「看護師を辞めて起業したい」
そう考えたことはありませんか?実際、私の周りでもそう話す看護師は年々増えている印象です。
ただ、正直に言うと、本当に起業まで辿り着けた人はごくわずかなんですよね。
私自身は看護師、保健師を経て独立しましたが、振り返ってみると保健師時代に企業というビジネスの世界にたまたま触れる機会があったから、起業へのハードルが人より低かっただけだと思っています。

もし病院だけで働き続けていたら、今の自分はなかったかもしれません。
医療業界だけにいると、ビジネスの景色を知るきっかけがそもそもないんです。だからこそ「起業したい」と思っても、何から手をつけていいのかわからず、一歩を踏み出せないまま終わってしまう人が多いのではないでしょうか。
この記事では、看護師が起業でつまずきやすい理由を私の実体験も交えながら分解し、そこからどう考え方やマインドを変えていけばいいのかをお伝えします。
具体的な起業アイデアそのものより先に、まずは土台となる考え方から一緒に整理していきましょう。
看護師の起業はなぜ「難しい」と言われるのか
看護師から起業したい、独立したいという声は、SNSを見ていても本当によく目にするようになりました。
ただ、その割に実際に起業できている人は驚くほど少ない気がしませんか?私も含めて、周りで「起業した」と胸を張って言える看護師はほんの一握りです。
「起業したい看護師」は増えているのに実現できる人が少ない現実
看護師の副業や独立に関する情報は、数年前と比べて格段に増えました。
それでも、実際に事業として形にできている人はごくわずかなんですよね。
これはやる気や能力の問題というより、看護師という職業がそもそもビジネスの世界から遠い場所にあることが大きいと私は感じています。
医療業界と一般企業、そもそも「働く目的」が違う
病院と企業では、働く目的そのものが根本的に違います。この違いを理解しないまま「起業したい」と思っても、なかなかイメージが湧かないのは当然だと思うんです。
病院は治療が目的、企業は利益が目的という決定的な差
看護師として働いているとき、「病院の経営のために患者を増やさなければ」なんて考えたことはまずないですよね。
看護師長や看護部などマネジメント層以外は、病棟の運営そのものを意識する機会がほぼないんです。
一方で企業は常に「お客様に選ばれ続けるにはどうするか」「ライバル社に負けないためにはどうするか」という経営目線で動いています。
特に営業職は数字を見ながら会社の利益を意識して働いているので、この差は本当に大きいですよ。
看護師は”経営”に触れる機会がほとんどない
こうした環境の違いによって、看護師は経営という感覚に触れないまま何年もキャリアを積んでいくことになります。
だから「独立しよう」と思っても、実際に何から始めればいいのかわからず、そこで足が止まってしまう人が多いのではないかと思うんです。
看護師が起業でつまずく3つの原因
「じゃあ具体的に何が足りないから起業できないの?」と聞かれたら、私は3つの原因があると答えています。
あなたにも、この中のどれかひとつは心当たりがあるんじゃないでしょうか。

原因1|周囲に起業している人がいない(ロールモデル不在)
医療業界は働き方こそ多様化しましたが、結局のところ病院や医療業界の中に留まっている人がほとんどなんですよね。だから起業しようと思っても、身近に相談できる人や参考にできる人がいないのが現実です。
一般企業、特に中小企業やスタートアップだと経営者との距離が近く、日常的に会社のお金の流れや意思決定を目にする機会があります。
でも病院の場合、病棟運営に関わるのは看護師長、病院経営に関わるのは看護部だけ。お金がどう回っているのかを知る機会自体が、そもそも与えられていない特殊な環境なんです。
原因2|お金の回り方・ビジネスの仕組みを知らない
正直、私も最初は「お客様にサービスを提供して、その対価として利益を得る」という当たり前の仕組みすら、感覚として理解できていませんでした。
医療の現場では対価という感覚があまり必要とされないので、これは無理もないと思います。
ビジネスの基本は、実はとてもシンプルです。
・お客様の悩みを見つける
・その悩みを解決するサービスや商品を提供す
・対価として利益を受け取る
・その利益でさらに事業を成長させる
この循環がイメージできていないと、起業という選択肢自体がずっと「よくわからない未知のもの」のままなんですよね。
原因3|「何から始めればいいかわからない」という情報不足
看護職の起業というと、開業保健師を目指す人をよく見かけます。ただ、開業保健師協会の起業塾でしっかり学んだとしても、実際に開業まで辿り着けた人はほんのわずかだと聞きます。
これは学ぶ場所がないからではなく、ビジネスの世界そのものにガッツリ浸かる経験が不足しているからだと私は考えています。
知識をインプットするだけでは、一歩を踏み出す勇気にはなかなか繋がらないものなんです。
起業できる看護師とできない看護師の違い
ここまで原因を並べてきましたが、じゃあ実際に起業できている看護師とできない看護師では、何が決定的に違うんでしょうか。
私が見てきた中で感じるのは、才能や資金力よりも、もっと手前にある「習慣の差」なんですよね。
経営者・個人事業主との距離が近いかどうか
起業できている看護師は、意識的にでも無意識にでも、経営者や個人事業主と接点を持っていることが多い印象です。

私自身、保健師時代に企業という組織の中で働いていたことで、経営という視点が自然と身近にありました。
これは特別なことをしていたわけではなく、ただ「病院の外側にいる人たち」と関わる時間があっただけなんです。
それだけでも、起業に対する心理的なハードルはかなり変わってくると思いませんか?
医療業界の”外”を見る習慣があるかどうか
起業できない看護師の多くは、悪気なく医療業界の中だけで情報収集を完結させてしまっています。これは責められることではなく、むしろ看護師という仕事の特性上、自然なことだと思うんです。
ただ、起業に近づいている人は、意識してその外側に目を向ける習慣を持っています。
・SNSで個人事業主やビジネスパーソンのアカウントを見る
・自分が普段使っている商品やサービスの背景を調べる
・ビジネス書や企業のニュースに触れる
・医療以外の業種の知り合いと話す機会を作る
こういった小さな習慣の積み重ねが、じわじわと差になっていくんですよね。
「悩みの解決=ビジネス」という視点を持てているか
もうひとつ大きいのが、「ビジネスとは誰かの悩みを解決することだ」という視点を持てているかどうかです。
看護の仕事は本来、患者様の悩みや苦痛に向き合う仕事なので、実はこの視点自体は看護師にとって決して遠いものではないはずなんです。
それなのに、病院という枠組みの中にいると、その視点を「ビジネス」に変換する発想がなかなか生まれません。
目の前の商品やサービスを見たときに「これは誰のどんな悩みを解決しているんだろう」と考えられるかどうか、これだけでも起業への近さはかなり変わってくると私は感じています。
看護師が起業マインドを身につける具体的な方法
ここまで読んで「じゃあ結局、何をすればいいの?」と思っていませんか?
正直、特別なスクールに通う必要も、いきなり大金を投資する必要もないんです。私が実際にやってきたことをベースに、今日からできる方法をお伝えします。

個人事業主・経営者と接点を持つ(SNS・コミュニティ・副業)
まずは医療業界の外にいる個人事業主や経営者と、何らかの形で接点を持ってみてください。
今はSNSで気軽に発信している個人事業主も多いので、フォローするだけでも十分な一歩になります。
・どんなビジネスを展開しているアカウントなのか
・どんな人がそのアカウントに集まっているのか
・何を売り、何を提供して対価を得ているのか
こういう視点でアカウントを眺めてみると、今まで見えていなかったビジネスの構造が少しずつ見えてくるんですよね。
お金の流れを学ぶ(ビジネス書・企業研究から始める)
私は副業を始めた頃、ビジネス書を読み漁ることでお金の流れをようやく理解できるようになりました。
大企業の仕組みは書籍でも詳しく解説されていることが多いので、身近な題材として学びやすいと思います。

私は「スターバックス」が成功している例や「無印良品の店舗の工夫」を書籍で学びました。日常では気づかない視点が面白く感じました!
自分が好きな企業や、普段よく利用しているサービスを一つ選んで、その会社がどうやって利益を出しているのかを調べてみる。これだけでも、案外面白い発見があるものですよ。
身近な商品・サービスを「誰の悩みを解決しているか」で見る癖をつける
普段使っているコスメや食品、利用しているサービスを見るときに、「これは誰のどんな悩みを解決しているんだろう」と考える癖をつけてみてください。
最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れてくると自然とビジネスの視点で世の中を見られるようになります。
医療業界以外の情報源に触れる時間を意識的に作る
正直、忙しい看護師の仕事をしながら新しい情報に触れる時間を作るのは簡単ではありません。
ただ、通勤時間や休憩時間の数分だけでもいいので、医療以外のニュースやビジネス系の発信に触れる時間を意識的に確保してみてください。

この積み重ねが、数か月後、数年後の視点の広さに確実に繋がっていきます。
私が看護師→保健師→起業できた理由(実体験)
ここまでいろいろと方法をお伝えしてきましたが、「結局あなたはどうやって起業したの?」と気になっている方もいるんじゃないでしょうか。ここからは私自身の実体験を、少し具体的にお話しさせてください。
保健師時代に企業というビジネスの世界に触れていたこと
私はもともと大学病院で看護師として働いていました。その後、実は1年ほど何も肩書きのない、いわゆるニート期間を経て、産業保健師として企業に転職することになります。
産業保健師という仕事は、病院とは全く違い、企業の中で働く保健師です。
健康診断の結果を見ながら従業員の健康をサポートするのですが、同時に人事や総務といった部署の人たちと関わる機会も多く、会社がどうやって回っているのかを間近で見ることになったんです。
また、起業している人にひたすら出会い、話を聞いたり働いている姿を目の前で見て、「こんな身近な人でもできるなら、自分にもできるかも」と感じたのを覚えています。
この経験がなければ、今の自分は正直なかったと思います。
副業でビジネスを学んでから独立を決断した流れ
産業保健師として働きながら、私は看護師のキャリアブログを立ち上げ、副業としてSNS発信を始めました。

最初から独立するつもりだったわけではなく、単純に自分の経験を発信してみたかっただけなんですよね。
ただ発信を続けるうちに、Webマーケティングの知識や、読者の悩みに向き合う視点が自然と身についていきました。
そして副業で得た知識やスキルがある程度形になったタイミングで、ようやく独立を決断できたんです。順番としては、いきなり起業ではなく「副業でビジネスの筋トレをしてから独立」という流れでした。
副業禁止・副業バレの不安との向き合い方
看護師は副業禁止と言われることが多く、私自身も副業バレを恐れていた時期がありました。でも、その不安に負けて一歩を踏み出さなかったら、間違いなく今の自分はいなかったと思います。
もちろん闇雲に進めたわけではなく、きちんと対策をした上で副業を続けてきました。副業バレの不安は多くの看護師が抱えている悩みだと思うので、この点については看護師の副業はバレる?副業禁止の理由と副業バレを防ぐ方法でも詳しく解説しています。
よくある質問(FAQ)
まとめ|看護師の起業は「マインド」を変えることから始まる
ここまで、看護師が起業を難しく感じる理由と、そこから抜け出すための考え方についてお話ししてきました。
改めて振り返ると、看護師と一般企業の間には、働く目的や経営への関わり方において大きな溝があるんですよね。
- 病院と企業では、そもそも働く目的が違う
- 周囲にロールモデルがいないことが、起業への一歩を重くしている
- お金の流れやビジネスの仕組みを知らないと、起業はずっと未知のまま
- 医療業界の外に目を向ける小さな習慣が、起業マインドの土台になる
- 知識よりも先に、マインドを変えることの方が実は近道
私自身、看護師から保健師、そして起業という道を歩んできましたが、特別な才能があったわけではなく、ただビジネスの世界に少しずつ触れる機会があっただけだと思っています。

あなたにも、今日からできることはきっとあるはずです。
「起業アイデアそのものが知りたい」という方は、実際に看護師がどんな起業や副業をしているのかをまとめたこちらの記事も参考にしてみてください。


