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もう「押しつけ」とは言わせない!相手に届く保健指導のコツ【アサーション】

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初対面の人と面談をする時、お互いに緊張しすぎて話が詰まってしまうことはありませんか?

保健師の面談は最初の雰囲気や関係性づくりが重要で、最初の掴みができていれば格段にフォローしやすくなります。

対象者と数回の面談で信頼関係を構築するのにアサーションは欠かせません。

今回は「この保健師になら話せる!」と対象者に思ってもらえるようなアサーションの具体例を紹介します。

面談の序盤で使うと効果的なので、相手に配慮した声掛けを行い、信頼関係を構築しましょう!

目次

「アサーション」で対象者が話しやすくなる理由

保健指導におけるアサーション活用

アサーションとは、一般的には「自己主張」を意味するものです。

ただし、ここでのアサーションは以下のような意味を示します。

自分の考えや気持ちを率直に、かつ、相手の立場も尊重しながら伝えること

保健師が自己主張するだけでは、対象者は鬱陶しさを感じたり、拒否したりと逆効果になります。

そのため、保健指導では対象者の立場を理解した上で上手に自分の意見を伝えることが重要です。

今回は、保健師面談における対象者との関係構築に役立つアサーションの例をいくつか紹介します。

信頼関係の構築は保健活動に欠かせないので、ぜひ今後の保健指導のスキルアップに活用してくださいね。

保健師面談におけるアサーションの4つの役割

保健師面談において、アサーションは4つの役割があります。

①対象者が安心して話せる場を作る
②対象者の自己肯定感を高める
③保健師の意図も丁寧に伝える
④共感と身長のベースを作る

この役割を理解すれば、対象者が話しやすい雰囲気を作ることができるようになります。

これから一つずつ紹介していくので、アサーションの重要性を知り、保健師にとっても対象者にとっても良い保健指導ができるようにスキルアップしていきましょう。

相手が安心して話せる場をつくる

アサーションは対象者が緊張しすぎず安心して話せる場を作るのに効果的です。

「あなたの話をちゃんと聴きますよ」という姿勢を、言葉で示す

保健師が傾聴する態度をしているつもりでも、相手に伝わっていないことがよくあります。

「保健師面談=ネガティブなもの」と考えている人も多いので、あえて言葉にして伝えることで、誰にでも安心感を与えられる保健師になれます。

相手の自己肯定感を高める

アサーションを意識することで、対象者の自己肯定感を高めるのに繋がります。

対象者の自己肯定感が高まると自分の意見やこれまでの経験談、悩みなど本音を話しやすくなり、根本的な問題にアプローチすることができます。

「自分の気持ちを尊重されている」と感じられる

保健師の面談は「指導される」「怒られる」など悪いイメージがついていることが多いため、相手の意向をきちんと把握した上で関わることを示すことが大切です。

対象者が最初から拒否的な態度でいるとフォローが難しく長期戦になるので、アサーションを意識して相手が自ら話せるような雰囲気作りをしましょう。

保健師の意図も丁寧に伝える

アサーションを意識することで、保健師の意見を対象者に丁寧に伝えることができます。

対象者の話にも耳を傾けつつ、自分の思いも丁寧に伝えることで素直に受け入れてくれるようになります。

「無理に話してほしいわけじゃないです。あなたのペースでいいんです。」という説明をする。

保健指導をしても「とりあえず聞いておけばいいや」「聞いても従わないから」と対象者が拒否的な態度であれば時間も労力も無駄になってしまいます。

せっかく保健指導の機会を設けているのですから、アサーションを活用し対象者にメリットのある保健指導を実施しましょう。

共感と慎重のべースを作る

面談で共感と慎重のベースができると、保健師が対応しなければならない困難ケースにおいても長期的な関わりが可能になります。

長期的な支援関係にも良い影響を与える

例えば、糖尿病やうつ病、難病など生涯付き合っていかなければならない疾患を持っている場合、ベースとなる信頼関係を築き、長期的な関わりが必要です。

結果的に対象者の症状改善や満足度の高い生活への支援ができるので、保健師のやりがいにもなります。

保健師面談の現場で使える!アサーション例

保健師面談では、様々な目的でアサーションを活用します。

例えば以下のような6つの目的があります。

・自己開示を交えた共感
・目的を明確に伝える
・相手の気持ちを尊重する
・ポジティブな観察を伝える
・対等な立場を示す

どれも保健指導に効果的な声かけができるようになるので、これから紹介する例を参考に現場でも実践してみてください。

自己開示を交えた共感的アサーション

私も初めての面談って少し緊張します。〇〇さんも緊張されているかもしれませんが、リラックスして話せるようにしたいと思っています。

私も以前、仕事が忙しくてつい食事を抜いたり偏ったりしてしまったことがあります。そういうときって、なかなか自分の健康に目が向けられないですよね。でも、○○さんがそう感じるのも自然なことだと思います。

このように保健師も「人」であることを示すことで、相手にも安心感を与えます。

自分の経験を交えることで距離を縮め、相手が安心して話せるよう促すことがポイントです。

目的を明確に伝えるアサーション

今日は〇〇さんの健康のことを一緒に考えるために、いろいろお話を聞かせていただけたらと思います。

今日は、健康診断の結果をふまえて、○○さんが今後も無理なく働き続けるために、どんな工夫ができそうか一緒に考えられたらと思っています。

このように面談の目的と安全な場であることを伝え、相手の緊張を和らげます。

初めに保健指導の「目的」を伝えることで、相手が構えずに話を聞きやすくなります。

具体例のように「あなたのために考える時間です」と伝えると、押しつけではない印象になります。

相手の気持ちを尊重するアサーション

話したくないことは無理にお聞きしませんし、ご自身のペースで話していただけたら嬉しいです。

忙しい中で時間を作ってここに来てくださったこと、本当にありがたいです。今の生活スタイルも、○○さんなりに工夫されているのが伝わってきます。

このように否定せず、まずは相手の努力や状況を受け入れる姿勢を示します。

相手の自己決定権を尊重する姿勢が伝わり、信頼関係を築きやすくなります。

変えられない背景や苦労に寄り添い、現状を認める姿勢がポイントです。

ポジティブな観察を伝えるアサーション

お顔の表情から、今日は少しお疲れかもしれませんね。お話ししながらでも、少しでも楽になれたらと思っています。

お話を聞いていると、○○さんはとても前向きに自分の体のことを考えているように感じました。それってとても大切なことですよね。

このようにポジティブな面を伝えることで相手をよく見ているというメッセージが伝わり、共感的な関係が生まれます。

相手の行動や態度の中から良い点を具体的に見つけて伝えましょう。

対等な立場を示すアサーション

私も専門的な立場ではありますが、〇〇さんご自身のことは〇〇さんが一番よくご存知だと思っています。一緒に考えていけたらと思います。

私は専門職としてお話しさせていただいていますが、最終的に決めるのは○○さん自身です。私たちは一緒に考えるパートナーとして関われたらと思っています。

対等な立場であることを示すメッセージは、一方的な指導ではなく「協働する姿勢」が伝わります。

「上から目線」ではなく、並んで考える姿勢を示すことが信頼関係のカギになります。

保健指導と聞くと上から指示される、ダメなところを指摘されるマイナスイメージがつき、初めから拒否的態度になる対象者は非常に多いです。

同じ立場で一緒に考えていく姿勢を示すと、相手の受け入れが良くなります。

【まとめ】保健指導で使えるアサーション

成人に対する保健指導では、相手の多忙な日常や責任を理解し、信頼関係を築くことが第一歩です。

アサーションの技法を活用することで、相手を尊重しながら自分の意見や支援の意図を率直に伝えることができます。

働く成人の方は「干渉されたくない」「現実的じゃない提案は聞きたくない」と感じやすいため、こうしたアサーティブなアプローチが特に有効です。

日々の支援の中で、ぜひアサーティブな声かけを意識し、相手の自己決定を支える対話を積み重ねていきましょう。

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