今の指導方法で良いのか不安
・保健指導をしても効果が得られない
・計画を立ててもなかなか実行してくれない

このように保健指導について悩んでいる方に向けて、普段から工夫している保健指導方法を現役産業保健師が自分の経験をもとにご紹介します。

目次

動機付け支援の目的

 対象者の具体的な行動への「やる気」を引き出すことです。「これなら実行できそう」「これをやれば良くなりそう」と思えた時、やる気が起こりやすいです。

「楽しそう」「前から気になっていた」なども行動へのきっかけになります。保健師は本人がどんな努力をしているのか、主体性を十分に尊重することが大切です。

動機付け支援のポイント

①できそうなこと、実行したら良さそうなことを一緒に探す
②本人のこれまでの努力に注目をする
③保健師は自己選択ができるようにきっかけを提供する
④気持ちは変化しやすいので、固定化してみないようにする

ありのままを受け入れること
 対象者を批判せずに、ありのまま受け入れましょう。保健指導は指導者と対象者の信頼関係が大切です。「この人が言うならやってみよう」と思ってもらうことで行動に繋がることもあります。

説得させようとしないこと
 無理に相手を変えようとしてしまうと、本人のやる気を喪失させてしまいます。習慣を変えるのはあくまでも本人。習慣を変えてみようという本人の気持ちが芽生えないと行動に繋がらないので、説得は時間の無駄です。

信頼関係を築くコツ

支援ポイント①指導ではなくカウンセリングする気持ちで取り組む

 保健指導は「検査結果が悪かったから、痩せたほうがいい」といったスタイルになりやすいです。まず「指導」という言葉自体が上から目線です。

習慣を変える指導とは、本人の主体性を引き出して自己決定を促すこと。指導というより、カウンセリングに近いです。

支援ポイント②五感を磨いて相手のメッセージを受け取る

 コミュニケーションで対人関係は決まります。コミュニケーションには言語的だけでなく、非言語的コミュニケーションを上手く使って対象者の全体を捉えることが大切です。

非言語的コミュニケーション:表情、動作、姿勢、身振りなど
準言語的な要素:声の調子、話し方、強弱など

 対象者の表情や声のトーンにも注目して対象者のメッセージを受け取りましょう。

支援ポイント③相手への共感を長期的な視線で信頼関係を築く

 まずは相手の話に耳を傾けましょう。相手が話している間に、表情や動作、声のトーンなどから気持ちを聴き取りましょう。相手の発言を繰り返し、確認をすることで共感ができ、相手のために考えていることを伝えられると、信頼を得ることができやすくなります。

動機付け面接法(MI技法)

今のままでは良くない状態である人が、良い方向に変わることを手助けする方
法です。自分(患者様)が変化する事への動機を引き出すのに効果的なコミュニケーション法

>>参考:医療スタッフのための動機づけ面接法 逆引きMI学習帳 [ 北田雅子 ]

相手の準備性をどのようにキャッチするかが鍵になる!

習慣を変えることはストレスにもなり、実行するのは本人です。だからこそ、その人自身が習慣変容をどう思っているのかが決め手となります。

【ポイント】
・やる気のある人、ない人、グレーゾーンの3段階に分ける
・健診結果をどう受け止めているか確認する
・これまでの努力や今心掛けていることを把握する
・「忙しい」は最大の言い訳。時間がなくてもできることを提案してみる

支援ポイント④行動変容ステージを3段階に振り分ける

まずは、相手が「やる気なし」「グレーゾーン」「やる気あり」のどの段階にいるかを振り分けます。細かく質問をして評価するよりも、面接時の表情や態度、健診結果の受け止め方でおおよその見当がつけられます。

こんな質問をしてみよう

「健診結果をご覧になっていかがでしたか?」
「今までご自分で工夫されたことや努力されていることはありますか?」
「今何か心掛けていらっしゃることはありますか?」

これらの質問をすると短時間でおおよその判断ができますよ。

支援ポイント⑤「忙しい」は最大の言い訳!疲労の対処法から入ること

 「忙しいから無理」はよく使われる言い訳です。残業時間、帰宅時間の追及ではなく、確認をしましょう。多忙な時ほどちょっとした息抜きが疲労回復に有用であることや、短時間にできるストレッチ、通勤時間を活用した歩行など提案してみるのも良いです。

実行可能な目標を立てる方法

・過去の努力したことや本人の意向を確認する
・努力すれば70%達成可能なもの
・実行すれば効果が期待できるもの
・具体的で明確な行動
・継続できそうなもの
・具体的な例をいくつか提示して選択させる

「間食を減らす」というあいまいな表現ではなく、「ポテトチップスを週4から週2に減らす」といった具体的な数字を入れると行動しやすく、評価もしやすいです。目標設定では、本人がこれまでに行ったことをヒントに考えてみると行動に繋がりやすいです。

以前努力したけど効果がなかったという人には・・・

・挑戦するだけでも効果が期待できると説明する。
・以前の経験から失敗しやすい状況をピックアップして解決方法を一緒に考える
・過剰な期待を抱いていないか確認をする
・生活改善による緩やかな減量の重要性を強調する

支援ポイント⑥まずは健康に関心があることを評価する

以前努力していたことを評価する。このような人はもともと健康への関心を持っています。また、「簡単に減量したい」といった大きな期待もあるのかもしれません。

支援ポイント⑦「何をしてどうなったのか」具体的に尋ねてみる

 以前行ったときの状況を再度思い出してもらいます。そうすることで、実際はどうであったか明確になります。「何がリバウンドのきっかけだったか」を明確にすることで危険な状況を洗い出すことができます。

支援ポイント⑧目標は緩やかな減量であることを伝える

 半年間で初期体重、腹囲の5%減少という一般的な目標がありますが、比較的緩やかで無理のない生活習慣の改善で達成できる場合が多いことを伝えましょう。そして、減量が無理なら「今より太らない」ように現状維持するだけでも、何もせず太り続けるよりずっと良いことであることを理解してもらいましょう。

まとめ

特定保健指導の動機付け支援の保健指導方法ポイントについてまとめました。動機付けは、対象者自身が自己で継続できることが重要です。具体的な行動目標を決め、改善できるよう周囲の環境を整えることも大切になります。

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