従業員には、身体のことや悩みなど些細な事でも相談に来てほしい。気軽に訪問してほしい。
だけど、やっぱり敷居が高い。
学校の保健室をよく利用する人は通いますが、全く縁のない人は訪室しづらいですよね。もっと保健師の存在を身近に感じてもらえるように、実際に行っている秘密情報を教えます。
誰でも利用しやすい環境づくりをすることで、
「体脂肪率計るものある?」
「ちょっとお腹が痛くて…」
「お菓子貰ったけどダイエット中だからあげる!」
と気軽に利用してもらえるようになります。
◇健康管理室の利用者が増加するメリット
◇健康管理室の敷居を低くする方法
◇従業員のヘルスリテラシーを高める健康管理室のあり方
健康管理室の敷居を低くすることのメリット

体や心に不調が出現した時、早めに対応することで防げるものはたくさんあります。
- メンタルヘルス予防
- 症状出現時の早期発見・早期治療
メンタルヘルス予防
メンタルヘルスの原因は人間関係や職場環境が多いです。
- 人間関係や業務でイライラした時
- ひどく怒られて周りの目が気になり、仕事にならず少し休憩したい時
症状出現時の早期発見・早期治療
症状を放置しておくと重症化し、病院に掛かった時には手遅れになってしまうことを防ぐことができます。
- 頭痛やめまいがする
⇒すぐに早退、受診させたところ脳梗塞だった。はやめに対処できたことで一命を取り留めた。 - 糖尿病通院しているけど病気が治らない
⇒きちんと内服はしているのに、と相談があったケース。通院先を調べてみると呼吸器内科メインの主治医だった。糖尿病専門医を紹介し、すぐに改善した。
※糖尿病は血糖コントロール不良であれば専門医へ罹るのが一番良いです。
病院を受診しても病院選びがちゃんとできておらず治療が上手くできていなかったりするパターンも見受けられます。
他にも、主治医に違和感を感じながらもそのまま通院を続け、状態悪化、手遅れになることもあります。
健康推進室のあり方【敷居を低くする方法】

健康管理室の敷居を低くする方法は以下の3つです。
- ポピュレーションアプローチ
- 健康管理室から出て社内をまわる
- 従業員全員面談
ポピュレーションアプローチ
社内報や廊下ポスターに健康管理室内の写真を掲載するなど、取り組んでいる事業をアピールする。
身近な存在として感じられるよう、どんな部屋か?どんな保健師が在籍しているのか?など人柄がわかるスタッフ紹介をする。「こんなことをやっています」と業務を説明することで知ってもらえると敷居が低くなります。
健康管理室から出て社内を歩き回る
保健師は事務作業も多く、部屋に引きこもりになりがちです。
従業員が働く現場を見に出かけて、挨拶や一声かけるなどコミュニケーションを積極的にとることで親しみやすい雰囲気をつくることができます。
昼食は、毎回食堂で食べるのも効果的です。単独行動なので、声をかけやすいのか管理層とコミュニケーションをとることが容易になります。たまに部下を連れて昼食を摂りに来ることもあり、従業員を知れるチャンスです。
従業員の全員面談
一番効果的なのは、全員面談です。
専門職へ相談するのはためらってしまう方が多いです。顔も知らない、話したこともない人のところへ行くのは勇気が必要です。特にメンタルヘルスは勇気がいりますよね。笑顔で挨拶をしてくれる人、よく姿を見かける人だと安心して気軽に相談ができます。
そんな存在に近づくには、まずは全員と顔を合わせて喋ること。
250人~300人程度であれば年に一回面談を行うのは可能です。しかし、企業によっては1000人を対象としているところも多く、全員面談は厳しいです。せめて1年目の新入社員には顔を合わせる機会をつくり、なにかあったら来てもらえるような工夫をしましょう。
【全員面談のメリット】

- メンタルで悩んでいる人が行く場所
- 病気の人が行く場所
- 健康診断で悪かった人が行くところ
このようなイメージをしている人が多いです。
しかし、全員面談であれば上司から「〇〇さん、面談があるから〇時に行ってきてね」という声掛けを普段から行うことで「呼び出された感」や「偏見」をなくすことができます。
この時に、実際に部屋を見てもらうことで通いやすい場所にもなります。
まとめ
健康管理室を利用しやすくなれば、メンタルヘルスの予防や病気の早期発見・早期治療が可能です。
【敷居を低くする方法】
・ポピュレーションアプローチ
・健康管理室から出て社内を歩き回り存在をアピール
・全員面談
些細なことでも相談してもらえるような環境づくりを目指しましょう。