産業保健師の転職は求人数が少なく倍率が高いため、かなり難しいです。
企業の面接は看護師の面接よりも堅苦しくガッチリしたもので、「企業の面接ではどのような対策をしたらいいのかわからない」という不安を感じる方多いです。

これまでに10社ほどの面接経験をもとに、産業保健師面接でよく聞かれた質問を紹介します!
本記事の内容を全て把握すれば、産業保健師面接の9割は対策できます。
私が実際に経験した5社のリアルな面接内容もこちらの記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
・面接でよく聞かれる質問
・採用側が面接でチェックするポイント
・一次面接、二次面接の具体的な対策方法
まだ書類選考に通過できていない人は「産業保健師の書類選考を通過した職務経歴書の書き方【志望動機/自己PR例】」を参考に履歴書や職務経歴書を作成しましょう。
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産業保健師の採用側がチェックするポイントを理解する
保健師は、一次面接、二次面接、最終面接と段階を踏んで行われることが一般的です。

採用側がどのような点を重視しているかを理解することで、自己アピールをスムーズに行うことができます。
産業保健師面接で採用側が注目するポイントは以下の通りです。
①企業の理念を理解しているか
②必要なスキルや経験を持っているか
③入社後のビジョンを明確に持っているか(入職後のミスマッチを防ぐため)
これらの対策としては企業の事前分析を行い、入社後の具体的なイメージを持つことが重要です。
将来のビジョンや入職後の目標を明確にすることで、自己アピール力がより強くなります。
具体的な企業分析の方法は以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

産業保健師の面接でよく質問される項目

産業保健師の面接では、以下の3つの項目について必ず質問されます。これらの質問に対する準備をしっかり行いましょう。
- 基本的な項目
- 入社後について
- 保健指導について
基本的な質問項目
まずは、自己紹介や志望理由などの一般的な質問があります。
必ず「前職の件についての情報」や「退職理由」などは必ず聞かれるので、事前に準備しておきましょう。
- この会社を志望した理由は何ですか?
- 保健師になりたいと思ったきっかけは何ですか?
- 産業保健師を目指したきっかけは何ですか?
- 看護師を目指した理由は何ですか?
- 今回の転職、前職場を退職した理由は?
- 前職での業務内容や経験について教えてください。
- 前職での健康管理体制、業務内容、対象人数などは?
- 前職での成功体験や苦労した経験はありますか?
- 自分の強みや弱み、長所や短所は何ですか?
どの面接でも必ず聞かれる自分の性格や性質などの質問は、採用が決まる重要な質問項目でもあります。
「自分の強みがない」「自分の長所に自信がない」という人は、自己理解を深めると明確になります。
以下の記事を参考に徹底的に自己分析することをおすすめします。

入社後の業務について
実際に業務に入る際のイメージと実際の業務のギャップを確認するため、入社後についての質問はよくあります。
企業によって、社員の平均年齢や業務内容が大きく異なるため、以下のようなポイントを押さえておくと良いでしょう
- 会社の雰囲気や文化はどうですか?
- 入職後、やりたいことは何ですか?(具体的な例を挙げるとより良いです)
- 出張や異動は可能ですか?
- グループ会社との関係やしがらみがある場合、それにどう対応しますか?
- 平均年齢が高く、社員間のコミュニケーションや指示が厳しい場合、それに対処できる自信はありますか?
- 1000人に対して1人の保健師という状況において、どのように対応していく予定ですか?
面接前に企業分析を行うことは非常に重要です。志望動機を魅力的に表現するためにも、企業の特徴や文化を理解し、面接で活躍することがポイントです。
保健指導について
面接では、実際の保健指導方法やその心構えについて質問されることがあります。
成功事例がある場合は、具体的なエピソードを交えて話すと良いでしょう。数字や具体例を挙げることで、話の説得力が増します。

話す際には、結論から始めて理由を説明し、具体例を交えた後にまとめると、伝わりやすくなります。
- 保健指導の経験はありますか?(特定保健指導、健康診断の事後措置、復職面談)
- 保健指導で特に心がけていることは何ですか?
- 喫煙者に対する保健指導はどのように行っていますか?成功事例はありますか?
- メタボリックシンドロームの方への保健指導はどのように行っていますか?
- 飲酒量を減らすための保健指導はどのように行っていますか?
- 病気の自覚がない方への保健指導について、どのようなアプローチをしますか?
これらの質問には、自分の経験や考えを具体的に伝えることが重要です。
また、保健指導においてどのような難しい症例があるかを把握し、自分の強みをどう活かすかを考えておくと良いでしょう。

自身の健康管理について
産業保健師ならではの自分自身の健康管理に対する質問です。
保健師は従業員の健康に関わる仕事であり、自分自身の健康管理ができていないと話になりません。
また、従業員は保健師に相談できますが、保健師は相談先がなくメンタルを病んでしまう人も多いので、自己管理をどのようにしているのか具体的に答えられるようにしておきましょう。
日常生活で健康に気をつけていることや意識していることを伝えましょう。

自分の性格やクセを理解して実施している事があれば、自己アピールにもなります。
- 日頃のストレス発散はどのようにしていますか?
- 健康に気をつけていることはありますか?
- 運動は好きですか?
面接官への逆質問
面接の最後には、必ず逆質問の時間があります。この時間が苦手という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
- 何か質問はありますか?
質問がない=興味がないと捉えられる事があるので、必ず質問はするようにしましょう。
あなたがこの会社で働きたい!とアピールできる最後のチャンスです。実際に働くことをイメージすると、気になることや知りたいことが出てくるはずです。
産業保健師面接の逆質問で意識すべきこと【採用されやすい質問例】
逆質問では、「何を質問したら良いかわからない」「質問しなきゃと考えながら面接を受けているけど、良い質問が見当たらない」と悩む人も多いです。
採用されやすい逆質問ができるようになるためには、逆質問をする目的を押さえておきましょう。
・働く意欲アピール
・理想と現実のギャップを小さくする
・面接で伝えきれなかった部分の補足
・会社が求める人物像を理解する
会社がどのような人材を求めているのかを明確に聞くことで、自分がそれにマッチしていることをアピールできます。
つまり、採用されやすい判断要素を増やすことで採用率はアップします。

逆質問コーナーで他の人との差別化を図っていきましょう!
産業保健師の面接で「採用されやすい逆質問例」を5つ記載しています。
職場の雰囲気

職場の雰囲気について教えてください。
新しい職場でできるだけ長く働きたいという人は職場の雰囲気や働きやすい環境が重要です。
即日採用の企業を受ける際は、事前にエージェントを通して聞いておくのもおすすめです。
産業保健師の転職では、求人票や面接だけでは分からない部分が多く、詳しく知りたいことがあった場合は逆質問で聞いてみましょう。
保健師同士の繋がり

他の保健師との交流の機会はありますか?
産業保健師が一人職場の場合、特に未経験の人は困った時に相談できる人がいると安心です。
企業の中でも専門職が自分一人となると、誰にも相談できず、一人で抱え込み、メンタル疾患を発症させてしまったり、休職をする産業保健師も多いです。
他の産業保健スタッフや他保健師からのアドバイスが貰える環境であればスキルアップにもなるので、グループ内で保健師同士の繋がりがあると良いでしょう。
未経験&若手歓迎の場合

若手社員に求めていることを教えてください。
産業保健師は未経験求人が少ない中で、「なぜ未経験可としているのか?」求めている人物像を聞きましょう。
未経験可の場合は、人柄を重視していることが多いため「どのような活動を求めているのか?」「どのような人柄を求めているのか?」など聞いてみるのも良いでしょう。
面接官の返答に合わせて「自分ならこう活躍できます」と伝えられると、面接官からの印象が良くなり採用されやすくなります。
共感できる部分や自分はピッタリな人材だと感じた時は、自分の気持ちを素直に伝えてみてください。
入職前準備

入社までにしておくべきことを教えてください。
入社後、即戦力となるために行動を聞くことで、産業保健師として働きたい意欲をアピールできます。
入社した自分をイメージすると自然と質問が出てくるので、考えてみましょう。
協力依頼

産業保健活動に協力していただけますか?
産業保健活動は保健師一人で行うのは非常に難しく、他の産業保健スタッフや人事課にも組織として動いてもらえるかが重要です。
人事や管理層の協力が必要不可欠です。入社後、保健師自身が働きやすい環境を作るための質問です。

逆質問は「会社が求めている人物像に自分がどれだけマッチしているのか」をアピールしましょう!
もっと詳しい対策方法が知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。

産業保健師の一次面接・二次面接の違い
産業保健師の面接は企業によって異なりますが、一般的には以下の2つのパターンがあります。
①一次面接のみ
②一次面接→二次面接の2回
一次面接で多くの質問を受けたのに、次の二次面接では何が聞かれるのだろうか、と不安に思いますよね。この違いを理解しておくことで、適切な対策ができ、内定獲得率をアップさせることができます。
一次面接と二次面接の大きな違いは「面接官」にあります。一次面接では保健師や人事課または安全衛生部門の上司が多いです。主に保健師としての業務遂行能力やスキルの適合性が判断されます。
一方、二次面接や最終面接では事業所の所長やトップにあたる社長・副社長が参加することがあります。ここでは業務内容よりも企業全体の状況や今後の課題に関する質問が多くなります。そのため、より深い企業研究が必要です。
産業保健師の面接で上手く話せるようになるコツ
産業保健師の面接対策は以下のポイントを押さえておくと9割は対策できます。
・産業保健の全体像を理解しているか?
・よく聞かれる面接の回答を準備しておく
・採用側の質問に対して敬意を示す
産業保健全般を理解する
産業保健師は希少な職業であり、身近に働いている人がおらず現場のリアルを知る機会がありません。
SNSが普及し、実際に働いている人の声を聞くことができるので、DMを送って質問をする等活用してみるのも良いでしょう。
また、一般的な転職と同様に企業調査をして企業の特徴や社風を理解しておくことも重要です。
産業保健の企業調査はかなり難しく、ホームページでも産業保健活動を公表していない場合があるので、悩んでいる方は参考にしてください。

よく聞かれる面接質問の回答を準備しておく
自分の思いをきちんと伝えるためには、うまく言語化することです。まずは言葉に書き出して、話す内容のキーワードを頭に入れて挑みましょう。
産業保健師の面接は競争率が高いため、内定を得た先で実際に働きたいと思うのは当然ですが、「入社前とのギャップが大きかった」というケースもあります。
面接では、会社が求める保健師像と自分が目指す保健師像が一致しているかを見極めることも重要です。
あまり神経質になりすぎたり、完璧を求めるのは避けましょう。自然体で、さらっと答えられるように心がけましょう。
採用側の質問に対して敬意を示す
面接では採用側の質問に対して敬意を持って対応しましょう。
病院の面接との大きな違いは、きっちりとした企業の面接であること。病院はフランクな面接が多いので、きちんとしたビジネスマナーができるように、適切な言葉遣いや礼儀正しい態度を心掛けることが重要です。

保健師になりたいと思ったきっかけを教えてください。

はい!私が保健師になりたいと思ったのは・・・
このように、質問された後は突然話し始めるのではなく、必ず「はい。」と返事をした後に話す癖を身につけておきましょう。
また、質問に対する回答を適切な長さで行い、相手の興味や関心に合わせて適切な情報を提供することが求められます。

産業保健師の面接で絶対にやってはいけないこと
面接ではやる気だけでなく、「振る舞い」や「態度」も見られます。
採用側に不快を与えたり、不採用の理由になり得る行動には注意しましょう。

産業保健師は倍率が高い分、少しでも態度が悪いと即不採用になってしまうので要注意!
嘘をつかない
面接では絶対に嘘をつかないようにしましょう。嘘がばれると信頼を失い、内定を得ても入社後に困難に直面することになります。
自分の強みを最大限にアピールすることは重要ですが、正直な経験や意見をもとに話しましょう。
企業が求める人材に合わせすぎて自分の軸がブレてしまうのも避けたいところです。
メンタル面重視の企業へ「メンタルに興味があります!」と話し、内定をもらうと入社後に「やっぱりしんどい。やりたくない」と結果失敗してしまうので気をつけましょう。
自分の弱み・短所をネガティブワードで言わない
自分の弱みや短所を述べる際には、ネガティブな言葉を使わず、ポジティブなアプローチを心掛けましょう。
弱みを認めつつも、それを克服するための方針や取り組みを示すことが重要です。
過去の経験や困難をどう乗り越えてきたかを具体的に伝えることで、自己PRに説得力を持たせることができます。
以下のポジティブ変換リストを自己アピールの参考にしてください。
| 短所 | 長所 |
|---|---|
| 短気 | 自分の感情に素直 |
| 神経質 | 几帳面 |
| 大雑把 | 大胆に行動できる |
| 騒がしい | ムードメーカー |
| 人見知り | 観察力がある |
| せっかち | 行動力がある |
| 負けず嫌い | 向上心がある |
| 飽きっぽい | 好奇心旺盛 |
| 優柔不断 | よく考えて行動する |
| 継続力がない | 新しいことが好き |
| めんどくさがり | 効率を求める |
| 消極的 | 周りに合わせられる |
| 臆病 | 冷静に周りを見れる |
| 怒れない | 相手の気持ちを察する |
| マイペース | 何事も動じない |
| おせっかい | 面倒見が良い |
| 計画性がない | 怖いもの知らず |
| 主体性がない | サポート力がある |
| 理屈っぽい | 論理的思考 |
| 取り柄がない | オールラウンダー |
| 気が弱い | 思いやりがある |
| プライドが高い | 上昇志向 |
| 一人で抱え込む | 責任感が強い |
| 真面目すぎる | 何事も慎重に取り組める |
| 冷たい | 感情に流されない |
過度な自己アピールをしない
自己アピールは大切ですが、過度に自己中心的な発言や他者を軽視するような態度は避けましょう。
チームでの業務遂行や他のメンバーとの協力関係も重要な要素です。
自分のスキルや経験をアピールする際にも、それがチームや組織の目標達成にどう貢献するかを明確に示すことが重要です。
過度なアピールにならないようなバランスの取れた発言ができるようになるに、クッション言葉を用いると効果的です。
以下の記事で解説しているので、ぜひこちらも参考にしてください。

これができたら強い!産業保健師の「Web面接」攻略法
産業保健師を含む企業の面接はオンラインで実施するケースが増えてきています。
すぐにスケジュールが組みやすく、会場設営など面倒な作業が減るメリットがあることが原因にあります。
また、企業はオンラインでの会議や面接に慣れているため、抵抗なくWeb面接を行っています。
普段からオンラインに慣れていない人は、接続状況や環境に慣れずさらに緊張してしまい失敗してしまうので事前に攻略法を学んでおくとスムーズです。

産業保健師の面接を5社受けてみたリアルな経験談
産業保健師への転職で、書類選考を通過し5社面接を受けました。
全て大企業を受けており、それぞれの倍率、面接官、質問内容、採否など具体的な内容を以下の記事にまとめています。企業によって聞かれる質問や選考段階も違うことがわかる内容です。

地方で産業保健師を目指す方へのアドバイス
東京や大阪などの都市部と比べて、地方の産業保健師の求人は少ない傾向があります。
そのため、転職サイトだけに頼るだけではなく、他の方法も検討しましょう。
以下の記事を参考にすることで、地方での産業保健師としてのキャリア構築に役立つ情報を得ることができます。
【まとめ】産業保健師でよく聞かれる面接質問と対策
産業保健師の面接は、病院と企業との大きな壁があります。
看護師の場合、面接と同時に、入職準備に取り掛かります。しかし、企業は全く違い、書類選考で人数を絞る➡面接まで進むのも大変です。
採用側のポイントは
①企業の理念を理解しているか
②必要なスキル、経験はあるか
③入職後のビジョンを明確に持っているか
面接で伝えきれなかったことは逆質問の時に伝えると、自己PRを出し切ることができます。
その他、未経験から産業保健師への転職のために有利な資格や勉強方法を以下の記事で紹介しています。こちらも参考にしてください。


