看護師を退職して、とりあえず休もうとニートを選択する人も少なくはありません。
心身ともに疲れた自分を労る期間をあえて作った自分を褒めてあげましょう。
ニート期間に旅行したり、資格の勉強をしたりと過ごし方は多種多様ですが、目的や目標がないと反対にうつ状態を招く恐れがあります。
ダラダラと過ごしすぎず、ニート期間を充実させるためにやっておくべきことを紹介します。
看護師退職後のニート期間はあらかじめ決めておく
看護師を退職した後は「今後のことは何も考えたくない」とフリーになる人がほとんどです。ですが、満足した日々を過ごすためにも、なんとなくでも良いので、期間を決めておきましょう。
看護師のニート期間は、一年以内が理想です。その理由は以下の3点にあります。
・ニート期間が長いと面接官への印象が悪くなる
・期間を決めておくことでだらだら過ごすのを防ぐ
・一年あれば、やりたいことが実行できる
一年間が理想ですが、正直そこまで焦らなくても大丈夫です。一年も経てば、自然と働かないことへの社会的不安や経済的不安から復帰を考え出します。
ニート看護師の多くは、失業保険がもらえる期間として半年程と決めている人が多いです。
一年以上ブランクがあっても大丈夫?
医療は日々進歩しています。少し離れただけで状況が変わっていることも多々ありますが、大きな心配をする必要はありません。
むしろ急性期病院以外は遅れていることもあるので安心してください。
スキルに関しては自転車に乗るのと同じで、初めは感覚を取り戻すのに多少苦労しますが、すぐに順応します。
しかし、ブランクが一年以上あると「何もできなくなっている」「自分に嫌気がさしてまた退職したくなる」という人もいるので、だらだら過ごす事だけは避けましょう。
ニート期間が長くなりすぎた場合はどうしたらいい?
ニート期間が一年以上となると、面接官の印象が悪くなります。
そのため、理由を明確に伝えられるようにしましょう。
看護師とは関係はなくても生活に必要とされるFPや簿記の勉強をするのも良いですね。職業訓練給付金を上手く活用すれば、経済的にもなり、さらに新たなスキルも磨けるのでおすすめです。
看護師退職後ニートを楽しむためにすべき必要な手続き
退職後にまずしなければならない手続きは「年金」「健康保険」の2つです。
失業保険で給付金を貰うことを考えている人は「失業保険」の手続きもしましょう。
年金(必須)
月額17,510円(令和7年度)
退職後、年金の手続きは必須です。これまで病院が負担していた分は自分で納めなければなりません。
年金手帳を持参し、市役所や年金事務所で手続きを行いましょう。
失業者には、保険料の免除・猶予制度があります。希望する場合は申請が必要です。
失業保険の給付手続きをする際にハローワークでも説明がありますので、利用を検討している人はホームページ「日本年金機構:国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」で確認しましょう。
・基礎年金番号通知書のコピーまたは年金手帳のコピー
・雇用保険受給資格者証、雇用保険受給資格通知または雇用保険被保険者離職票のコピー
健康保険(必須)
健康保険の手続きも必須です。任意継続(2年)、国民健康保険、扶養から選び、切り替えを行う必要があります。
切り替え先 | 期限 | 手続き先 |
---|---|---|
任意継続 | 退職翌日から20日以内 | 職場の健康保険組合 |
国民健康保険 | 退職翌日から14日以内 | 市役所・区役所等 |
扶養 | 退職翌日から5日以内 | 会社を管轄する健康保険組合 |
任意継続は、前職場で手続き方法を確認し、申請用紙をもらいましょう。
国民健康保険は、お住まいの市町村ホームページを確認してください。
配偶者や親族の扶養に入る場合は、組合健保の事務所(会社を管轄する健康保険組合)または全国健康保険協会の事務所(管轄の年金事務所または事務センター)のホームページを確認してください。
・厚生年金保険資格喪失証明書(退職時に職場から受け取る)
※扶養の場合は異なります。
失業保険
自己都合の場合:給料の60〜80%を3ヶ月間(給付制限期間あり)
職場が雇用保険に加入していれば、給付金をもらうことができます。
【条件】
・失業の状態であること
・すぐに働ける状態であること
・仕事を探している状態であること など
長期間旅行を考えている人は必ずスケジュールを確認しましょう。失業保険を受ける際は、月に最低2回はハローワークへ通わなければなりません。
指定日があり、自己都合で日程を変更することはできません。持病での病院受診や親族の冠婚葬祭などは変更可能ですが、理由を示すための書類の提出が必要です。
そのため、長期間旅行を検討している人は旅行後に申請することをおすすめします。
離職票(職場へ依頼、離職後2週間程かかります)
ニート期間のお金を準備すれば10倍楽しめる!
ニート期間を充実させるためには、あらかじめ貯金をして、使う額を決めておきましょう。既に退職が決まっている人は、貯金を多めにし余裕を持たせておくとニート期間を楽しむ事ができます。
また、これまで職場が負担していた保険料は自分で負担することになります。固定出費を計算してみましょう。
・生活費(家賃、光熱費など)
・国民健康保険料
・年金
・住民税
特に住民税は20〜30万円ほど一気に請求が来て驚くので、あらかじめ準備しておきましょう。期待していた退職金はほぼ税金でなくなります。
看護師ニートから社会復帰する先は様々!
看護師がニートから社会復帰するには、就職時期の目安を決めて逆算して転職活動を行いましょう。復帰する場所も多種多様なので、自分に合った仕事や職場を選択しましょう。
心身ともに疲弊し、抑うつ状態で退職を考えている場合は、傷病手当を受けて休職することをおすすめします。休職への手続きをきちんとしていれば、病院でも対応してくれるところは多いので、検討しましょう。
転職活動時期は?
転職時期は1〜2ヶ月程かかります。書類の送付、面接、内定後の準備などで意外と時間が取られてしまいます。
すぐに転職先が決まらず長引いてしまい、金銭的に厳しくなることが予想されるので計画的に行動しましょう。
ニート後、ちゃんと復帰できるか不安、という人は社会復帰までの体験談をまとめているので、こちらの記事を参考にしてください。
復帰する職場を決める
看護師ニートから社会へ復帰する選択肢は「看護師として復帰する」「別の仕事をする」の2通りあります。
看護師として復帰する
忙しい仕事に疲れて、体を休める目的でニートになった場合は、看護師として再び復帰する人が多いです。
看護師ニートでよくある復帰先としては、落ち着いた環境でゆっくり働ける慢性期・回復期病棟や介護施設、クリニックを選択する傾向にあります。
看護師とは別の就職先を探す
看護師が嫌すぎる、もう二度としたくないという人は一般企業へ転職を検討します。
看護師からの企業へは未知の世界で難しく感じますが、業種や職種選びを一からサポートしてくれる転職エージェントを選び、ともに新たな職探しをすることから始めましょう。
看護師退職後、ニート期間にやったこと
とりあえず休養
退職後1週間はとりあえず休養しましょう。仕事のことを全て忘れて、ゆっくり寝ることも大事です。
仕事が何もなくなった自分に今後の不安を感じることもあると思いますが、これまで十分頑張ってきたんだから、何も考えない期間を作ってみても良いのではないでしょうか。
・朝カフェでモーニング
・Netflixでドラマを見る
・ジムやヨガに通う
・ネイルやヘアカラーを楽しむ
・同期と旅行する
・南国でゆったりと過ごす
・海外旅行を楽しむ
・手の込んだ料理を作る
・静かな場所で読書する
・家族との時間を作る
思いついたままに、好きなように過ごし、ごほうび期間にしましょう!
生活の見直し
これまで夜勤で狂っていた生活リズムを整えてみましょう。新卒から夜勤を経験していると負担の大きさに気づきませんが、夜寝て朝起きる生活が続くだけでも10歳若返ったかのように体が元気になります。
・朝起きる
・太陽の光を浴びる
・朝食を摂る
・入浴は湯船に浸かる
・夜23時には就寝
慌ただしくてできなかった掃除などしてリフレッシュするのも良いですね!健康第一!
看護師の単発バイトで楽しく仕事する
看護師として働きたい気持ちはあるけど、自分のペースで働きたいという人は、デイサービスや有料老人ホームなどで単発バイトを経験するのも一つの手です。
病院ではなかなか難しかった患者さんにもゆっくり関われるので、学生時代に期待していたような看護の楽しさを取り戻すことができます。
・デイサービス(放課後デイサービス)
・有料老人ホーム
・健診センター
・ツアーナース
・クリニック など
完全なニートをするよりも、社会から突き放された不安を感じることなく、程よく経験できるのでやりがいも感じられて素敵な経験になります。また、今後の職場探しのヒントにもなるのでおすすめです!
失業保険を受けていても、規程以内であれば働き損にはなることはありません。しかし、働いた分は報告をしましょう。
看護の単発バイトに挑戦してみたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
医療以外のバイトで好きなことをやってみる
小さい頃の夢を叶えたり、好きなことを仕事にするのも素敵な経験になります。
・ケーキ屋
・カフェ店員
・雑貨屋のスタッフ
看護師以外のバイトをする場合に注意したいのは「なんとなくやりたいから」という理由だけでは職場に失礼です。
短期間で雇ってくれる職場は少なく、看護師資格を持っているのになぜ?と不審がられ、面接で落とされることもあります。
面接では「働きたいと思った理由」「今後の方向性」などきちんと説明できるように対策をしましょう。
看護師退職後、ニートから復帰した時の正直な思い
私はどうしても看護師は嫌でした。企業に入る勇気もなく、かろうじて医療に触れている産業保健師を選択しました。
転職は難しいものでしたが、ニート期間しっかり休んだこと、どうしても産業保健師になりたくて転職活動を続けていたけど内定がもらえなかったことを正直に話しました。
内定がもらえない事まで言うべきではありませんでしたが、やる気が評価されました。
復帰に関しては不安はなく、ようやくやりたいことに向かって挑戦できる喜びでいっぱいでした。何より、無事に社会復帰できたことが嬉しかったです。
転職経験をもとに、希少な産業保健師になるための転職ノウハウを発信しています。産業保健師の詳しい転職情報を知りたい人はこちらの記事を参考にしてください。
ニート期間を過ごして変わったこと
実際にニート期間を過ごしてみて、あえて働かない期間を作ったのは大正解でした。
さらに言えば、ニート期間中にしかできない事や様々なことに挑戦し充実させたことで、ものの考え方が変わり、人生の転換期になりました。
規則正しい生活の楽さ
規則正しい生活をするだけでも体調が驚くほど違います。
朝から爽やかな気持ちで過ごせることで「今日は何をしようかな」とあらゆることに意欲が出てきた時、激務だった頃は抑うつ状態だったんだなと実感しました。
仕事のことを全て忘れて、心身ともにリフレッシュできた生活を楽しめたのはこの期間だけで貴重な経験なので、人生一度は経験してみても良いのではないでしょうか。
価値観が変わり、視野が広がる
仕事に対する考え方、働き方、本当は何がやりたいのか、自分と向き合う時間ができます。
これまでに忙しくてできなかった経験を積み重ねることで、価値観がガラッと変わりました。
給料・人間関係・生活・プライベートなどどの部分を大事にしたいのか、自分の軸をはっきりさせる判断材料が増えたことは大きいです。
自分の軸で働く
一度長期で休んでしまうと、「もう働けないのでは・・・」と大きな不安を感じます。
一緒に退職したけど先に転職をしている元同僚と比較して、周りは頑張っているのに自分はなぜ頑張れないのか、と悩むこともありました。恐れていたことは、残念ながらそのまま起こります。
しかし、このような経験から学んだこともあり、程よく社会復帰し、自分のやりたいことで稼ぐ楽しさも覚えました。
看護師定職後ニート期間を充実させるためにやるべきことまとめ
今回、初めてニート期間を過ごす方向けに、準備しておくべきことをまとめました。
心身ともに休める期間、自分と向き合う期間、本当にやりたいことをやる期間、目的は人それぞれですが、人生で滅多に経験できない期間です。
充実させることで人生の質も高くなります。ぜひ参考にしてみてください。
- ニート期間(理想は1年以内)を決めておく。
- 必要な手続き「年金」「健康保険」「失業保険」を済ませる。
- 充実させるためにあらかじめ予算を決めておく。
- 社会復帰する職場を考える。