看護職で転職を考えている皆さん、保健師のお仕事ってどんなものかご存知ですか?
看護師と保健師は同じ医療職ですが、仕事内容は全く別物です。
保健師資格を持っているけど、ただの紙切れになってしまっている方
産業保健師/企業看護師を目指すか迷っている方
今後将来を考えていく看護学生の皆さん
上記の方に向けた記事となっています。
私が産業保健師を目指した理由や、看護師業務との違いについて経験をもとにまとめました。
ぜひ、今後の参考になればと思います。

Hana|産業保健師ブロガー
大学病院小児科3年
産業保健師4年目
第一種衛生管理者
【情報発信中】
・未経験からの産業保健師転職
・辛い看護師を乗り切るコツ
・美容・健康・ダイエット など
産業保健師/企業看護師を目指した9つの理由
私が産業保健師を目指した理由をまとめました。病棟看護師との違いや、産業保健師の一日をイメージできるかと思います。今後、転職活動時の面接対策の参考にもなるかと思います。これからの自分の生活をイメージしながら読んでみてください。
◆自分が仕事でダメになったから

急性期病院で働いており、毎日バタバタ働き、緊急対応に追われ、身体的精神的に疲れてしまいました。以下、私の病棟退職前の状況です。
1か月7~8割は頭痛で薬を飲んでいた
夜勤明けは毎日腹痛(過敏性腸症候群)
不規則な生活による睡眠不足
患者さんの目を見て話せなくなる、前で笑えなくなる
会話を最小限にして病室を離れてしまう
休みの日は一日中寝てしまう
出勤したら申し送り中に倒れることが増えた
ストレスが体に出たら注意!と言われますが、どう注意して良いかわからず悪化する一方でした。どんなにストレス発散法を試してみても、解決できなくなってしまった、それが転職しようと思ったきっかけです。
◆給料が高いから

企業によりますが、保健師手当がつく場合があります。私は月30,000円程度手当がついています。年収の相場は400~600万程度です。
夜勤がない分給料は減ると思われがちですが、看護師は資格もあり命と隣り合わせな仕事にも関わらず、日勤のみの給料は一般企業の正社員と同等(月18万~23万円程度)です。
スキルアップをして管理職までになれば、年収800万以上となることもあります。興味のある方は、ぜひこちらも検討してみてはいかがでしょうか。
◆身体的に楽だから

保健師とはいえ、健康診断の実施・特定保健指導・ストレスチェック・会議への参加など、一年中スケジュールはパンパンです。全従業員を対象とするため、多いところは1000人を持つこともあります。
一見大変そうに見えますが、自分の采配で仕事を進めることができるので計画を立てやすいのがメリット。

今日は疲れてるし、体調が悪いから明日頑張ろう!
これができるのでストレスを溜め込むことなく、比較的楽に働くことができます。また、看護師は頭も体もフルに使っていますが、保健師はデスクワークが多く、体力的には楽です。
◆残業がないから

保健師の仕事内容に「長時間勤務者の体調管理」が含まれています。そのため、保健師が残業をしていると長時間勤務者と面談をしていても説得力がなく、企業の力になれません。
保健師が会社に対して残業を減らすように忠告を入れても、なかなか聞き入れてもらえなくなります。
健康経営の考えに基づき、仕事しているので残業はあっても繁忙期に月10時間程度のところが多いです。残業がないと、アフター5も楽しめてその日にストレス解消できるので健康になります。
◆朝起きて、夜眠れる体調管理がしやすい

本来の人間の体に合わせて「朝起きて、夜寝る。」
本当にこれだけで体調が良くなります。病棟で勤務している皆さんは、4~5日勤をやってみると割と朝は辛くなく起きれて、体が楽になった気がしたことはありませんか?
女性は男性よりも自律神経が乱れやすいです。3日勤でさえも「連勤はつらい」と思いがちですが、自律神経が整うだけでも、スッキリします。

私はアラームが鳴る前に目が覚めるようになり、毎朝ゆっくりと過ごしています。寝る前は読書をして、落ち着いた状態で眠れるようになりました!
朝活をすることで、毎日の充実感が得られ、いきいきとした日々を送ることができます。自然と笑顔も増えるので、おすすめです。
◆話すのが好きだから

私は人と話すことが好きです。なんでも話すことで刺激が増え、笑顔が増えることでストレス解消になります。
病棟勤務されている方は、一人病室でやることもなく、ぼーっと過ごす患者さんを見た経験があるかと思います。刺激が少ないと退化するのみなので、人と話すことで常に刺激をもらい、自己の成長にもつながっています。
友人、先輩や後輩、入院している患者さんなどたくさんの人と話すことで、様々な人生経験を聞くことができ、非常におもしろいです。産業保健師は、社員の家族構成やこれまで生きてきた背景を考慮しながら保健指導を行います。

ここに来るまでは板前さんをしていたよ。だから、料理は好きなんだ!

昔はホストをやっててお酒をたくさん飲んでいたんだ。だから、肝臓のデータは悪いよ。

自衛隊をやっていたんだけど、今は太って100kgオーバーしちゃった。
これまでの人生経験など聞くと、このように驚きが連発です。ここでも自分の学ぶべきことがたくさんあり、楽しいです。産業保健師の醍醐味だなと実感します。
◆緊急時の対応は少なく、責任が重くないから

看護師は患者さん相手、命を扱うお仕事です。ひとつのミスも許されない、常に100点でないといけない世界です。ですが、産業保健師は緊急時の対応が少なく、比較的責任は軽いです。
もちろん、仕事中に脳出血や大動脈解離で突然倒れるケースもあります。予防に携わっている以上、できる限りのことはしないと「あの時もっと予防について話していればよかった」「もっと強く病院受診を勧めるべきだった」などと後悔をしてしまいます。
従業員の人生を守っているということを意識しておきましょう。
◆OLになりたいと思ったから

財布を持って、お昼ランチに行く女性に憧れたことはありませんか?
いつも街中で見て、すごくキラキラしていて楽しそうだなと思っていました。また、女性のスーツ姿がかっこいい。リクルートスーツしかもっていない私はダサさ極まりない。
企業ってどんな世界なんだろう、と思っていたのが始まりです。
世の中には数えきれないくらいの企業があるのに、医療の世界しか知らない私は世間知らずだなと感じていました。オフィスワークはコーヒーを飲みながら仕事ができて、これが最高に憧れていました。
◆健康オタクの集まりで、ポジティブだから

産業保健師は、健康オタクの集まりです。お昼にカップ麺やコンビニ弁当を食べているとかなり気まずいくらいです。また、ジムに通っていたり、運動好きな人も多いです。健康志向なだけあって、心も体も整っており、ポジティブな人が多いです。
仕事で愚痴を言うことが少なく、産業保健師は楽しんでやっている積極的な人が多いイメージです。残念ながら私は一人職場なのでワイワイはしていませんが、今後人員増員をしてもらうよう交渉中です。
まとめ
私が産業保健師を目指そうと思った理由をまとめてみました。
看護師からの「逃げ」から辿り着いた道ですが、天職だと感じています。採用されるまでかなり大変ですが、看護師免許があれば誰もが目指せるところです。