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【リアルな体験談】小児科看護師は辛い!過酷な現場を乗り越えるコツ

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小児科看護師は成人病棟にはない大変さが詰め込まれています。

子どもへの関わり方、治療拒否の対応、家族への対応、安全に考慮した治療、成人の2倍以上かかる処置などがあります。

子どもが可愛い、子どもが好きだけでは続けられないのが小児科看護師です。

しかし、子どもに癒されたり、医師や他スタッフと協力して行う看護は楽しく、何より子どもの成長を見届けられることの嬉しさを感じることもでき、小児科でしか味わえない素敵な経験ができます。

今、小児科看護師をしていて過酷な現場に悩んでいる人のために、少しでも解決できるような記事を書きました。

リアルな経験談から、小児科看護師を乗り越えるコツを紹介しています。ぜひ参考にしてください。

目次

小児科看護師が辛いと感じる場面10選

小児科看護師は看護師の中でも特殊な分野で、通常の看護師の辛さとはまた違った辛さ、大変さがあります。

多忙で過酷な現場ではありますが、医師や同僚の看護師との協力体制はしっかりしていて、常に同じ方向に向かって取り組んでいます。

対象年齢の幅が広く、高い対応力が求められる

小児の対象は0歳からおよそ18歳までが対象と幅広く、子どもの理解度や発達段階も異なるためそれぞれの年齢に合わせた話し方やコミュニケーションの取り方など高い対応力が求められます。

乳幼児期症状や思いを言葉で伝えられない
学童期発言できるけど、うまく伝えられない
思春期反抗期で素直に伝えられない
青年期伝えることはできるが、周りへ気を遣う

上手にコミュニケーションが取れないからこそ、言葉だけでなく表情や態度、バイタルサインなどから瞬時に判断する力が求められます。

最初は大変ですが、経験年数が多いほど子どもへの対応力は向上します。

領域が広く、医師との連携も多い!

小児科は他の科と違い、全ての診療科の子どもが入院しています。

子ども専門病院は複数病棟に分かれていますが、総合病院や大学病院は全て同じであるため、全ての領域の知識が必要です。

消化器内科・外科循環器内科心臓血管外科
腎臓内科血液内科整形外科
代謝内科脳神経外科精神科
眼科耳鼻科形成外科
小児科の領域

内科・外科問わずどちらの対応も必要なため、それぞれの疾患の勉強をするのもかなり大変です。

それに伴い各診療科の医師が病棟にいるため、多くの医師と連携が必要であり、病棟内では記録用パソコンの取り合いが起きていることもあります。

このように業務への支障が出てしまうのも、残業が増える原因になっています。

子どもの体力は無限。とにかく体力勝負!

大人もですが、子どもはより入院や治療を嫌がり、どんなに小さな処置でも怖くて泣いてしまいます。

成長し、大きくなるにつれて体力もついてくるため、「採血が嫌だ」と拒否されたり殴られることもあります。

安全第一で行うため、採血やルート確保でさえも体を抑えることがあり、看護師側も体力を使います。

そして小児の処置は難しいため、時間も大人の何倍もかかります。思い通りにスケジュールをこなすことができないため、常にバタバタしており、一日の体力消費量はかなり大きいです。

治療以外にも子守りが必要

小児独特の業務ではありますが、乳幼児で家族の付き添いがない場合は保育士や看護師サイドで預かることがあります。

特に急変しやすい子どもや何かあった時にナースコールが自分で押せない小さい子どもが対象です。

基本的に家族の付き添いがあっても、他兄弟がいれば一時的に家に帰る必要があり、家族の外出中のみ預かることもあります。

そのため、子どもを抱っこ紐で抱えながら記録を書いたり、様子を見ながら記録を書くことも多いです。

看護業務以外の面でもやらなければならないことが多く、スタッフが足りないことがしばしばあります。

モンスターペアレントなど家族からのクレーム対応

家族からのクレームや無理な要求が多いのも小児科ならではの特徴です。

家族からしてみれば子どもは本当に大切で「宝」のような存在。

大切な子どもの命を預けている分、細かい要求やクレームが増えてしまうのもあります。

家族が安心して子どもを入院させられるよう、面会時に生活の様子や治療状況を伝えることも大切です。

治療中の子どもを見るのが辛く、好きだけじゃダメ

子どもが好きで小児科へ就職する人は多いですが、治療中に泣き叫ぶ子どもやたくさんの点滴に繋がれた子どもを見ると辛いと感じる人もいます。

小児科看護師はシビアな場面に直面することもあり、子どもが好きというだけで続けられる世界ではありません。

子どもの治療の様子を受け止めて、しっかり支援できるくらいの精神力も必要です。

どんな簡単な処置でも介助が必要

成人と大きく異なるのは、検査や処置全てにおいて2倍以上の介助が必要であること。

処置をする看護師に加えて、安全のために子どもの体を固定をしたりする看護師も必要で、2名以上の体制で実施することが多いです。

MRIや造影CT検査、大腸カメラや心臓カテーテル検査などの検査においても、鎮静処置や麻酔をかけることもあり、バイタルサインの管理がプラスされるため業務量が多くなります。

小児科は様々な面で手がかかるため、どの病院もバタバタとしています。

子どもの機嫌によっては処置が時間通りに進まない

成人であれば検査や治療を説明すれば、スムーズに時間通りに進めることができます。

しかし、子どもは理解度も様々で治療拒否するのはよくある光景です。

また、体も小さいため処置が難しいのもスムーズに進まない理由としてあげられます。

【現場でよくある例】
・処置に嫌がり、動くため一回で処置ができない
・血管が細く、採血やルートが確保しにくい
・治療拒否で説得するのに時間がかかる

このように成人では簡単に数分で終わる処置が1時間以上かかることもあります。

看護師だけではフォローできないため、医師もサポートに入ってくれることが多く、協力し合っています。

技術的なスキルアップができない

通常、採血やルート確保は医師よりも看護師が実施しますが、小児は特に難しいため医師が実施することが多いです。

採血は看護師サイドですることもあり、技術は上達します。しかし、ルート確保は難しく医師が実施するケースが多いです。

時間的にも実施することが難しく、経験の機会も減り、スキルアップができないこともあります。

次の職場へ転職するときに、技術に自信がないため苦手意識が強くなります。

医療ケアだけでなく、日常的なケアも多い

まだ自立できていない乳幼児から学童期は日常的なケアも多いです。

成人病棟のように介護士が在籍していることも少なく、保育士は在籍していますが、医療的な部分に関与するため安全面を考慮して看護師サイドで日常的なケアを行います。

発達段階に合わせた援助を行うのも大切なところです。

小児科看護師を生きるコツは、周りの協力を得ること!

小児科看護師は本当に大変で、子どもが好きなだけではやっていられない過酷な現場です。

今、働いていて悩んでいる人へ、長く続けるコツを紹介します。

・コミュニケーションのヒントは家族から得る
・わからないことは主治医に尋ねる
・家族の協力がどこまで得られるか確認
・スキルアップしたいなら転職も考慮

コミュニケーションのヒントは家族から得る

子どもの関わり方は一筋縄ではいかないところが難しいところ。

慣れない病院や入院は、子どもの緊張をいち早く解いてあげることが大切です。

コミュニケーションを上手にとるためには、家族から「普段の名前の呼び方」「関わり方」などを聞き、なるべく家庭に近い状態を作ってあげましょう。

わからないことは主治医に尋ねる

小児科は領域が広く、何年勤務しても勉強が追いつきません。

わからないことは自分で調べるのが基本ですが、山のように課題があるため、すぐに医師へ尋ねるようにしましょう。

医師は専門領域をメインに勉強しているのでもちろん詳しいですし、看護師の大変さは理解してくれていることが多く、優しく教えてもらえることが多いです。

安全に、正確に治療を進めるためにも、頼れる部分は医師に頼り、その場で解決できるようにしましょう。

家族の協力がどこまで得られるか確認

小児科はとにかく人手不足状態で、家族に協力してもらうことも大切です。特に以下の項目については、家族へ確認しましょう。

・どのくらいの時間、面会可能か
・どのくらいの頻度で面会に来られるのか
・付き添い入院はどこまで可能か
・食事や入浴介助は実施してもらえるか

付き添いに関しては各病院でルールが設けられているため、勤務している病院のきまりに従ってください。

スキルアップしたいなら転職も考慮

小児科病棟で経験できることはたくさんありますが特殊な分野なため、スキルアップには限界があります。

ある程度経験できて、一人前のことができるようになると成長が途絶えてしまうため、何か物足りない…と感じてしまいモチベーションが低下することもあります。

今以上に新しい知識や経験ができる職場へ勇気を出して挑戦してみましょう。

成人病棟への異動や転職は不安も大きいですが、子どもが見れたら大人もみれるので安心してください。

小児科看護師経験者でよくある転職の道はこちらの記事に詳細をまとめています。興味のある人は参考にしてください。

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小児科看護師が辛いと感じる現状と対応

小児科は「子どもが好き」「かわいい」だけでは乗り越えられない過酷な現場です。

焦らず、一つずつ解決し乗り越えていきましょう。今、異動や転職で悩んでいる人は、小児科看護師が向いているのか?も改めて考えてみてくださいね。

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