病棟看護師は業務量も多く、常に多忙です。そのような環境でついていくことができなくなり、精神的に病んでしまったり、将来が見えず3ヶ月以内で早期離職してしまう看護師もいます。
一般的に看護師はハードだと言われているように、時間管理が命となります。
しかし実習では一人の患者しか受け持たされず、入職して初めて複数の患者を受け持ち、多重課題に追われる壮絶な日々を過ごす羽目になり、絶望を感じる人が非常に多いです。
そこで上手く新人看護師を乗り切るためのコツは、ワークシートを上手に活用することです。
ワークシートは新人の頃から使い方をマスターしておくと、時間管理が上手くなり、デキる看護師になります。
今回は実際に大学病院看護師がやっているワークシートの使い方の基本を紹介します。日々の業務がスムーズにいかず悩んでいる人は、明日から使える内容なので参考にしてください。
ワークシートは看護師の時間管理に必須アイテム
ワークシートを使用する目的は、以下のように時間管理やミス防止など看護業務をスムーズに行うためです。
・情報収集の時短になる
・突発的なことをメモしてミスを減らす
・申し送り時に必要な情報を漏れなく伝えられる
ワークシートを作成することで、具体的にどのような場面で役立つのかを解説していきます。
情報収集や患者対応の時短ができる
ワークシートを上手に活用することで、頭の整理ができます。どこに何を記入すれば良いかが分かっていると情報収集する時に迷わず記入できるので時短になります。
また、どこに何が書かれているか分かっていると医師や患者に質問をされた時に、瞬時に返答できる対応力が身につくのも大きなメリットです。

先輩看護師から質問された時も、すぐに答えることができ、怒られるのを防げますね。
突発的なことをメモしてミスを減らす
看護師の仕事は突発的に大事な指示を入れられることがありま、頭で覚えておくだけでは不十分でいずれ大きなミスに繋がります。
看護や医療は一つも失敗が許されない特殊な業界です。バタバタと業務をこなしながら突発的なことも記憶しておくためには、メモは欠かせません。
しかし、メモしたことを忘れてしまうこともあります。
二重のミスを防ぐためにも、ワークシートの決められた場所に記入し、必ずこまめにチェックする癖をつけておくとミスを防ぐことができます。
申し送り時に必要な情報を漏れなく伝えられる
看護は24時間継続しなければなりません。そのために勤務を交替しながら看護しています。
勤務交替時に必ず次の勤務者へ申し送りをしなければなりませんが、新人や若手看護師は申し送りを苦手としていることも多いです。
そこでワークシートを活用することで、申し送りがスムーズにできるようになります。
・左から右に読むだけで時系列でわかりやすく伝えられる
・大事なことは赤字で記入することで漏れずに申し送りができる
頭の中が整理できていると、何を伝えなければならないのか、どう伝えたら良いかが明確になるので必要な情報だけを簡潔に伝えるスキルが身につきます。

これぞデキる看護師ですね!ぜひ活用方法をマスターしましょう!
デキる看護師はやっている!ワークシート作成方法のコツ
基本的に病棟業務は受け持ち患者のみをリスト化し、情報収集した内容や申し送りで聞いた内容をメモしていきます。
実際に大学病院で使っていたのは、以下の表のようなものです。
氏名 | 年齢 | 性別 検査結果 | ケア内容 | 症状 | 今後の予定 |
山田 一郎 疾患名 | 84 | 男 CRP | ope後〇日 S -1(便秘1日目) | 疼痛+腫脹- | 4/12 labo(血液検査) |
鈴木 次郎 疾患名 | 90 | 男 WBC,RBC等 | トイレ介助(要) | 食欲↓ | 4/30 ent(退院予定) |
・記入ルールを決める
・過去から未来への時間の流れを意識して整理する
・略語を使って時短
ワークシートの基本的なルールと記入例【テンプレ】
ワークシートは基本的に電子カルテから印刷することができます。
その日の受け持ち担当患者を選択し、受け持ち患者だけをリスト化したワークシートを印刷します。その後、自分で必要な情報を記入していきます。
【ワークシート記入前】
氏名 | 年齢 | 性別 | (自由記入欄) |
山田 一郎 | 84 | 男 | |
鈴木 次郎 | 90 | 男 | |
【ワークシート記入後】
氏名 | 年齢 | 性別 検査結果 | ケア内容 | 症状 | 今後の予定 |
山田 一郎 疾患名 | 84 | 男 CRP | ope後〇日 S -1(便秘1日目) | 疼痛+腫脹- | 4/12 labo(血液検査) |
鈴木 次郎 疾患名 | 90 | 男 WBC,RBC等 | トイレ介助(要) | 食欲↓ | 4/30 ent(退院予定) |
自分で線を引いて項目を分けることで情報が整理しやすくなります。
早口の申し送りでも聞き逃すことなく、必要項目だけ追加すれば良いので、あらかじめ土台を作成しておくと便利です。
このワークシートの記入方法は誰も教えてくれませんが、先輩を見てなんとなくで作成している人がほとんどです。

先輩がどのように使っているのかを聞いてみるのもデキる看護師へ近づく一歩です!
【ワークシートの基本ルール】
・氏名、年齢、検査結果、ケア内容、症状、今後の予定と項目毎に分けて記入する。
・大事な内容、追加で記入したものは赤字で記入する。
・受け持ち患者のみに絞る。
・申し送り前に最低限必要な内容はカルテから収集しておく。
・ルールを決めて記入する。
過去から未来への時間の流れを意識して作成する
ワークシートは左から右へ、「過去➡︎未来」となるような時系列でまとめていくと、申し送り時も活用できます。
一番右側には実際の業務には直接関係はないけど、申し送らなければならない今後の予定を記入します。検査や手術、治療開始日、退院日などを記入することをおすすめします。
これをすることで申し送りが苦手な人でも、過去のこと➡︎今日実施した内容や評価➡︎今後の予定と順番にわかりやすく伝えることができます。
自分のルールを決めていれば、そのまま伝えるだけなので、申し送り前に練習する手間も省けて一石二鳥です!
略語を使って時短
看護師はとにかく時間がありません。申し送り前の情報収集に時間がかかり、前残業文化があるほど出勤時からバタバタしています。
申し送りも早口で聞き取れない!という経験があるかと思います。
申し送りについていく力をつけるには、まずは略語をしっかり使うこと!
略語が使えるだけでもメモのペースが早くなり、完璧に申し送りが聞けるようになります。
日本語 | 略語 | 日本語 | 略語 |
---|---|---|---|
入院 | ad | 退院 | ent |
手術 | ope | レントゲン | x-p |
採血 | labo | 化学療法 | ケモ |
尿 | U | 便 | S |
インフォームド コンセント | IC | 問題なし | n.p |
○日目 | day○ | 疑い | s/o |
病院によって使用する略語が異なる場合があります。病院の言い回しに合わせて使用しましょう。

病棟看護師のワークシート活用【応用編】
マイルールを決めて、自分に合った使い方にアップデートしていくと、さらに効率よく仕事をこなすことができます。
・今日必ず確認しなければならないことは赤丸で囲む
・不確かな情報、再確認が必要なものはアンダーラインをつける
・医師へ伝えなければならない内容は青字 など
一人一人ワークシートの使い方は異なります。さらに、リーダー業務を行うようになると記入内容や使い方も変わります。
これまでの記入例をベースに、自分が使いやすいようにマイルールを更新していきましょう。
まとめ:デキる看護師になるためのワークシートの書き方
今回は新人・若手看護師のためのワークシート活用術を紹介しました。
現場では具体的に教えてもらえないことが多いですが、デキる看護師になるためには非常に重要です。
おさらいになりますが、病棟看護師のワークシートの作成のコツは主に以下の3つです。
・記入ルールを決める
・過去から未来への時間の流れを意識して整理する
・略語を使って時短
今回紹介したワークシート作成方法のコツを取り入れながら、明日からぜひ試してみてくださいね。
また、新人時代を乗り切りたい看護師のための仕事術を紹介しています。こちらもあわせて参考にしてください。
